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サンワサプライ無線トラックボール「MA-BTTB179BK」レビュー。惜しい、もっと頑張れ

 PCでラクに作業、した~い!

 サンワサプライが発売している無線トラックボール「MA-BTTB179BK」を購入しました。

 筆者はトラックボール愛好家であり、Logicool M570の後釜として購入した同じくLogicoolのMX ERGOをメインとして愛用しています。MX ERGOは磁石プレートで角度調節できるのが秀逸で、やはり傾けるほど自然に持てて楽。(以下の写真はMX ERGO)

 ふと「傾けるどころか、もうちょっと垂直にしてみたいな……」と感じていました。

 そんななか偶然、家電量販店でサンワサプライのトラックボールを見つけ、「おお垂直じゃん」と衝動買いをキメてしまいました。

 表面加工はザラザラしています。角度は60度。

左からMX ERGO、MA-BTTB179BK

 クリック感は良好で、しかも静かな音なのが好印象。MX ERGOの「カチッ」という音とは明らかに異なります。手を動かさずに済むトラックボールは長時間作業のお供に最高、それがクリック音最小なんて素敵じゃないですか?これが本機の最大の優位点と言えます。

 機器接続切り替えボタンは底部。最大接続数は3台。掃除するためにボールを取り出す時、ペンなど細いもので押し出す必要があります。

 ボールを取り外すと、白く小さい支持球が3つ。トラックボールの宿命、ゴミは溜まりやすいですので定期的に清掃を。

 さて、けっこう使い込んできましたが、肝心の使い心地はというと……手が痛い!

 手と腕の付け根辺り、尺骨側の手根骨が机に当たるんですが長時間利用しているとここの部分が痛くなってきます。これはキツい。骨と皮の間の肉が少なくて細い筆者の手には合いませんでした。

 それを解決してくれるのがこちら。同じくサンワサプライから出ている低反発リストレスト。

 これを使ってからは、手が痛くなることもなく利用できています。この環境で初めて「おお、これならこの角度良いな……」と感動しました。細い人、リストレストの購入をおすすめです。

 精度は良くはありません。それよりもマウスカーソル移動速度がやたらめったら高速で使いにくいです。側面のカーソル速度調節が四段階ですが、最低段階にしてようやく普通の速度。もう二段階ぐらい速度を下げれば、精密な操作にも耐えられて、細かい作業も捗ると思うんですけどね……。

 最大の問題点はマウスホイールです。普通は中指部分に配置されているマウスホイールが人差し指の部分にあるため、スクロールのたびに人差し指を動かす必要が出てくるため若干の手間です。これは個人的にはあまり気になりません。気になるのは、個体差かもしれませんがスクロール中、まれに逆方向へのスクロールが検知される点です。

 また人差し指部分に配置されている箇所に配置されているのが普通であろう「進む」「戻る」ボタンが、親指の位置に追いやられているので、これが使いにくいです。人差し指を左クリックからホイールに動かす程度は本当に少しの動きなので、何てことないのですが、戻るボタンは、大きく親指を動かすか、さもなくば手全体を持ち上げる形になるので。

 しばらくほぼメインとして使ってきましたが、不満点については、まあ慣れの範囲で済む部分もあります。

 フォームファクタや価格がよく似た先発、ケンジントンの「Pro Fit Ergo Vertical」なら、配置に関する不満点は多くが解消されています。静音性を取るならMA-BTTB179BKといったところでしょうか。

 トラックボール市場自体が狭く、製品自体が出てくるだけでも大変ありがたいことで、よく似た製品の登場自体には全くネガティブな感情がないどころか、むしろ大歓迎ではあるのですが、先発Pro Fit Ergo Verticalのフォロワーの本機のボタン配置における変更が、単に操作性を悪化させるだけに終わっている上に、やや詰めが甘く、胸を張って優ると言える点は静音性ぐらいというのはいただけません。

 トラックボール愛好家に「こんなの欲しかった!」と思いっきり滾らせてくれるエレコムの製品のように尖らせるか、先行製品の課題を改善するように愚直に勝負するモデルを投入するのか、どのような形でもいいですが、もうあと一歩の努力を期待したいです。

 正直ここまで少し厳しめの評価となったのは、価格面によるところは大きいです。Kensington Pro Fit Ergo Verticalの市場想定売価9678円に対して、MA-BTTB179BKの希望小売価格は1万340円で高いためです。筆者が数ヶ月前に購入した時にも約8800円でした。あくまで同じクラスの製品としての比較です。

 ところが現在、Pro Fit Verticalは比較的価格を保っている傾向があるのに対し、MA-BTTB179BKは大きく変動し、Amazonでは5589円にまで値下がりしています(記事執筆時点)。

 現在の実売価格で言うならば「『廉価版Pro Fit Ergo Vertical』としてアリ」になってきています。価格と静音性を重視するなら検討してみて下さい。

 使い心地最優先ならMX ERGOで良いと思います。名機ですが2017年の機種のため明確な弱点はmicroUSBということ。

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