HUAWEIから発売された新作スマートウォッチ「HUAWEI WATCH 3」をレビューしていきます。
外観
今回選んだのはレザーバンドを採用したクラシックモデルになります。スポーツモデルもあり、そちらはブラックのフルオロエラストマーベルトが付属。
クラシックモデルはシルバーのステンレスボディですが、スポーツモデルはバンド含め、全部ブラックとなっています。両モデルとも機能面での違いはないので、バンドや本体カラーで選ぶといいでしょう。
Amazonでは初回限定交換バンドセットが選べたのでそちらを買ってみました。EasyFit 2 ナイロンストラップが付いてきたのですが、装着すると絶妙にダサくなるので個人的には好きではないです。装着感はレザーバンドより快適ですが、なんだか安っぽく見えてしまうのでレザーバンドを常用しています。
本体側面にはリューズとサイドボタンがあります。リューズをくるくる回すことで、スクロールや音量調整などが可能。かなりヌルヌル反応してくれます。
ディスプレイは1.43インチのAMOLED(有機EL)で、解像度は466×466ピクセルとなっています。本体サイズは46mmと大型。重量は54g程度で、重くも軽くもなく……という感じです。
ベゼルは地味に太いですが以下の画像の通り、全く気になりません。白のウォッチフェイスにすると野暮ったくなるのでそこは注意。
動作としては、スマートウォッチの中でもトップレベルになめらかに動いてくれます。UIのリッチさも他社スマートウォッチと比べてだいぶ上です。ここら辺はHarmonyOSに変わった影響でしょうか。
背面部はセラミックが使われており、非常に光沢感がすごいです。指紋や汚れもさっと拭けばきれいに取れます。中央には心拍センサーを搭載。心拍以外にも血中酸素濃度(SpO2)や皮膚温度も計測できます。
スピーカーもマイクもあるので、スマートフォンへの着信にHUAWEI WATCH 3で応答し通話が可能。
なお、Bluetoothイヤホンと接続して時計単体で音楽再生も可能ですが、曲を転送するにはHuawei製スマートフォンが必要なので注意。
計測データは専用アプリで確認可能
「HUAWEI Health」というアプリから計測データを確認できます。一つ注意しないといけないのが、Google PlayからダウンロードできるHUAWEI Healthではペアリングできません。
なんとHUAWEI AppGalleryの方からダウンロードしないといけないのは、戸惑ってしまう点です。
HUAWEI WATCH 3では、以下の項目ははほとんど自動で測定してくれるので、いちいち手動で測定する必要はありません。
- 心拍数
- 睡眠スコア
- SpO2(血中酸素濃度)
- ストレス
- 肌温
筆者は皮膚温度や血中酸素飽和度、睡眠スコアの計測をメインで使用していたところ、自分の睡眠がいかに改善の余地があるかしっかり分かったので勉強になりました。寝る前に暗い部屋でスマホを操作しているからだと思いますが、深い睡眠が10%程度しかしていないと言われて驚きました。
また、屋内外のスポーツに対応した17のプロモード、85のカスタムモードを合わせた100種類以上のワークアウト計測に対応しており、ワークアウト機能はかなり充実しています。ウォーキングやランニングなどは自動検出に対応しており、勝手にトラッキングを開始してくれます。
HUAWEI WATCH 3ではサードパーティ製のアプリのインストールにも対応しています。自転車NAVITIMEなどのナビアプリは入れても良いかもしれませんが、まだまだ種類は少なく、ラインナップとしてはなんとも微妙です。今後種類が増えていくと期待しておきたいところ。
その他にも、HUAWEI WATCH 3ではIoT制御やリモートシャッター機能などもありますが、それらが利用可能なのはHarmonyOSを搭載したHUAWEIのスマートフォンのみ。
ウォッチフェイス購入は少し面倒
筆者は高級感の溢れるアナログタイプのウォッチフェイスが好きなのですが、HUAWEI WATCH 3に標準で備わっているウォッチフェイスはどうもしっくりきません。
HUAWEI Healthの方からウォッチフェイスの購入はできるのですが、決済しようとすると「HMS Coreをインストールしてください」と求められます。
Googleで「HMS Core 4.0」などと検索してAPKファイルをダウンロードし、HUAWEI IDを入力して決済方法を登録してやっと購入準備完了。面倒です。
バッテリー持ちは良くない
以前使っていたHUAWEI WATCH GT2 PROは14日程度バッテリーが持っていたので、結構優秀だなというイメージがありました。ただ、HUAWEI WATCH 3はバッテリー持ちがあまりよくありません。以下の状態だと2日と少し持ちます。
- スマホと接続
- NFCオフ
- WiFiオフ
- 常時表示オフ
- 血中酸素飽和度などは自動計測オン
- 明るさ自動調整オン
GT2 PROだと1日に8%くらい減少していましたから、HUAWEI WATCH 3はかなり燃費が悪く感じます。
「超長時間バッテリー持続モード」という設定をオンにすれば大体10日程度のバッテリー持ちになりますが、その状態だとウォッチフェイスは固定され、心拍数と睡眠以外の常時測定が不可、その他アプリや音楽といった機能も使えず、アニメーションも簡略化されるので、かなり機能が絞られるので実用性はかなり低くなります。
ただワークアウトやヘルスケア関連は使えますし、通知も来るのでスマートウォッチとして完全に機能しなくなるわけではありません。
HarmonyOS化した影響だと思われますが、せっかくの高機能をフルに活かせないというのは残念。
HUAWEI WATCH 3のスペック
HUAWEI WATCH 3のスペックは以下のとおりです。
サイズ | 縦46.2 mm x 横46.2 mm x 厚さ12.15 mm |
ケースサイズ | 46mm |
重量 | 約54g(バンドなし) |
ディスプレイ | 1.43インチAMOLED(有機EL) 466ピクセル × 466ピクセル(326PPI) |
材質 | ステンレススチール、セラミック |
センサー | 加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサー、光学式心拍センサー、環境光センサー、気圧センサー、皮膚温度センサー |
ストレージ | 16GB |
メモリ | 2GB |
防水 | 5ATM |
総評
高機能な分、価格も約5万円と高額。HarmonyOS化したことで、今までよりHuawei製品との連携も強化されましたが、非Huawei機のユーザーからすると使い勝手が悪いのは残念。
Huawei製スマートフォンをメインで活用している方であればHUAWEI WATCH 3の恩恵は十分受けられ、価格相応の価値を発揮し得ます。そうでなければもっといい選択肢が他にあるため、本機を買うべきユーザーは限られます。