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【悲報】規制強化の波。AIセラピー、米イリノイ州で禁止に

 keep4o運動で明らかとなった、共感性の高いAIへの強い需要。しかし、無制限にただひたすら共感を示されるばかりでは、悪影響があることも指摘されています。

 そんな中、一石を投じるのがイリノイ州。AIが単独で心理療法などの治療を行うことを禁止する新法「WOPR法(Wellness and Oversight for Psychological Resources)」が成立しました。8月1日に知事が署名し即日施行されています。違反した事業者には、最大で1万ドル(約147万円)の罰金が科される可能性があります。

 同法の施行により、今後の医療の上でのAIの役割は、あくまでも事務的・補助的な業務に限定されます。具体的には、予約の管理や記録の作成といった使い方のみが許可されます。

 一方、WOPR法は、AIに独立した治療判断をさせたり、専門家の確認なしに独自の治療提案を生成すること、治療目的で患者と対話させたりすることを禁じています。また、AIサービスを認可された専門家のセラピーであるかのように広告・提供すること、患者の感情や精神状態を検知させること、更に患者本人から書面による明確な同意を得ずにセッションの記録や文字起こしにAIを使用することも認められていません。

 この法律は、資格を持つセラピストの代わりにAIが「治療」と見なされるサービスを提供することを規制するものです。そのため、たとえば宗教内サークルでのカウンセリングや、同じ悩みを持つ人同士の自助コミュニティのサポートなどの場合は対象外です。

 AIによるメンタルヘルスケアへの規制は、イリノイ州が初めてではありません。ネバダ州は2025年6月、AIが専門的な治療を提供することや、AIを治療の提供者と誤認させる表示を禁じる法律を成立させました。ユタ州も同年5月からAIチャットボットに対し、利用者への情報開示やプライバシー保護の義務付け等のルールを設けています。こちらは医療行為に限らず「AIが人間になりすますこと」を全般的に禁じた、より広域の消費者保護を目的としているのが特徴です。

 このように、各州によって規制の形は異なりますが、「AIを治療の主体にしない」「利用者が人間とAIを取り違えないようにする」という方針は共通しています。

 ユーザーがいつでも気軽に相談できることはAIチャットの最大の利点です。一方で、企業側もLLMのAPIを活用することで、手軽にAIサービスを提供できるようになりました。こうした利便性を活かしつつ、顧客の安全性やプライバシーをどう守るかという課題は、何もメンタルヘルスの分野に限った話ではありません。アメリカ各州で始まった法整備の動きは、日本におけるAIについての今後の議論にも影響を与え、波及していく可能性はあります。

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