こんにちは、最近Xperia VLを買いまして写真を撮るたびにリブートしてるあるごすです。修正のアップデートが待ち遠しいです。
先日VR-ZONEさんからSonyの未発表機であるHonamiのカメラについてリークがありました。それによると、Honamiのイメージセンサーは1/1.6型のExmor RSが採用されるとのことです。このセンサーはVR-ZONEさんの比較画像を見て頂くと分かるように、Xperia Zなど現行最新機種に用いられている従来のExmor RSよりも遥かに大きく、かの有名なNokia Pureview 808のセンサーに迫る大きさであります。センサーのサイズは被写体から入ってくる情報量を規定し、写真の画質にとってこれは極めて重要なファクターですから当然、Honamiのカメラの画質は従来機よりも格段に向上すると考えられます。
Honamiのセンサーを理解するためにも、ここで現行機種では各社のスマートフォンに搭載されているカメラにどのようなイメージセンサーが搭載されているのか、代表的な3つのものをおさらいしましょう。
・Exmor R/RS for mobile(Sony)
スマホのカメラと言ったら大体これ、というくらい、Sonyはもちろんそれ以外のメーカーのほとんどの機種に搭載されている「きれいな写真が撮れるセンサー」の代表格。iPhone5や4SにはExmor Rが採用されていますし、Xperia Z、Galaxy S4にはExmor RSが採用されています。
・RとRSの違いは?
Exmor Rの改良型として作られたRSは、大ざっぱに言うと一枚の層に画素と回路の領域を置いて横に広がっていたものを、それぞれの領域で層に分けて縦に積んだものでその分小型化ができる、というものです。また「画素と回路領域でそれぞれに特化したものが作れるので、高画質化などのメリットもある」とAV Watchさんは取材しています。またこちらのページでは「RGBWコーディング」という低照度での撮影を強化する機能も紹介されていますが、こちらは残念ながら現在のExmor RSには搭載が見送られています。
また注目すべきは受光する画素の大きさで、Exmor Rでは基本的に1画素当たり一辺1.4μmという大きさなのですが、Exmor RSでは1画素当たり一辺1.12μmと画素サイズでも小型をしています。自分の素人考えですと画素サイズが小さくなれば画素当たりの受光量も減るため、ノイズが出やすくなるのではないかと思うのですが、Sonyさん曰く積層型にすると高画質化も出来るとのことです。確かに手元のXperia VL(Exmor Rながら13MPで1.12μm)で写真を撮ってみるとXperia P(Exmor R, 8MP, 1.4μm)と比べてもノイズはより目立たなくなってますし高精細に撮れるので、ソニーの技術すげぇなあと思うところです。
少し話を前に戻してHonamiのセンサーについて考えますと、現行のExmor RS(1/3.06型)に対して辺の長さがおよそ1.8倍ですから、画素サイズが変わらず1.12μmとするなら画素数にしておよそ3.2倍、約4000万画素(!?)というそれこそPureviewもかくやの画素数ということになります。逆に今度は画素数が変わらず1300万画素とすると、1画素のサイズは約2μmということで後述するUltraPixelのサイズと並びます。このリークが本当なら、実際にはどのような画素数、画素サイズになるのか非常に楽しみですね。
・Pureview imaging technology(リンク先pdf注意)(Nokia)
Nokiaの誇る変態カメラ。Pureviewというのはこのイメージング技術の名称でセンサーの名前ではありませんが、Pureviewのセンサーは有効画素数3800万画素、画素サイズ1.4μm、1/1.2型センサーと、その見た目も相まって色々な意味で凄まじいスペックをしています。Pureviewでは複数の画素から取ってきたデータを束ねて一つの画素にする「ピクセルオーバーサンプリング」というアンチエイリアシングの方法のひとつを用いることで、3800万画素を800万画素ないしは500万画素に縮小する代わりにノイズを逓減することができるのも特徴です。これだけの画素数があるからこその力技ですね。現在このPureviewを載せた機種はPureview 808のみで、先ほど「見た目も~」と言ったのは808の外観を見れば一目瞭然、カメラの部位だけボコッとボディから飛び出しているからですね。現在のLumiaシリーズはこのPureview技術は載せておらず、次期機種のLumia EOSに載ると言われています。
・UltraPixel(HTC)
現時点においては今年4月に発売されたばかりのHTC Oneにのみ搭載されている、「メガピクセル至上主義によらず、たとえ暗いところであっても色彩豊かに生活を映し出す」カメラ。400万画素、画素サイズ2.0μm、1/3型センサー。早い話がセンサーサイズ自体は変えないけど、画素数を犠牲にしてその分画素サイズを大きくして画素当たりの受光量を多くしよう、どうせスマホなんだし画素数はこれくらいでもいいよねという、HTCの挑戦的な試みから生まれたセンサーです。曰く1.12μmに比べて300%の光を入れることができるとか。Nokiaのピクセルオーバーサンプリングとは逆の発想で光の情報を集めてるのが面白いですね。今年の2月末に確認できた試作品の撮影写真では画素数が低い分荒く見える箇所がありましたが、先日のアップデートで改善されたのでしょうか、気になるところです。このセンサーを作っているのはSTマイクロエレクトロニクス社というところで、おそらくスマートフォン向けイメージセンサーの供給は今回が初めてですし、UltraPixelはまだ出たばかりの技術ですから、これから発展進化していくことを楽しみにしています。
さて、ここまでスマートフォンのカメラにおける代表的な3つのセンサーについてご紹介しましたが、今回のニュースであるHonamiに搭載されるExmor RSは噂が本当ならばPureviewにもUltraPixelにも優るとも劣らないものであることがご理解して頂けたかと思います。成熟しきったとも言われるスマートフォンですが、カメラひとつを取ってみてもこのようにまだ進化を感じることができるのはガジェット好きとしてはうれしいことです。もっとも、このExmor RSはセンサーサイズからしてPureviewと同じく端末の薄型化は望めないかと個人的には思っております。分厚い、重い、スマホとして使いにくい!ということにならなければいいのですが……。