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HUAWEI MatePad Pro レビュー。Androidタブやファーウェイの限界を実感

 昨年、Huaweiが日本発売した「MatePad Pro」。久しぶりのハイエンドAndroidタブレットということでずっと興味があったので、安くなった頃合いを見て購入してみました。

 しかし、結果としてAndroidタブレットやHuaweiの限界を感じることに。本体・ペン・キーボードのフルセットでレビューします。

開封・外観チェック

 Huaweiお馴染みの非常にシンプルなパッケージを開封すると、本体の他に付属品としてACアダプター、USBケーブル、変換アダプタ、クイックスタートガイド、SIMピンが入っています(Wi-FiモデルのためSIMカードは使えません)。

 本体の色は日本ではミッドナイトグレーのみ。海外では他にもカラバリがあるので少し残念ですが、全体的に丸みを帯びたカッコいいデザインだと感じます。

 シングルカメラ+フラッシュ、ボタン類、USB Type-C端子の他、4つのスピーカーを搭載。

 重さは465gと軽量、一般的なノートPCの半分以下。厚さは約7.2mm(カメラ除く)なのでめちゃくちゃ薄いというわけではありませんが、丸みを帯びていることでより薄く感じます

没入感の高いディスプレイ

 まず重要なのがディスプレイ。Huaweiと言えば、約90%の画面占有率を誇るMateBookシリーズやクアッドカーブディスプレイのP40 Pro等とにかくベゼルレスを追求している印象がありますが、MatePad Proも例にもれずかなりの狭額縁を実現しています。画像は保護フィルムを着用。

 購入前は特に気にしていなかったディスプレイですが、使ってみるとベゼルレスの恩恵で高い没入感が得られて感動します。これに慣れるとiPad Proでさえベゼルが太く感じてしまいます。

 ベゼルが細すぎることで画面端でミスタッチを引き起こさないかと心配になりますが、ミスタッチ検知機能がついているようです。しかし、これが役立っているとは実感できず、ふつうにミスタッチすることはあります

 ベゼルレスの代償として、タブレットでは非常に珍しいパンチホールのインカメラを搭載。

 インカメラは顔認証にも使用します。スマホのパンチホールと比べるとかなり大きいですが、それでもタブレットの大画面に比べれば小さいので慣れれば気にならなくなりました。一般的な16:9の動画を見る時にはちょうどパンチホールが隠れるので特に問題ありません。

解像度 2560×1600
画面サイズ 10.8インチ
リフレッシュレート 60Hz

 リフレッシュレートは価格が安いので割り切るしかありませんが、後継機はぜひとも120Hzに対応してほしいですね。

 超ベゼルレス・高解像度で液晶ながら視野角が広くて発色も良く、ディスプレイは満足です。

申し分ない処理性能

 基本スペックは以下の通り。

SoC Kirin 990
実行メモリ 6GB
ストレージ容量 128GB

 CPUはMate30 ProやP40 Proに搭載されているKirin 990 5Gの4G版です。AnTuTuベンチマーク(v9)スコアは約53万点で、P40 Proの約52万点とほぼ同じ。

 Geekbench 5スコアはMatePad Proでは計測していませんが、P40 Proではシングル752、マルチ2943なのでこれに近いと思われます。

 2019年のチップなので最新のものには劣りますが、ベンチマークテストでも非常にサクサク動き、処理性能に不満はありません。パフォーマンスモードをオンにするとさらに処理性能がアップするようです。対応さえしていれば重めのゲームもサクサクです。

 ストレージは海外版と違い選択肢が1つしかないのは残念ですが、256GBまでのHUAWEI NMカードで増設が可能です。

世界初のワイヤレス充電・給電に対応

 タブレットながらなんとワイヤレス充電(15W)に対応しています。大きいので上手く接点に合わせにくく感じましたが、筆者は身の回りをワイヤレス充電対応機器で揃えているので非常にありがたいです。iPadがワイヤレス充電対応しないかな、と思っていたらHuaweiが先に対応しました。

 有線充電速度はかなり速い40W。約7250mAhの大容量バッテリーをすぐに充電してくれます。

 さらにはワイヤレス給電(リバースチャージ・逆充電)にも対応!MatePad Pro本体に載せてワイヤレス充電に対応した機器を充電することができます。

 Huawei製品でなくてもほとんどのQi規格のワイヤレス充電機能付きスマホや完全ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ等なら充電できます。

