GooglePlayへと名称を変えたAndroidマーケットですが、登録可能なアプリの容量制限を大幅に緩和。50MBから4GBに拡張するそうです。
とはいえ、結局何が変わったのか?音楽や書籍が販売されるようになるけど、日本に関係あるのはまだ先なのでは?というのが多くの人が抱いている疑問です。
そこで重要なキーだと考えられるのが、ずばりゲームです。
さて、現状のAndroidのゲームを見渡すと、紙芝居のようなゲームばかり。某無料ソーシャルゲームにありがちなのが多いですね。
FPS、レースゲー、GTAなど、ハイクォリティーな洋ゲーはたしかにあります。しかし、こうしたタイトルは、海外のゲームメーカー Gameloftの製品に集中しているのが現状です。
というのも、3Dのリッチなゲームを作ろうとするには、容量制限を回避する必要がありました。50MBの制限のおかげで、3Dでまともなゲームを作ろうとすると、どうしても容量オーバーになってしまうからです。
そこで、Gameloftなどの洋ゲーのメーカーは、あくまでもマーケットでは、ゲームのインストーラーを販売しているのです。
Androidマーケットでは配布されるapkは、あくまでもインストーラーに過ぎませんから、インストーラーを起動してから初めてゲームのダウンロードが開始されるわけです。
一見、賢いように見えるこのやり方。
しかし、そうした方式だと、いったい何が起きるのか?
そう、アプリの返品時間は、マーケットからのダウンロード時点から15分。そこから初めてダウンロードが開始されるので、ゲームが起動できるようになった時点では、すでに返品時間をオーバーしているのです!
Galaxyシリーズなどの海外メーカー製スマートフォンを使っているユーザーや、ちゃんと動作確認済み機種を確認しているユーザー、対象外であることを知った上で自己責任で買っているユーザーばかりならいいのですが、そうした人たちばかりでもないのが現実です。
そのため、動くわけもない低スペックな機種や国産スマートフォンのユーザーたちがこぞって購入しては、「動作しないぞ!」「音が出ない! ISW11F」「カス! 評価★1」などと低評価を下し、良質なゲームの評価を不当に下げるという、世界と開発者の方々にとても顔向けできない恥ずかしい光景が広がっているのです。
しかし、今回の容量制限の大幅緩和によって、インストーラーを使わずに各社はゲームを大容量ゲームを配布できます。更に、Googleは返品時間を、購入時点からではなく、ダウンロードの完了時点から15分へと変更しています。もう「返品できない!詐欺! IS03」のようなコメントに、誰も苛立ちを覚える必要がありません。そんなコメントをする必然性は今後は全くないのです。
つまり、今回の4GBへの上限拡張により、
・レガシーデバイス、国産機種のユーザー達は、低評価を付ける前に返品可能に
・開発者は、ゲームの評価を正当に受けられる
・開発者は、自前のインストーラーを開発せずとも、GooglePlayストアから直接リッチなゲームを配布可能になる
こうしたメリットを受けることができます。そのため、これからはGameloft以外にも、数多くの有力なゲームがAndroidへと参入してくることでしょう。
つまり音楽や書籍ばかり注目されているGooglePlayは、実はハイクォリティーなゲームを販売するに相応しい場にも変わっていた、ということです。