海外メディア「The Verge」は6月9日、XRヘッドセット業界最大手のMeta(Facebook)がAppleの「Vision Pro」をどのように捉えているか、同社CEOマーク・ザッカーバーグ氏の発言を伝えました。
記事に掲載されたのはMetaの社内会議での発言とされるもので、発言の全文が公開されています。それによると、マーク・ザッカーバーグCEOはApple Vision Proが自社のXRヘッドセット製品に脅威をもたらすとは考えていないようです。
同氏はその根拠として理由を複数挙げていますが、最も大きな要素は何のためにXRヘッドセットを使うのかという点。
Metaの製品は同社がSNSサービスを提供する企業として始まったこともあり、仮想空間へアクセスして他者と交流を楽しむような使い方を主な用途として想定しています。
一方、Appleの製品はPCをXRヘッドセットの形に落とし込んだデバイスであり、どちらかと言えば事務作業やビデオ通話といった現実世界での利用をメインに据えた製品。
両者の基本的な仕組みや構造は共通していますが、ちょうど新幹線と通勤電車のように、めざす役割は全く異なるというわけです。
さらにマーク・ザッカーバーグCEOは、Metaの製品は価格が手頃で多くのユーザーに普及している点にも触れ、価格面でも高価なApple製品と差別化できていることをアピールしています。
ただし、AppleがVision Proでも、iPhoneで普及している残価設定型プラン(分割払いの半分を支払った段階で端末を返却すると、残りの支払いが免除される制度)を適用するなど、販売方法を工夫できれば、Metaも高級モデルを中心に一部のユーザーを奪われる可能性はあるかもしれません。
Vision Proの発売は2024年。発売前にMetaや他の競合メーカーがどのように動いていくのか、今後も注目です。