 ワイヤレス給電は一部Androidスマホにもある機能ですが、タブレットだとサイズが大きいので置きやすく、さらにバッテリー容量も多いのでより便利に使えます。もちろんUSBケーブルを接続して有線でスマホ等に充電することも可能。MatePad Proがあればモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要が無くなりました。

タブレット版EMUIの使い心地

 購入当初はEMUI(HuaweiのカスタムAndroid OS)バージョンは10.1だったのですが、アニメーションは簡素ですし使いにくい部分があったのでEMUI 11を待望していました。2021年1月にEMUI 11にアップデートされたので、この記事で紹介するのはEMUI 11となります。

 一般的なジェスチャー操作に対応していて、下からスワイプでホーム画面、下から止めてタスク画面、横端からスワイプして戻るといった操作が出来ます。EMUI 10のMatePad Proでは画面下を横にスワイプしてアプリを切り替えるという操作ができなくて驚いたのですが、EMUI 11でようやく対応しました。

 しかし依然として使いにくい部分があり、例えばタスク画面です。開いているアプリが一覧で表示されますが、ほとんどスマホ表示のままという印象。

 Galaxy Tabなど一部のAndroidタブレットやiPadでは、タブレットに最適化され2列で一度に多数のアプリが表示されるのですが、MatePad Proでは一度に3つのアプリまでしか表示されません。これは改善してほしいです。

画面分割の自由度が高い

 タブレットで多用する画面分割機能。MatePad Proでは、画面左右端からスワイプして止めると「マルチウィンドウドック」が出てきます。ここからアプリをタップするとフローティングウィンドウとなり、ドラッグすると画面分割ができます。ドックに表示するアプリは自由に追加・並べ替えが可能。

「戻る」操作の延長

 画面分割やフローティングウィンドウの操作は基本的にAndroidスマホやiPadと同様で、黒いバーでサイズを調整したり1つのアプリだけにしたり、上のバーで移動させたりできます。

 EMUI 11からフローティングウィンドウは2つまで起動できるようになりました。さらにサイズを調整可能で、位置も自由に調整できます。これによって一度に4つまでアプリを表示できるというわけです。さらにEMUI 11ではフローティングウィンドウの「最小化」にも対応し、使わない時は一時的にしまっておけます。

 このように、フローティングウィンドウはEMUI 11でかなり便利になった印象です。

M-Pencil

 タブレットをスタイラスペン目的で購入する方も多いと思いますが、MatePad Proにも「M-Pencil」があります。

 縦長のパッケージ。ペンのほか、付属品として充電器、替えのペン先4つ、説明書類が入っています。MatePad Proで使用する場合は充電器は使いません。交換用のペン先が入っているのは非常に良心的ですね。

 誰もがApple Pencilに似ていると思うであろうデザインです。

 一応Apple Pencilと差別化を図ろうとしているのか、形状は珍しい六角形です。色はグレーでシンプルなHUAWEIロゴ。既視感はありますが見た目は悪くありません。ボタンは無し。

 MatePad Proの上部にマグネットでくっつきます。初回はポップアップ表示が出て、簡単に接続(ペアリング)可能。くっつけるだけで充電できて持ち運びやすいので非常に便利です。

 持ち心地は小学生時代の六角えんぴつを思い出します。正直なところ普通に円形の方が持ちやすいです。重さは14gと軽量。

 Huawei純正のメモ帳では遅延は結構小さいのですが、iPadには及びません。スローで比較してみました。左がApple Pencil(iPad Pro)、右がM-Pencil。リフレッシュレートの差が響いていますね。

ペン先は2種類

ペン先は「柔らかめ」(青)と「硬め」(赤)の2種類があり、色で区別されています。

 実際に書いてみて気になるのが、ペン先がきちんと締まらずグラグラすること。それによって書く時も若干カチャカチャ音がなります。不良品かと思って交換してもらいましたが、2本目も同様だったので仕様なのでしょう。

外部アプリの遅延がひどい

 MatePad ProはGMSが搭載されていないのでアプリ面が気になるところですが、イラストアプリは「アイビスペイントX」「メディバンペイント」が初期状態でホーム画面にストアへのショートカットが置かれ、すぐにインストールできるようになっています。また、公式PVで使われていた「コンセプト」というアプリもAppGalleryからインストールできます。

