中国スマホ大手の小米(Xiaomi)のCEOである雷軍(Lei Jun)氏は1月10日の新製品発表会で、事あるごとに華為(Huawei)をボロクソにディスる「宣戦布告」をしたと、泰勒中国基金報が伝えました。
1月10日、雷軍は紅米Redmi発表会で競合他社、というか華為について、「生きるも死ぬも同じだ、やるならやってやる」と息巻き、競合他社は過去数年にわたって小米をマネてコスパを追求しているが、実のところコスパと競合他社は無縁であり、彼らと小米の差は大きいと述べたといいます。
また、Redmi Note 7の品質を紹介するにあたり、雷軍はパワポのプレゼンスライド上に示された競合製品を指さしながら、「栄耀8Xをボコボコにしてやろうか?今日はこれくらいにしといてやろう、これ以上いうとスマホをこの場で壊すことになる……」とも。
正直「大丈夫か?」と心配になりますが、面白いのでいいでしょう。
紅米発表会後に雷軍は、紅米のブランド独立は、高品質の追求において競合他社に勝るとも劣らないことを証明することあると語り、「小米は価格が安いが製品に問題がある」との質問には半ギレで「小米は華為のポルシェモデルのような、パッケージばかりの製品は作らない、幾らのものはそのまま幾らで売る」と答えたそうです
スマホにSamsungのカメラセンサーを採用し、ソニーにしなかった理由について雷軍は、これはソニーの製品に在庫がないからであり、ソニーの製品を採用した競合他社のスマホはもっと速くに発表されたが、遅々として供給されないのも、これが原因だと回答し、次のようにも述べました。
「競合他社は『小米のやっているのは飢餓営業だ、小米のはパワポスマホ(発表会にしか出現せず在庫のないスマホ)だ』という。しかし見たまえ、彼らこそパワポスマホじゃないか、やれるものなら在庫を出してきて売ってみろというんだ」
発表会で競合他社をディスることは珍しくないものの、このように直接、特定のメーカーに対してやることは珍しく、発表会にキナ臭い空気が充満したと評されています。
なお、1月2日に雷軍が微博(Weibo)で紅米(Redmi)ブランドの独立を発表した後、外野からは華為が栄耀(Honor)ブランドを分離したのをマネたと分析がありましたが、栄耀の副総裁である熊軍氏はこれについて、「栄耀と小米の競争はとっくに終わっている、栄耀がとっくに遥か先を行っている」、「競合他社の後追いを歓迎する」と、煽りまくったそうで、これが発表会での華為への「口撃」の背景になったのではと指摘します。雷軍の煽り耐性の低さよ……という感じですね。
ちなみに、1月8日午後、中国の知恵袋的なサイト「知乎」で、雷軍本人のアカウントが「同じ国産スマホなのに、なぜ華為は民族ブランドで、インド市場の占有率第1位の小米は民族の誇りではないのか」という質問をブックマークしていることがネット民に発見され、すぐにブックマークは取り消されたとか。
これについて雷軍は、「知乎のアカウントは、本当に私が開設したものか?私が開設したものではないかも知れない。この1年間、知乎を見たこともないし、これは本当に私と関係がない」と答弁。
知乎によると、IDは「雷軍」の個人認証中の「企業幹部」類別に属するもので、前もって身分証明が提出されており、知乎の正常の個人認証手順と規範に合致するものと回答。無慈悲ですね。
華為と小米、ともに中国を代表するスマホメーカーであると同時に、ライバル関係にありますが、雷軍のキャラがコンテンツすぎて面白いので、今後も見守っていきたいと思います。
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