Xiaomiは、9月26日にベルリンで開催したグローバル市場向け新製品発表会において、Xiaomi 14Tシリーズを発表しました。日本にも導入が期待されるモデルで、カメラ性能をしっかり高めているのがポイントです。
Xiaomi 14Tシリーズは、TのつかないXiaomi 14シリーズの下位に位置する廉価ハイエンド。カメラ性能や本体筐体の質感などを抑えることで価格を抑えています。
日本ではXiaomi 14 Ultraの登場まで、Xiaomiの最上位モデルとしてXiaomi 11T ProからXiaomi 13T Proが君臨していました。そのため、今回のXiaomi 14Tおよび14T Proも、日本市場への導入が期待できます。
パフォーマンス
Xiaomi 14Tと14T Proではこれまでのモデルと同様に搭載しているSoCが異なり、Xiaomi 14T無印ではDimensity 8300 Ultraを、14T ProではDimensity 9300+を搭載しています。
Xiaomi 14T Proが搭載するDimensity 9300+は発表時点でMediaTek製のSoCとしては最高峰の性能を持つチップ。しかし2週間もしないうちに次世代のDimensity 9400が登場見込みであり、最強の座はすぐ明け渡されてしまいます。とはいえ性能はかなり高く、相性問題を除けば大抵のゲームは快適に動作します。
Xiaomi 14T無印のDimensity 8300-UltraはAnTuTuベンチマークスコアで130万点を記録するミドルハイからハイクラスのチップで、よほど重たいゲームを高画質設定でプレイしない限り十分です。
メモリ量はいずれも12GBのみとシンプル。一方でストレージ容量は14T無印が256/512GB、14T Proが256/512GBと1TBという構成になっています。最近のゲームは大容量かつ美麗なものが増えてきたので、128GBという選択肢をなくしたのは自然かもしれません。
ディスプレイ
ディスプレイのスペックもこれまで通り共通しており、どちらも6.67インチの有機ELディスプレイを搭載。解像度は2712×1220とフルHD解像度よりも高精細で、リフレッシュレートは最大144Hzをサポートしています。
4000nitのピーク輝度をアピールします。またDCI-P3をカバーする広い色域や12bitの色深度、Dolby Visionによる鮮やかな映像体験が楽しめると謳います。
また、AIディスプレイを謳う機能を搭載。周囲の環境を検出し、自動的に明るさを調節したり(これは従来の自動明るさ調整とは何が違うのでしょうか?)、ブルーカットを効果的に軽減しながらより良い視覚体験を提供できたりするといいます。
カメラ
日本に初めて投入されたXiaomi 11Tシリーズのころに比べて、Xiaomi 14Tシリーズに至るまでに最も大きく進化しているのはカメラです。
Xiaomi 11Tおよび11T Proは1億800万画素の広角+800万画素超広角+500万画素マクロという構成でしたが、11T Proを保有していた筆者からすると、お世辞にも画質はそこまでよいものではありませんでした。
一方でXiaomi 14T Proではメインとなる広角レンズにおいて、Xiaomi独自のLight Fusion 900を搭載。1/1.31型の大型センサーで、Xiaomi 14 Proにも搭載されているもの。Xiaomi 14の発表時には、先代モデルで採用していたIMX989と比べて、撮影時の読み出し雑音を50%低減したと主張しています。1型センサーとタメを張るようなセンサーがXiaomi 14T Proに搭載されたというのは、かなり大きな進歩に見えます。
いっぽう、Xiaomi 14Tでは1/1.5型で5000万画素のIMX906を採用。両機種ともにメインセンサーはLeica Summiluxレンズを採用しています。
そのほかのカメラ構成は5000万画素の望遠と1200万画素の超広角。超広角については共通ですが、望遠はXiaomi 14T Proが60mm相当、無印が50mm相当となっています。インカメラはいずれも3200万画素。
バッテリー
バッテリー容量はいずれも5000mAh。Xiaomi 11T世代から13Tシリーズに至るまで一切変わっていません。また14Tの充電速度は67Wで、14T Proは120Wの急速充電に対応している点も数世代変わっていません。
一方、14T Proはバッテリー関連に久しぶりの大きな刷新がありました。それはワイヤレス充電への対応。これまではワイヤレス充電に一切対応していませんでしたが、14T Proでは50Wのワイヤレス急速充電に対応しています。とはいえ50W級のワイヤレス充電には専用のワイヤレス充電器が必要になるあたり、その恩恵を受けられるユーザーがどれだけいるのか気になるところではあります。筆者はワイヤレス充電不要派です。
そして、ワイヤレス充電の対応を手放しに喜ぶことはできません。Xiaomi 14T/14T ProともにXiaomi独自の充電器で最大のパフォーマンスを発揮することができますが、Xiaomi 14Tシリーズではついに両モデルにおいて充電器の同梱を廃止したとの記述があります。Xiaomi 13Tには充電器が同梱されていませんでしたが、ついに上位モデルでも廃止されたようです。