 メモ系アプリはNebo for Huawei(ホーム画面にストアへのショートカットが存在)やWPS Office(プリインストール)があります。

 少なくともNebo、WPS、コンセプトの3つはメモ帳には及ばずとも遅延が小さいのですが、それ以外のサードパーティー製アプリは遅延がかなり大きいです。

 はっきり言ってこれでスムーズにイラストが描けるとは思えません。なお、筆圧感知やパームリジェクションはほとんどのアプリで機能します。

まともなノートアプリが無い

 MatePad Proでは縦画面にしたときに上下に分割できるため、上で動画を見ながら下でテキストに書き込むという使い方ができ、本来はノートを取るのが便利なはずなのです。

iPadには出来ない使い方が可能

 これはオンライン授業等で有効活用できると思います。

 しかし、前述の遅延問題によって実用的なノートアプリがなかなか存在しない状況です。いくつかのアプリを試してみました。

WPS Office

 上の画像でも使っているWPS Officeでは遅延は少ないものの、速く書いていると筆記を検知しないことがよくあり、画数の足りない字になってしまいます。最適化不足が原因と思われます。さらに、消すときは一画ごとにピンポイントでなぞらなければならず、非常に使いにくいです。

OneNote

 apkでMicrosoft OneNoteをインストールして試してみました。これは遅延以前に、PDFを拡大すると荒くなり、書き込みには使えないと断念。

Noteshelf

 iPad版で有名なノートアプリ「Noteshelf」がなんとAppGalleryにありました。価格は520円。PDF書き込みや新規ノート作成が可能です。

 遅延は小さいとは言えず、一度iPadでApple Pencilを使ったことがあると違和感があります。

 さらに、縦画面上下に画面分割して使おうとするとバーに機能切り替えボタンが被ってしまい、バー周辺のボタンが押せなくなります。これは残念……。

結論

 このように中々良いアプリが存在しないのが現状。

 上下に分割しなければ、NoteshelfがMatePad Proにおけるノートアプリとしては使えないことはないです。しかし、iPadのGoodNotesという人気のアプリに慣れているとNoteshelfは使いにくく感じてしまいます。

 Androidタブレットはやはり最適化状況が厳しいかと感じたので、Galaxy Tab S7を使っているライター、hikarunに聞いてみました。すると、Galaxyの場合は純正のGalaxy NotesでPDF書き込みも可能など、そもそも純正アプリが有能すぎてサードパーティ製アプリを使う機会が少ないようです。(ちなみに、試しにMatePad ProにGalaxy Notesをapkでインストールしてみましたが、起動不可能でした)

 サードパーティー製アプリもしっかり最適化されているiPadなら問題ないのですが、各端末に合わせて最適化することが難しいAndroidのMatePad Proの場合は、純正でしっかり使えるノートアプリを用意してほしかったと感じます。

M-Pencilの便利機能

タップで起動

 MatePad Proが画面オフ状態の時、M-Pencilでタップすることですぐにメモ帳が開きます。よくある機能で、さっとメモを取ることができます。

ポインティングディバイスとして使える

 通常操作もペンで行うことで手をあまり動かさずに操作できます。また、M-Pencilを画面に近付けるとマウスホバーと同じ状態になります。ブラウジングで便利です。

目立った機能は無い

 iPad・Apple Pencil第2世代の「ダブルタップで機能呼び出し」や、Galaxy・Sペンのエアアクションなどの機能はありません。最低限のスタイラスペンです。

純正キーボード

 MatePad Proにも純正キーボードが存在します。

 薄いパッケージにはキーボードと説明書類のみが入っています。

 色はダークグレーのみ。グレーというより少し紺色っぽく見えます。

簡単取り付け

 マグネットでMatePad Proをくっつけます。キーボードのみだとパッケージ画像のようには自立しないので、手で支える必要があります。初回はポップアップ表示が出て、簡単にペアリング可能。

 2回目以降はくっつけるだけで接続されます。マグネットはかなり強力で外すときには力が要ります。

 角度は2段階で調節可能です。こうして見るとiPad Pro+Smart Keyboard Folioにそっくりです。MatePad Pro本体の色とキーボードの色が合っていていいですね。

 珍しいことにタブレットとキーボードには接続端子がなく、ワイヤレス給電技術で電力供給されています。手動の充電不要なのはやはり純正なだけあってとても便利。

 Bluetooth接続ですが、タブレットの下側面をキーボードから持ち上げれば切断されます。キーボードを着けたまま180度折り曲げて持ってもキーボードが反応することはないので、とても便利です。

