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これもうPCじゃん(笑)。最強Androidタブ「Galaxy Tab S7」レビュー

 もはやPC。コレ最強Androidタブ!

 Samsungより先月発表されたハイエンドAndroidタブレット「Galaxy Tab S7」を購入しました。

 Androidタブレットといえば、Googleがそもそも力を入れていないこともあり、ハイエンドなAndroidタブレットを販売するのはSamsungとHuaweiしかありません。それも、HuaweiのMatePadは制裁によりGMSが使えないため、実質SamsungのGalaxy Tabシリーズ1強となっているのが現状です。そんな状況のなか華々しくデビューしたのがこの「Galaxy Tab S7」シリーズです。

 なお、このレビューに用いたGalaxy Tab S7は技適認証を取得していないため、総務省の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」に届け出しています。

開封!

 今回購入したのは 、香港モデルのGalaxy Tab S7です。

 内容物は以下の通り。本体に加え、USB Type-Cケーブル、ACアダプター、保証書などが入っていました。Sペンも同梱されています。わざわざペンを買わずとも付属されているのは嬉しいですね。ちなみに、Sペンだけなら59.99ドル(約6200円)で購入できます。

 前回購入したGalaxy Tab S7でもそうだったのですが 、Noteシリーズでは同梱されているSペン交換ツールが同梱されていませんでした。Galaxy Tab S6 Liteを3か月ほど使ってきましたが、かなりハード(1日10時間弱程度)に1か月ほど使った頃に、ペン先が折れ、ぐらぐらして書きにくくなりました。Noteシリーズに入っていたペン先交換ツールを用いて交換し、事なきを得ましたが、そのまま使い続けて完全に折れた場合、6000円以上するSペンを新たに購入しなければならないので、ペン先は別で購入しておくことをお勧めします。

外観をチェック!

Sペンは背面で充電

 背面には、Sペンをワイヤレス充電するために、カメラの下の部分がガラスになっています。他の部分は金属製の艶消しデザインになっていますが、金属ではワイヤレス充電できないので、このSペンをくっつける部分だけガラスになっているという感じです。これがワンポイントアクセントになっていて、おしゃれなポイントです。

 ちなみに、側面などにもくっつきますが、あくまでくっつくだけで、充電はできません。しかし、充電時間自体が非常に短く、数分の充電でフル充電になるので、これなら背面充電だけでも通常使用に足るな、と思いました。

筐体は金属製

 カメラ下のSペンの充電部を除き、筐体は金属製となっています。おそらくステンレスというところでしょうか。

 艶消しのデザインになっているので、指紋はつきにくいですが、逆に指紋のような跡が付くとなかなか拭いても撮れません。

端子類

 USB Type-Cポートを1ポート搭載。HDMI出力もここから行います。ちなみに、なぜかGalaxy Tab S6 LiteはHDMI出力ができなかったのですが、Galaxy Tab S7はしっかりと対応していました。オーディオブランドAKGチューニングのスピーカーは上下に2つずつ、合計4つのクアッドスピーカーを搭載しています。

 このスピーカー、音質はAKGがチューニングしているだけあって相当いいです。もちろん、それは他のGalaxy端末にも言えることなのですが、音圧が他の端末と全く違います。最高音量がかなり大きく、迫力があります。スピーカーが上下に2つずつ付いているので、ステレオサウンドを感じることもでき、Galaxy Tab S7シリーズの隠れた素晴らしいポイントだと思います。

 側面には特殊な端子を搭載。純正キーボードカバーを接続する際に使うのでしょう。

インカメラは横向き

 インカメラは、本体を横向きに置いたときに上部となる方向についています。ところで、タブレットでインカメラって需要あるんですかね……。(なさそうなのでレビューでは省略します。)

側面指紋認証で便利!

 Galaxy Tab S7は側面指紋認証を搭載しています。Galaxy Tab S6 Liteは、顔認証しか対応しておらず、コロナ禍でマスク着用のためいちいちPINをうっていましたが、この側面指紋認証搭載で凄く便利になりました。解除速度は爆速で、タブレットのカバーを開いている間には余裕で認証が終わっています。

 上位モデルである「Galaxy Tab S7+」は画面内指紋認証を採用していますが、画面内指紋認証はタブレットのカバーを開けてから指をかざすという動作が必要なため、少し不便なのではないかと思います。しかし、このGalaxy Tab S7は、タブレットのカバーを開く時に自然に指を置く位置に指紋認証センサーが配置されているため、非常にスムーズに解錠ができます。

Galaxy Tab S6 Liteと比較

 せっかくなので、手持ち端末のGalaxy Tab S6 Liteと比較してみましょう。Tab S7の方が若干大きいですね。Galaxy Tab S6 Liteはかなり気に入ったサイズ感でしたが、やはり大きい方が使いやすいですね。

