サムスン電子は、2021年1月12日に同社のモバイル向けSoC「Exynos」シリーズの新チップセット「Exynos 2100」を発表しました。
Exynos 2100は、先代のExynos 990と比較して、パフォーマンスや電力効率ともに大幅に向上しています。プロセッサーは5nmプロセスで製造されており、クロック周波数最大2.9GHzの高性能「Cortex-X1」と、3つの「Cortex-A78」、4つの「Cortex-A55」によって構成されています。3種類のコアによる3クラスター構造により、7nmプロセスで製造されていたExynos 990と比較して30%高速であるといいます。
この構造により、同じ電力で使用した際に、Exynos 990よりも10%高いパフォーマンスを実現し、電力効率も向上。
また、GPUには、英Arm社の「Mail-G78」を採用。グラフィックパフォーマンスは最大で40%向上したとされています。 Exynos 2100はもちろん5Gにも対応しており、Sub6とミリ波の両方が利用できます。ミリ波では下り速度最大7.35Gbpsとのことです。
このExynos 2100は、1月14日に発表が予想されている「Galaxy S21」シリーズに初めて搭載される見込みです。これまで、サムスンのフラッグシップスマートフォンは、国によって搭載されているSoCが異なり、米QualcommのSnapdragonを搭載するデバイスの方がパフォーマンスや電力効率に優れていたことから、Exynosは散々な評価をされてきました。
Qualcommは昨年12月に新たなSoC「Snapdragon 888」を発表しています。Snapdragon 888も、メインコアに「Cortex-X1」を採用しており、現在両社が示すデータ上では、性能は互いに拮抗しています。「Galaxy S21」でも、日本を含めた一部の国ではSnapdragon 888を搭載したデバイスが発売されると見られており、両者の性能に注目が集まっています。