 特にM-Pencilを使いたいときにわざわざ外す必要が無いのはありがたい……。

キーボードの使用感

 キーボードの選択肢は英字配列(US)のみで、日本語配列(JIS)はありません。JISにこだわりがある人にとっては残念だと思いますが、やはりUSキーボードは余計な刻印がなくて美しいです。

 特に変な配列もありません。日本語・英語は左下の地球キーで切り替えます。

 キーストロークは浅いのですが打鍵感は良く、打っていて気持ち良いです。店頭で初めて触った時から好きな打ち心地。遅延も無く快適に文字入力が可能です。

 膝上でも使用できるものの、後ろに倒れそうになるため若干支えながら使うことになります。

問題はブラウザ

 筆者はMatePad Proでは標準のHuawei ブラウザを使っていますが、キーボードと合わせると問題が生じます。英語入力しようとすると若干もたつくのです。日本語入力では非常にスムーズですし、他のアプリなら英語入力でも問題ないので、Huawei ブラウザだけの問題の模様。特にガジェット記事では英語の商品名を入力することも多いので改善を望んでいます。

スタイリッシュなケースとしても

 キーボードは折りたためばケースになります。厚さはタブレット本体と合わせて約15mm。十分薄いです。

 金色に輝くHuaweiロゴがカッコいいと感じます。表面は独特な手触りでザラザラとしており、質感は高め。若干ケースの方が大きめとはいえ側面は保護されず、M-Pencil用のホルダーも無いので持ち運ぶときは注意が必要です。

 キーボードのみの重さは265g。本体と合わせると730gで、キーボード未装着時より約1.5倍重くなってしまいますが、それでも一般的なノートPCよりは軽いです。

デスクトップモード

 一部Huaweiスマホを外部ディスプレイに接続すると使える「デスクトップモード」(PCモード)が、MatePad Proなら単体でも使えます。GalaxyでいうDeXですね。クイック設定パネルから簡単に起動。

 PCのようにいくつものアプリを起動しマルチタスクが可能。通常モードと違い、デスクトップモードならタスクバーのアプリをタップして一瞬で切り替えたり複数並べたりできて効率的です。特に画像などのファイルをドラッグアンドドロップすることが多い時は便利だと思いました。

 気になったのは画面サイズに対してUIの表示が大きすぎる点と、なぜか一部サイト・アプリの表示がモバイル版になってしまう点。これでは画面を最大限に活用できません。また、ウィンドウの拡大縮小や移動にカクつきがあるのも少しストレス。

 初めは「デスクトップモードで常時使用でいいかも」と思ったほどなのですが、やはり通常モードの方がタブレットには適していますね。これはこれで面白い機能だと思います。

HUAWEI Share マルチスクリーンコラボレーション

 Huaweiが強調している機能に「マルチスクリーンコラボレーション」があります。これを使うと対応するHuaweiスマホを接続し、MatePad Pro上に表示して操作することが出来ます。

 さらに純正キーボードにはNFCが搭載されており、対応するHuaweiスマホのNFCをオンにし、NFCマークのある右Shiftキーの上に置くだけでHUAWEI Share マルチスクリーンコラボレーションを使えます。

 ドラッグアンドドロップでスマホ↔タブレット間でファイルのコピーが可能。さらにタブレット側のキーボードで文字入力したり、スマホのビデオ通話もタブレット側でしたり出来ます。

 遅延がほぼなくスムーズに動き、これは凄いと感じました。スマホで撮影した写真を大画面のタブレットで編集したい時などにすぐに転送できるので便利そうです。

カメラ性能・スピーカー音質

アウトカメラ

 Huaweiはスマホとして高水準のカメラ性能を誇るので、MatePad Proのカメラにも期待していたのですが、画質はあまり良くありません。大画面なので余計に荒く感じてしまいます。

 参考までに、価格が違いすぎますがHUAWEI P40 Proと比較(いずれも圧縮しています)。P40 Proは白飛びが抑えられて細部もクッキリ写っていてさすが。ただ、色味はむしろMatePad Proの方が自然で正確に思えます。

 そもそもタブレットでアウトカメラを使う機会は少ないので、メモ程度なら十分使えます。

インカメラ

 インカメラは少し暗く、彩度が低く感じます。しかし画角が広く画質もインカメラとしては十分でマイク音質も問題ないので、明るい環境ならオンライン会議・ビデオ通話にも使える印象。

スピーカー

 クアッドスピーカーはHarman Kardon監修のことでロゴもあります。とても音質が良く、スマホ(P40 Pro)と比べ音量を大きくしても音が潰れにくいです。若干低音が弱い気はしますが、モノラルではなく左右から聴こえるので本当に大迫力で、とても良い。

