iPad用の人気アクセサリーと言えば、やはりApple Pencil。イラストやメモなどに便利に使えます。しかし、Apple Pencilは約1万6千円とかなり高額なため購入をためらってしまう人も多いのではないでしょうか。
筆者はiPad Pro 11インチとApple Pencilを使っていますが、Apple Pencilの使用頻度が低いことから売却したくても時々使うので「それほど使わないが無いと困る」状態。
そこでAmazonを見てみると、数千円でiPad用のスタイラスペン(タッチペン)が販売されています。果たしてApple Pencilの代替となるのか?実際に購入してみました。
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mpio スタイラスペン
今回購入したのはmpioというメーカーの第三世代モデル「MP-09」。ESRやJAMJAKE、KINGONEなど様々なメーカーから販売されていますが、「iPad用スタイラスペン」ならどれもほとんど同じようです。今回のmpio製品の対応機器は2018年以降に発売された全てのiPadとなっていて、Apple PencilのようなiPadの種類による区別は無いようでです。
開封・外観チェック
非常に簡素なパッケージ。スタイラスペンの他、短い充電ケーブル、キャップ、替えのペン先、取扱説明書が入っていました。
取扱説明書は英語のみですが、操作はとても簡単ですしイラストが多く使われているので問題ありません。ちなみに、この取扱説明書には一部誤りがあります(後述)。
こちらがペン本体。長さは約167mm、直径は約9mmです。Apple Pencil(第2世代)に非常によく似ていてサイズ感もほぼ同じ。転がらないよう一部が平らになっていて、そこにUSBポートとインジケーターがあります。
ペン先は直径1mmと極細。グラグラしているなどの問題は特に見つかりません。
繋ぎ目が安っぽく感じますが、デザインは悪くないですね。傍から見ればApple Pencilを使っているように見えるはずです。なお、パッケージからクイックスタートガイド、ペン本体までどこにもメーカー名・ブランド名は記載されていません。いわゆるノーブランド品。だから販売者が違っても基本はほぼ変わらないのでしょう。
使い方
実際に使ってみます。
まず、iPadにApple Pencilを接続している場合はBluetooth設定から接続を解除する必要があります。取扱説明書ではそれに加えて「『Apple Pencilのみで描画』をオフにする必要がある」と記載されていますが、これはする必要がありません。むしろオンにしないとパームリジェクションが機能せず、使いにくいです。
そして、このペンを使うには上部のタッチセンサーを軽くポンとタッチ。するとインジケーターが青く点灯します。
これだけでiPadで使うことが出来ます。なんとBluetooth接続は必要ありません。オフの状態だと使えずオンにするだけで使えるようになります。
もう一度タッチするか、5分間使わないと自動的にオフになります。
使用感
肝心の使用感としては、スラスラと快適に筆記できます。
スラスラと非常に快適に書けます。これはすごい pic.twitter.com/jvVDvVUn0h
— どろモバ|ガジェットブログ (@doro_moba) March 18, 2021
遅延の無さはApple Pencilと同等です。スローで比較してみました。
iPad用の格安タッチペンを購入したので、純正Apple Pencilとの遅延の差をスローで比較してみました。
驚いたことに全く差を感じないです…https://t.co/Ac79lQsDSn pic.twitter.com/R1dEFHnw75— どろモバ|ガジェットブログ (@doro_moba) March 18, 2021
いかがでしょう。スローで見ても使っていても差が感じられません。
傾き検知機能にも対応しており、傾けるほど太くなります(ペンの種類によります)。さらにパームリジェクションに対応。手が触れても反応しません。iPad OS 14で追加のスクリブルも対応。ただし、筆圧検知機能がありません。
iPad Pro/Airにくっつくのが超便利
Apple Pencil第2世代はiPad Pro(2018,2020)やiPad Air 第4世代 の側面にマグネットでくっついて自動で接続・充電されますが、この3000円のペンもマグネットでくっつきます。
ペンのサイズはApple Pencil 第2世代とほぼ同じなので、Apple Pencil用のスペースがくりぬかれたケースの多くは干渉しません。あまりにピッタリサイズの場合は干渉するかも。
くっつくだけで充電はされないので、手動で充電する必要があります。充電中はインジケーターが赤く点灯します。
端子はUSB Type-C。iPadに直接突き刺す充電方法は出来ません。約100分のフル充電で20時間の連続使用が可能とのこと。かなり長時間持ち、滅多に充電しなくて済むので、手動充電でもあまり面倒には感じません。なお、充電中でも使用できます。
ペン先交換可能・カバー付き
Apple Pencil同様、ペン先を回すことで外すことが出来ます。特にペーパーライクフィルムを使用しているとペン先が摩耗するので、替えのペン先(チップ)が1つ同梱されているのはありがたいですね。
さらには交換用の替え芯もAmazon等で販売されていますが、残念ながらApple Pencilとの互換性はありません。
おまけにペン先を保護する白いカバー(キャップ)も付属しています。
ペンを側面にくっつけられないタイプのiPadで使用する場合の、持ち運び時に使うと良さそうです。
普通のタッチペンとの違い
Bluetooth接続しないのなら100円ショップでも売っているような普通のタッチペンと同じなのでは?と思ってしまいますが、普通のタッチペンであればiPadには指と同様に認識されるため、パームリジェクション機能やスクリブル機能等は使えません。
本製品はApple PencilではないのにApple Pencilだと認識。最近エレコムもiPad専用タッチペンを発売しましたが、おそらくこのmpioのペンと同じ互換品と思われます。
良い点
良い点はなんといっても安いのにApple Pencil同等の書きやすさ。傾き検知・パームリジェクションも問題なく使え、さらにiPad Pro/Airにマグネットでくっつくので本当にApple Pencilとあまり変わらない感覚で使用できます。
iPad本体に突き刺して接続・充電するApple Pencil第1世代と比べると、むしろこっちの方がスマートなのでは?とさえ思ってしまいます。
欠点
欠点としては、「起動は上部をタッチするだけ」なのですが、一度接続すれば後はいつでも筆記可能なApple Pencilに慣れてしまっているとタッチするのを忘れてしまいます。オートスリープ機能があるためしばらく書かないと再びタッチする必要あり。
筆圧検知やダブルタップ機能が無いので、本格的なイラストを描く場合は不向きです。筆者のようにメモやPDF書き込みといった使い方なら不便を感じません。
充電残量を確認できないのは不安ですが、20時間の連続使用が可能なので使用頻度が少なく主に家で使うなら特に問題無さそうですし、幸いUSB Type-Cなのでモバイルバッテリー等があればすぐに充電できますが、外出先でバリバリ使う場合は家でフル充電(緑色に点灯)してから使う方が安心ですね。
まとめ
Apple Pencilに近い使用感と言える、iPad用の格安スタイラスペンをレビューしました。いくつかの欠点はありますが、安いので許容範囲内です。筆者のようにイラストは描かずメモやPDF書き込みを少しする程度なら、費用を抑えてペンを使うことが出来るのでありがたい。本当にこれで十分すぎるという印象です。
今までApple Pencilを使ったことが無い人や本格的なイラストを描かない人におすすめです。一度使ったことがあるとタッチするのを忘れてしまうかも知れません。
メーカーが違ってもiPad用ペンであれば基本は同じようですが、物によっては傾き検知が無かったりiPadにくっつかなかったりするのでよく詳細をご確認ください。