Huaweiは6月2日、HarmonyOS 2と新製品の発表会を開催しました。その中で新型ハイエンドタブレット「MatePad Pro」を発表。1年半ぶりのアップデートで、名称はそのまま。本記事では2019年冬発表モデルを第1世代、今回発表モデルを第2世代と呼びます。

ディスプレイサイズは、10.8インチだけでなく新たに12.6インチが追加。サイズによって異なる点が複数あります。
10.8インチモデル
10.8インチモデルはLCDで、引き続きパンチホールを採用します。リフレッシュレートについては触れられていないため、残念ながら引き続き60Hzの模様。

カメラは単眼で、Harman Kardon監修のスピーカーは4基。このように10.8インチモデルは第1世代からあまり変わっていないようです。寸法が全く同じため、同じ筐体と思われます。
12.6インチモデル
12.6インチモデルは大幅に進化しています。ディスプレイは有機EL。インカメラがベゼルに埋め込まれたことにより、パンチホールは無くなりました。スッキリしていて良いですね。

そしてトリプルカメラを搭載します。1300万画素の広角と800万画素の超広角、そしてiPad ProのLiDARを意識したのか「3D深度センシングカメラ」なるものを搭載。通常の深度センサーとは違うのでしょうか。画質については第1世代が微妙だったので、今回もあまり期待はできません。

スピーカーは8基と非常に多く、より迫力があって高い解像度を実現しているとのこと。
バッテリーも1万50mAhと大容量。さらに両サイズでワイヤレス充電・給電に対応します。
SoC
Huaweiはアメリカ政府の制裁によりチップの調達が困難となっており、SoCは何を搭載するのか注目されていました。
12.6インチモデルはKirin 9000Eを搭載。Mate 40無印にも搭載されている、Kirin 9000の下位版です。

12.6インチモデルは5G対応モデルがあるのに対し、10.8インチモデルはSnapdragon 870を搭載しWi-Fiモデルのみ。
発表会の最後に「アメリカ政府の制裁により、従来のスマホの4Gモデルを発売する」と告知しています。米国政府はHuaweiに対する禁輸措置を実施していますが、Qualcommに一部4G製品の出荷を許可しています。モバイルネットワークに対応しないノートPCのMateBookの部品についても、IntelやAMD、Microsoftは輸出許可を取れています。
HarmonyOS
ついに登場したHarmonyOS 2を搭載。ホーム画面が新しくなり、ウィジェットが見やすくなって種類が増えたり、ドックに追加できるアプリが増えていたりしています。

コントロールパネルがコンパクトになっており、確実にタブレット向けに改善されています。

第1世代で大きな不満だったのが「縦画面強制アプリが多い」という点。Huaweiも自覚していたようで、より多くのアプリが横画面に対応するよう改善。上位300個のアプリの横画面サポート率は100%とのこと。

iPad OSでは上位300個のアプリのうち65%しか横画面をサポートしていないと主張していますが、体感的にはもっと多いです。もしかしたら中国のアプリ市場だけの話かも知れません。
スマホの画面をMatePad Proに投影し操作できるマルチスクリーンコラボレーションは引き続き利用可能。

さらにPCの画面をMatePad Proに表示することができるようになり、サブディスプレイやペンタブの代わりとして使えます。どちらの機能もHuawei製品でのみ可能。

マウス操作に最適化され、ポインターがiPad OSのような円形に。アプリアイコンにかざすと開いている画面がプレビューされます。

アクセサリー
スタイラスペン「M-Pencil」も第2世代が登場。引き続き色はシルバーで、なんとペン先は透明。カッコいいですね。

従来同様MatePad Pro本体の側面にマグネットでくっつき、自動で接続・充電できます。さらにApple Pencilのようにペンの側面をダブルタップしてツールを切り替えたり、任意のテキストボックスに手書きで入力したりすることが出来るように。

遅延は10.8インチモデルで20ms、12.6インチで9msとかなり低減。また、第1世代ではサードパーティ製アプリで遅延が大きかったのですが、低遅延やパームリジェクション等を可能にする「Pencil Engine」をサードパーティ製に開放したとのこと。これにより、多くのアプリで純正アプリ級の低遅延が期待できます。
今回も専用ワイヤレスキーボードケース「Smart Magnetic Keyboard」があります。マグネットでくっつき、自動で接続・充電できます。

マウスポインターが一新されましたがトラックパッド付きのキーボードケースはありません。画面が他のタブレットより横長なので、十分なトラックパッドの縦幅を確保できないのではないでしょうか。Smart Magnetic Keyboardについてはあまり変わっていないようです。
まとめ
主なスペックは以下の通り。
| MatePad Pro 10.8 | MatePad Pro 12.6 | |
|---|---|---|
| OS | HarmonyOS 2 | |
| SoC | Snapdragon 870 | Kirin 9000E |
| メモリ | 8GB | |
| 容量 | 128/256GB | 256GB |
| 画面 | 10.8型 (2560×1600) LCD | 12.6型 (2560×1600) 有機EL |
| カメラ | 1300万画素 広角 | 1300万画素 広角 800万画素 超広角 3D深度カメラ |
| インカメラ | 800万画素 | |
| 電池 | 7250mAh | 1万50mAh |
| 寸法 | 159× 246× 7.2mm, 460g | 184.7× 286.5× 6.7 mm, 609g |
| その他 | 40W急速充電 27Wワイヤレス充電 10Wワイヤレス逆充電 スピーカー4基 Wi-Fiモデルのみ |
40W急速充電 27Wワイヤレス充電 10Wワイヤレス逆充電 スピーカー8基 5G対応モデルあり |
カラーバリエーションは、10.8インチモデルはミッドナイトグレーのみ。12.6インチモデルはオリーブグリーン、マットグレー、フロストシルバーの3色が用意されています。
各サイズ最小構成での価格は以下の通り。
- 10.8インチ・Wi-Fi・ストレージ128GB:3799元(日本円で約6万5300円)
- 12.6インチ・Wi-Fi・ストレージ128GB:4999元(日本円で約8万5900円)
5G対応モデルは256GBのみ。さらにキーボードとM-Pencilもセットで購入する必要があるようで、価格は7999元(日本円で約13万7500円)です。
中国での発売日は6月10日。グローバルでの発売日は明らかになっていません。
第1世代をレビューした際に不満に挙げた「縦画面強制アプリが多い」「サードパーティ製アプリでペンの遅延が大きい」「UIがタブレット向けではない」といった点が改善されているようで、個人的にはとても期待できます。ただ、本当にリフレッシュレートは120Hz対応して欲しかったと筆者は感じています。
日本発売は現時点で不明ですが、HuaweiはGMSが搭載できなくなってからもタブレットやスマホを日本市場で発売しているため、HarmonyOS搭載製品の可能性も十分ありそうに思います。今後の展開が楽しみです。
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