良い点

 ベゼルレスで画面の没入感が高い点が本当に感動的です。そしてワイヤレス充電・給電がとても便利。

 さらに「デスクトップモード」「マルチスクリーンコラボレーション」など、ガジェットとしてかなり面白いです。個人的にはiPadはタブレットとして完成されすぎていると思っていて、特にガジェット好きにとってはMatePad Proの方が遊びがいがあると思います。

 性能も外観もハイエンドなのに価格が抑えられていて、さすがはHuaweiだと感じます。

 Galaxy Tab S7では日本語で使うにあたってIMEやDeXの問題があったようですが、MatePad Proでは全く問題なく、デスクトップモードでも正常に日本語入力が使用できます。やはり国内正規販売されているものなので安心感が大きいですね。

 なおMatePad Proだけの利点ではありませんが、Androidでは「Kiwi Browser」というアプリを使うことで、PC版Chromeの拡張機能を追加できます。タブレットで使えばグッとPCに近づきます。人によってはこれだけでAndroidタブレットを選ぶ理由になるかもしれません。

欠点はソフトウェア

GMS非搭載

 Google Mobile Servicesが使えないのが勿体ないのですが、筆者は同様にGMS非搭載のP40 Proをメイン利用しています。こちらの記事にまとめた通り、工夫すればある程度使いやすくなります。

 むやみに勧められるものではありませんが、スマホよりタブレットの方がGMS非搭載の影響は少ないと感じます。アプリが使えなくてもブラウザ版がスマホより使いやすいですからね。

縦向き強制アプリがある

 Android自体の問題ですが、タブレットに最適化されておらず強制的に縦画面表示になってしまうアプリがいくつも存在します。確かにiPadでもそのようなアプリはあるのですが、ほんのわずかです。

 なお、これはフローティングウィンドウか画面分割で開くことで解決できます。そうすれば強制縦画面アプリも横画面でも使えますが、これではタブレットで使う意味がわからなくなってしまいますね。

ペンが実用的とは言えない

 M-Pencilは、サードパーティー製アプリでは遅延が大きくなってしまうのが非常に残念。MatePad Proが120Hzに対応すれば少しは改善されるかも知れません。

タブレット対応Androidソフトの不足

 強制縦画面アプリもペンの遅延も、Androidタブレットの人気がなく、Googleもアプリ開発者もタブレットに最適化するメリットが無いことや、たくさんの端末ひとつひとつに最適化しきれないことが原因でしょう。

 様々な端末が選べるのがAndroidのメリットですが、スマホに比べてより最適化が必要なタブレットではやはり厳しいと感じます。これはGMSがあっても無くてもさほど変わらないので、MatePad Proに限らずAndroidタブレット全般に言えることです。

 Android標準で最適化されていないのなら、Huaweiが積極的にアプリ開発者に働きかけて最適化してもらうべきです。一応、先ほど紹介した通りNeboやいくつかのペイントアプリはAppGalleryで配信されていますが、ペンをメインに使うには不十分な状態です。

 スマホにおいては「AndroidよりiPhoneの方が最適化されている」とは思いませんが、タブレットはiPadが圧倒的に優秀だと改めて思いました。

まとめ

 MatePad Proはワイヤレス逆充電やマルチスクリーンコラボレーションなど、個性的な特徴を備えています。さらに周辺機器も含めて全体的にiPadより安いというメリットもあります。

 発売当時は安いのにiPad Proに匹敵する性能という魅力的なタブレットだったのですが、その後iPad Proとあまり変わらないのに安いiPad Air 第4世代が登場したことで、あえてMatePad Proを選ぶ価値が薄れてしまったと感じています。

 それでも、例えばGalaxy Tab S7は技適未取得で国内未発売なので、日本で高性能Androidタブレットを買おうと思ったらこのMatePad Proが唯一の選択肢になると思います。

 2021年5月11日22時現在、Amazonで5万1173円に値下がりしています。

 国内のAndroidタブレットでは最高クラスの性能で、iPad含めてもコスパが高いMatePad Pro。AndroidタブレットやHuawei製品が好きな方、安価にiPad Pro・Air 4気分を味わいたい方にはオススメします。ただしペン目的での購入は非推奨。こだわりがなければ、もう少し費用を出してiPad Air 4を買うのが無難なのではないでしょうか。