ディスプレイは120Hzに、素晴らしい体験

 Tab S7は11インチの液晶ディスプレイを搭載しています。Tab S7+と同じく120Hz駆動のディスプレイで、かなり便利です。

 筆者は1日10時間近く同じアプリを起動していることもあり、UI等が焼き付いてしまうことが心配で、有機ELディスプレイのTab S7+には手を出せませんでした。ただS7+のサイズ感(12.4インチ)は正直大きすぎるのではないかと思ったりするので、ちょうどよかったかなと思います。

 液晶ディスプレイはかなり明るく、美しく、快適です。特に、屋外でも反射で見にくくなると言うことは全くなく、屋外でも十分に使用に足るといえます。他のディスプレイと比較すると若干黄味が強いかなと言ったところ。

最高の書き心地!圧巻!

 Galaxy Tab S7は、正直Galaxy Tab S6 Liteとは全く別物と言っても過言でない書き心地です。Galaxy Tab S6 Liteも書き心地はよかったのですが、ディスプレイの120Hz対応、9ミリ秒となったSペンの遅延低減などで、全く違います。また、Sペンの滑り具合も若干違っています。ペン先の素材も違うのでしょうか。

 以前からある機能で、Galaxy NoteやTabユーザーなら当たり前のことではありますが、ペン先に反応してポインターが出て、狙った場所を的確にタップできます。ペン先も0.7mmと細く、ポインターと相まって筆記の正確性も高くなります。

 スーパースローモーションを用いて撮影した映像を用意しました。確かにSペンが進化していることがわかると思います。

ペンに機能が!

 SペンにBluetoothが搭載され、エアアクションに対応しました。例えば、パワーポイントでプレゼン起動中にSペンのボタンをタップすれば、次のスライドに進めます。

 それだけではなく、端末そのものを操作することも可能。Sペンのボタンを押しながらジェスチャーすることで、「戻る」「ホーム」「タスク切り替え」「カメラ起動」他、端末自体を操作することができてしまいます。

左に振ることで戻るキー

上に振ることでホームキー

 この操作は、Sペンの持ち方などにも左右され、結構難しいというのが本音です。慣れればそうでもないのかもしれません。

単体で”DeX” が使える!

 DeXといえば、外部ディスプレイに接続した時に使うもの、というイメージの方も多いと思いますが、Galaxy Tab S7では単体で起動できます。クイックパネルからDeXを選択すると、Samsung DeXの文字と共にDeXが起動します。DeXを起動すると、PC風のUIが表示されます。

 このDeX機能がかなり優秀。タブレットモードでも使えるマルチウィンドウ機能に加えて 、キーボードやマウスに最適化されたUIになり、使い幅が広がります。様々なショートカットキーにも対応。この辺りは、後日キーボードカバーが届いた際に詳しくレビューします。

DeXのOfficeアプリはPC置き換えには至らず

 筆者がこのGalaxy Tab S7を購入したタイミングで普段使いしていたノートPCのヒンジが故障し、持ち運びができない据え置きPCとしてしか使えなくなってしまいました。筆者はWordやPowerPointを用いて書類やプレゼン資料などを電車内などの移動中に作る機会が多く、困っていました。そこで、Office 365 Soloを契約し、タブレットで使ってみよう!と思いましたが、モバイル版で使える機能の少なさから、メイン使用にはできないと思いました。

 もちろん、原稿を作るだけといった用途には十分使えるのですが、筆者の場合は複雑なプレゼンテーションや図形を何十個も重ねたデザインをWordやPowerPointだけで作ることも多くそのような用途としては使いにくいなと感じました。一方、少数の図形の配置などはモバイル版の方がやりやすいと感じました。

 Microsoftさん、Office MobileにもPC版みたいな豊富な機能を実装してください……。

連携が大幅強化!

 ドラッグ&ドロップでの、ファイルの挿入などにも対応。初のAndroid端末となったお絵描きアプリ「Clip Studio Paint」通称クリスタでもしっかりと対応していました。

 入れ子構造のファイル保存にももちろん対応、ZIPなどビジネスで使われるようなファイルの取り扱いにも対応しています。

もはやPC以上!マルチウィンドウ

 正直一番驚いたのがマルチウィンドウの使い勝手です。Galaxy Tab S6 Liteでもpip(ピクチャ・イン・ピクチャ)が使えたりして、めちゃくちゃ便利だったのですが、今回のは控えめに言って神レベルです。

画面分割が使いやすく!

