AppleがiPhoneを販売している世界34の国や地域を対象にした、iPhoneの販売価格調査において、日本が最安値であったことがわかりました。
ICT関連の市場調査を行うMM総研が行ったのは、2022年6月時点のAppleオンラインストアにおけるiPhoneの価格調査。iPhone 13(128GB)、iPhone 13 Pro Max(1TB)、iPhone SE 第3世代(64GB)の3モデルを対象に、世界34の国、地域における販売価格が調査されました。
調査結果によると、2022年6月時点での日本販売価格は、iPhone 13が9万8000円、iPhone 13 Pro Maxは19万4800円、iPhone SE 第3世代は5万7800円で、3モデルともに34ヵ国で最安。iPhone 13の世界平均価格は12万6433円、iPhone 13 Pro Maxは25万6813円、iPhone SE 第3世代は7万609円と、比較して最安モデルでも約1万円、最上位モデルは約6万円もの差があることがわかりました。
また、販売価格が安価であった国の上位には、香港やタイ、韓国、マレーシア、台湾といったアジア圏が目立ち、Appleが本社を置く米国でも、比較的安価に設定されています。一方、ブラジルではiPhone 13が20万7221円、iPhone 13 Proが40万8278円と、日本と比較して端末価格が2倍を超え、ダントツの最高値に。
なお、この価格は2022年6月1日時点の為替レートに基づき円換算されたもの。MM総研は、iPhone 13シリーズが発売された2021年9月24日の為替レートを参考比較していますが、現在は米ドルだけでなく多くの通貨で円安の動きが著しく、特にブラジルの通貨であるレアルとの為替レートは31%の円安に。その結果、他国との販売価格差にここまで大きな差が生まれたとされています。
新型コロナウイルスによる海外渡航規制や、水際対策による外国人観光客受け入れの規制緩和により、今後海外からの渡航者は増加すると見込み。世界中に多くのユーザーを持つiPhoneシリーズを安価に購入しようと、日本国内で端末を購入する外国人も一定数存在し、かつ国内モデルが主要周波数に対応していることを踏まえると、今後訪日外国人によるiPhone購入が増加する可能性が考えられます。
MM総研は、円安の影響や世界的な半導体不足、さらにや部品の価格や輸送費の高騰に伴い、次期iPhoneシリーズでは最大で2割もの値上げも懸念されているとした上で、今後国内市場のiPhoneは新品、中古問わずに海外市場から注目を集める可能性が高いとしています。