MediaTekは、ミッドレンジスマートフォン向けのSoCである「Dimensity 7300」および「Dimensity 7300X」を発表しました。
CPUの構成はDimensity 7050と近く、最大2.5GHzのCortex-A78を4つ、2.0GHzのCortex-A55を4つ備えますが、4nmプロセスを採用しており、Dimensity 7050と比較して電力効率が25%向上しているとのこと。
Dimensity 7300と7300Xの唯一にして最大の違いは、対象とするスマートフォンの種類。Dimensity 7300が一般的なスマートフォンを対象とするのに対し、Dimensity 7300Xは「フリップスタイルの折り畳みデバイスを念頭に設計」したとのこと。
つまり、折りたたみスマホをターゲットとする非常に珍しいSoCです。そのため、Diensity 7300Xはデュアルディスプレイをサポートするようです。
これまでも、5G非対応の廉価なSoCであるHelio G99を搭載した「Blackview HERO 10」といった安価な折りたたみスマホも登場しましたが、背面のディスプレイで利用できる機能は大きく限られています。
対照的に、Motorola RazrやGalaxy Z Flipシリーズなどは「カバーディスプレイでゲームをプレイする」ということが可能。Dimensity 7300Xがこちらと同等の機能を実装しやすくなるなら有用性がありそうです。
カメラは最大2億画素センサーをサポート。ミッドレンジらしく動画撮影は4K30fpsまでの対応です。ディスプレイのリフレッシュレートはWFHD+(2560×1080以上)で120Hz、FHD+(1920×1080以上)で144Hzとなっています。
またAI性能を強化しているとのことで、Dimensity 7050に比べて2倍のパフォーマンスを実現しているとのこと。
搭載スマホがどのメーカーからいつ頃登場、という情報があればうれしいところですが、残念ながらプレスリリースに記載はありません。とくにDimensity 7300Xには、フリップ形折りたたみスマホのさらなる普及に一役買ってほしいところです。