 以前からAndroid標準機能として使うことのできていた画面分割機能ですが、縦画面の時は上下、横画面の時は左右のみの分割しかできませんでした。スマホなら画面が小さいのでそれで事足りますが、タブレットのサイズとなると縦画面の時でも左右に、横画面の時でも上下に分割したいと感じることがありました。今まではpip機能を駆使して無理やり行っていた時もあったのですが、ついにオフィシャル機能としてサポートされました。

この画像では上半分にYouTube、下半分でブラウザを開いている

 分割部分に現れる3つの点ををスライドすることで、アプリのサイズ比を調整可能。今までは、その分割のサイズ比が6段階くらいに制限されていましたが、Tab S7では無段階で可能となっていました。

ピクチャ・イン・ピクチャも便利に!

 ここで言うピクチャ・イン・ピクチャとは、動画をフローティング再生できると言うような機能のことではなく、アプリ自体をフローティング動作させることのできる機能のことを指します。

 この機能は、もともとGalaxyなど、一部の端末でのみ使うことのできる機能でした。この、ピクチャ・イン・ピクチャ機能を使うと、まるでWindowsのように、最小化ボタン、最大化ボタン、閉じるボタンが配置されていました。また、フローティング表示するアプリの透明度も変化させることができました。(ボタンは画像参照)

YouTube Premiumの契約がなくともpipできる

 iPhoneユーザーは、iOS14で無料会員でもpipできるとか、すぐに塞がれたとか話題になっていましたが、そんなこと関係なくGalaxy端末なら無料会員でもpipできてしまいます。

 そんなピクチャ・イン・ピクチャの使い勝手がさらによくなっていました。まず、前述したUIのボタンはなくなり、アプリの中央上部にシンプルなバーが追加されました。

pipしているのはYouTube動画

 そのバーをタップすると、先程述べた4つのボタンの他にに、マルチウィンドウ(画面分割)に切り替えるボタンが現れます。以前はタスク切り替えの画面にしてからでないと変更できなかったため、このマルチウィンドウに切り替えるボタンがそれなりに便利なのです。

 さて、このUIが簡略化され、何が言いかと言われると、やはりアプリの画面が広がり、余計なスペースがとられなくなると言うことです。一般的なPCと比べると画面の小さいタブレットにとって、PCと同等のスペースがとられると言うのは正直邪魔ですから、このUIが、コンパクトになったのは嬉しいことです。

 これは以前からですが、最小化が“最小化”として存在しているのも評価高いポイントです。バックグラウンドタスクに回るわけではなく、すぐに起動できます。

 ちなみにDeXモードでは、マウス操作を前提に作られているため、この縁のUIは残されています。よく考えてありますね。

3画面分割も!

 もともとFoldシリーズでサポートされた機能です。Galaxy Tabシリーズでも使うことができるようになっていました。

スペックをチェック!SDM865+のパワーは?

 本機はQualcomm Snapdragon 865 Plusを搭載。まず、GeekBenchと3DMarkを回してみました。

 ベンチマークテスト中しばらく眺めていましたが、処理が重たそうなところでも一切カクツキなどの素振りを見せず、ヌルヌル動いていました。流石。3DMark、GeekBenchの順に連続で回しましたが、発熱はほとんどなし。

 以前レビューしたミドルレンジタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」のスコアとは全く違いますね。

 Google Playからは削除されてしまった前世代のベンチマークソフトAnTuTu BenchMarkでも試してみました。やはりこのソフトでもカクつく素振りを一切見せません。それどころか妙にヌルヌルしていて気持ち悪いと感じるほどです。 

まとめ:これはヤバい!!

 「これはヤバい!!」って、Galaxy S7 edgeの時くらいに使われてたCMフレーズですよね。”S7″つながりでたまたま思い出したのですが、当時個人的にあまりしっくりこなかった記憶があるのですが、この「Galaxy Tab S7」では、まさにそのセリフがピッタリ来ました。

 ハードウェアの持ちやすさやディスプレイの美しさ、スピーカーの音質・音圧のレベルの高さなどはもちろんのことですが、ソフトウェアの完成度の高さに驚かされました。正直、iPadやWindows搭載タブレットなどの他社製タブレットを凌駕するレベルの使い勝手の良さがあると感じています。

 国内では未発売のため、個人輸入という形にはなりますが、それでもぜひともオススメしたい1台です。技適がないので海外利用、試験利用、訪日外国人向け。Galaxy Tab S7シリーズはEtorenから購入することができます。

Galaxy Tab S7 128GB Wi-Fiモデル Mistic Browne 7万8100円

Galaxy Tab S7+ 256GB Wi-Fiモデル Mistic Black 10万7700円  Galaxy Tab S7が高すぎると感じる方は、廉価モデルのGalaxy Tab S6 Liteもレビューしていますので良ければお読みください。

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