総務省は、「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」改正案と「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」(案)について、意見募集(所謂パブリックコメント)を5月29日から6月28日まで募集しました。
意見募集を受けて「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」を改正、「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を策定。これらを正式公表しました。10月以降適用。
最大のトピックがSIMロック禁止です。割賦代金不払い行為を防ぐ場合など認められ得る例外はあるものの、その場合でも利用者の権利や競争への制限効果の低い代替手段があると認められません。SIMロックを行う場合には総務省に確認を得る必要も明記されました。
なお意見募集は21件が提出。各個人からは、携帯事業者が他社周波数を非対応で販売している点やVoLTEサポートの点を問題視する意見も提出されました。
総務省はこれらについて、利用者の権利を制限し事業者間の競争を阻害する効果があればガイドラインの「SIMロック以外の機能制限」として業務改善命令の要件に該当する場合があると定めており、状況を注視していく考えと回答。今後の課題となる可能性がありそうです。
また、eSIMサービス促進のため、MNOはeSIMを速やかに提供し、MVNOへのRSP機能開放や付随する設備のAPI連携を行うよう盛り込まれました。なおeSIMサービスについて周知徹底や申込みから開通までの設定手続をネットで行う際のサポート体制充実も留意すべきとしました。
ガイドラインの規律対象の「SIMロック」の定義は、「特定のSIMカードが差し込まれた場合にのみ動作するよう設定された端末上の制限」から「特定の事業者に係るプロファイルが記録されたSIMに対してのみ動作するよう設定された端末上の制限」へと幅広く拡大して最終改定されました。これにより物理SIMカードだけではなくeSIMにおいてもSIMロックは原則禁止となります。当該改定について楽天モバイルは賛同意見を述べています。