スマートフォンやポータブルオーディオプレイヤーで音楽を楽しむ人たちの多くはインナーイヤ型かカナル型のイヤホンを使っているかと思う。そんな方々に是非一度試してもらいたいのがポータブルヘッドホンだ。
ダイナミック型のインナーイヤー・カナル型イヤホンに比べて、ヘッドホンはドライバーが大きく、比較的ダイナミックな音楽を楽しむことができる。もちろん、インナーイヤー・カナル型イヤホンを否定するつもりは全くないが、イヤホンで楽しむ音楽とはまた一風違った音楽を外でも楽しむことができるのである。
前置きが長くなったが、その中で私が一押しをしたいのはAKG(アーカーゲー)のK404だ。
驚くほどコンパクトになる
これが実際にK404を折りたたんだ様子だ。右には比較のためにiPhone4を置いた。付属のポーチに入れてしまえば、ストレスフリーに持ち歩くことが出来る。
こちらが展開した様子。筆者は頭が大きいタイプだが、ヘッドホンのアームを収縮させれば自分にぴったりなサイズまで調整することが出来る。
イヤーカップは普通のヘッドホンよりは小さいが、それでも側圧はそこまで強く感じることはなく、3時間ほどゲームにつかっていたが耳が痛くなるようなことはなかった。
音質はどうなのか
第一の前提として、私はこのヘッドホンをスマートフォンやポータブルプレイヤーで使うことを前提に考えている。そのため、ピュアな音楽を楽しみたい訳では無い。つまり、音楽を「聴く」のではなく「聞く」あるいは「楽しむ」ために、このヘッドホンを使っている。モデムやアンテナといった、ノイズ源が多くある、スマートフォンで音楽を「聴く」のは非常に難しいというのが筆者のスタンスだ。
その点を踏まえ、K404の音に耳を傾けてみる。
予想していたよりも、はるかにダイナミックな音が流れており、若干低音よりな傾向を感じたが、決して低音過多というわけではない。ウッドベース(コントラバス)の音が心地よく伸びていくような感覚は非常に心地が良い。
(だがこう書いてみると、確かに少し低音が強い風にも感じ取れる)
逆に高音もボーカルのサ行の音が突き刺さったりはしないため、良くバランスのとれた音を出してくれているように感じた。ただし、全体的に低音と高音に寄っている感じはあるが(いわゆるドンシャリ)そのドンシャリ具合は音楽性の破綻を招いてはいない。
価格が価格なため、ドンシャリ気味になるのは仕方が無いが、そつなくオールグラウンドの音を出してくれていると筆者は感じた。
音漏れについて
ポータブルヘッドホンの気になることがらの一つに音漏れがあるだろう。K404は密閉型のため、通常の音量で音楽を楽しむ分には、音漏れの心配はほとんど無い。ただ、電車やバスといった、すぐ近くに人がいるシチュエーションの場合は音量を少し控えめにする必要はあるかもしれない。
これに関しては個々人が普段音楽を聞いている音量の問題や聞いているジャンルの問題があるため一概には言えないが、一見するとセミオープンに見えるその形状からは想像できないほど音漏れは無い。
総評
価格が価格のため、ピュアな音楽を楽しむのには向いていないが、昨今のスマートフォンには、音楽を楽しむ機能がたくさん搭載されている。しかし、それを付属のイヤホンで楽しむのは非常にもったいない。外出先でも耳を包み込んでくれるヘッドホンが欲しい人にK404は是非検討をしてもらいたいモデルだ。