急速充電器は地味に結構高く、120W級の出力に対応するのは安くとも6000円程度。その同梱がなくなってしまったのは、既存ユーザー以外にはかなり手痛いところではあります。
その他ソフトウェア
OSはAndroid 14ベースのXiaomi HyperOSを搭載。最近発表されるスマートフォンの例にもれず、AI機能を強くアピールしています。AI通訳やメモ、書き起こしや字幕に画像・動画編集などその内容はありきたりですが、いつもと毛色が違うのがGeminiの対応と「かこって検索」に対応しているという点。
ナビゲーションバーを長押しすることによって画面内のものを囲ってGoogle Lensで検索できる機能ですが、これまではPixelとGalaxy端末でしか利用できませんでした。これがXiaomi製スマホでも利用できるようになったというのは、かなりうれしい話です。
デザイン
本体デザインは先代からある程度変わっており、カメラバンプはカメラとLEDがそれぞれ際立つように。
筆者個人の感想としては、2×2の正方形に配置されたカメラ、しかも飛び出て際立っているこの配置は非常に醜く見えてトップクラスに嫌いです。カメラを飛び出して目立たせるデザイン自体はGalaxyもiPhoneも同じですが、こうやって正方形の配置になったとたん拒否反応が出てしまいます。
本体色は「Titan Black」「Titan Blue」「Titan Grey」の3色にくわえて、Xiaomi 14T無印で「Lemon Grenn」を用意。一瞬チタン合金かと思いますが、あくまでチタンにインスピレーションを受けた色合いだといい、実際の素材はガラスとアルミフレーム。あくまで実機を見ないと何とも言えませんが、iPhone Proモデルのようなチタンの色合いをしっかり表現できていそうです。
またXiaomi 14TのLemon Greenはプラスチック素材を使った特別版。フェイクレザー仕上げで、通常のガラスモデルよりもほんのわずかに軽量です。
価格
Xiaomi 14Tの価格は最廉価のメモリ12GB/ストレージ256GBモデルで649ユーロ、日本円にして10万5000円程度。高いようにも見えますが、なんとユーロ価格で先代から据え置きとなっています。
Xiaomi 14T Proの価格も先代から据え置きで799ユーロ、日本円で12万9000円。こちらは120W充電器を同梱していない分実質値上げではありますが、カメラやワイヤレス充電などコストがかかった部分が分かりやすいため、納得感はあります。
Xiaomi 14T Pro | Xiaomi 14T | |
---|---|---|
OS | Xiaomi HyperOS | Xiaomi HyperOS |
SoC | MediaTek Dimensity 9300+ | MediaTek Dimensity 8300-Ultra |
メモリ | 12GB + 8GB/12GB + 16GB/12GB + 32GB | 12GB + 8GB/12GB + 16GB |
容量 | 256GB/512GB/1TB | 256GB/512GB |
画面 | 有機EL 6.67型 2712×1220 最大144Hzリフレッシュレート |
有機EL 6.67型 2712×1220 最大144Hzリフレッシュレート |
カメラ | 5000万画素メイン(Leica Summilux)+5000万画素望遠+1200万画素超広角 | 5000万画素メイン(Leica Summilux)+5000万画素望遠+1200万画素超広角 |
インカメラ | 3200万画素 | 3200万画素 |
電池 | 5000mAh 120W急速充電 50Wワイヤレス充電 |
5000mAh 67W急速充電 |
寸法 | 75.1×160.4×8.39mm、209g | 75.1×160.5×7.8mm(ガラス)/7.95mm(PU)、195g(ガラス)/193g(PU) |
5G | n1, n2, n3, n5, n7, n8, n12, n20, n25, n26, n28, n38, n40, n41, n48, n66, n75, n77, n78 | n1, n2, n3, n5, n7, n8, n12, n20, n26, n28, n38, n40, n41, n48, n66, n77, n78 |
LTE | B1, B2, B3, B4, B5, B7, B8, B12, B13, B17, B18, B19, B20, B25, B26, B28, B32, B66 | B1, B2, B3, B4, B5, B7, B8, B12, B13, B17, B18, B19, B20, B26, B28, B32, B66 |
3G | B1, B2, B4, B5, B6, B8, B19 | B1, B2, B4, B5, B6, B8, B19 |
その他 | Wi-Fi 7, Bluetooth 5.4, NFC, FeliCa, 赤外線リモコン, IP68, 指紋認証, 顔認証 | Wi-Fi 6E, Bluetooth 5.4, NFC, FeliCa, 赤外線リモコン, IP68, 指紋認証, 顔認証 |