リコーイメージング株式会社は、ハイエンドコンパクトデジタルカメラ「GR」シリーズの最新モデル「RICOH GR IV」の開発を発表しました。発売時期は2025年秋を予定しており、価格は未定としています。
同社によると、「RICOH GR IV」は「最強のスナップシューター」を目指して開発されているモデルで、新型のイメージセンサーや画像処理エンジン、レンズなどの主要デバイスを一新し、さらなる高画質を追求するとのことです。
撮像素子には有効画素数約2574万画素のCMOSセンサーを搭載し、感度はISO100から204800まで対応するそうです。レンズは焦点距離18.3mm(35ミリ判換算で約28mm相当)、F2.8からF16の5群7枚構成で、非球面レンズ3枚使用。
手ぶれ補正機能では、撮像素子シフト方式による5軸補正を採用し、自動水平補正機能も搭載するとのことです。また、SRユニットを用いたモアレ低減機能(ローパスセレクター)や、超音波振動による撮像素子クリーニング機能も備えるそうです。
記録形式については、静止画はRAW(DNG)14bit、JPEG形式に対応し、動画はFull HD(1920×1080)での60p/30p/24p撮影が可能になるとしています。記録媒体は内蔵メモリー約53GBに加え、microSD/microSDHC/microSDXCメモリーカードに対応するとのことです。GR IIIの内蔵メモリーは約2GBでしたので、大幅な増量ですね。SDカードを忘れても安心でしょうか。
フォーカス機能では、像面位相差検出とコントラスト検出によるハイブリッド方式を採用し、オートエリアAFやゾーンセレクトAF、セレクトAF、ピンポイントAF、追尾AFなど多彩なフォーカスモードを搭載するそうです。顔・瞳検出機能も備えるとしています。
通信機能の強化も図られ、無線LANは2.4GHz帯と5.2GHz帯のデュアルバンドに対応し、IEEE802.11axにも対応するとのことです。スマートデバイス用の新開発アプリ「GR WORLD」も近日リリース予定で、RICOH GR II以降の各機種に対応するそうです。あまりにもスマホ連携がショボすぎる日本のカメラの課題、どこまで克服しているか楽しみです。
外部インターフェースではUSB Type-Cを採用し、充電やデータ転送、DisplayPort over USB-Cによる外部映像出力が可能になるとしています。
本体サイズは約109.4×61.1×32.7mmで、質量は約262g(バッテリー、microSDメモリーカード含む)となる予定です。
なお、「RICOH GR IV」をベースにHDF(Highlight Diffusion Filter)を搭載したモデルについても開発を進めており、こちらは2025年冬以降の発売を予定するとのことです。
開発中の外観サンプルは5月31日より「GR SPACE(東京、北京、上海)」でのショーケース展示を実施するそうです。
項目 | RICOH GR IV |
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レンズ | 18.3mm F2.8-F16(35mm判換算約28mm相当) 構成:5群7枚(非球面レンズ3枚) |
撮像素子 | 原色フィルター/CMOS(23.3×15.5mm) |
有効画素数 | 約2574万画素 |
感度 | ISO100-204800 |
手ぶれ補正 | 撮像素子シフト方式(5軸補正) |
フォーカス | 像面位相差検出+コントラスト検出ハイブリッド方式 |
撮影距離 | 標準:約0.1m-∞ マクロ:約0.06m-0.15m |
シャッタースピード | 1/4000-30秒、バルブ |
記録形式 | 静止画:RAW(DNG)14bit、JPEG |
動画 | MPEG4 AVC/H.264(MOV) Full HD(1920×1080)60p/30p/24p |
記録媒体 | 内蔵メモリ約53GB、microSD/SDHC/SDXC(UHS-I対応) |
画面 | 3.0インチ TFTカラーLCD(3:2) 約103万7000ドット、タッチパネル対応 |
無線LAN | IEEE802.11 b/g/n/ax(2.4GHz) IEEE802.11 a/n/ac/ax(5.2GHz) |
インターフェース | USB Type-C(充電・データ転送・DisplayPort出力) ホットシュー |
電源 | 専用充電式バッテリー |
外形寸法 | 約109.4×61.1×32.7mm(突起部除く) |
質量 | 約262g(バッテリー・メモリーカード含む) 約228g(本体のみ) |
発売時期 | 2025年秋予定 |
価格 | 未定 |
筆者もRICOH GR IIIを愛用するユーザーですが、APS-Cセンサー搭載のコンデジということで気に入っています。画素数が2424万画素から2574万画素へと変更、さらに高感度性能ISO204800といった撮像素子の進化が注目でしょうか。新しい画像処理エンジンやレンズでどのように描写力が上がっているのか気になるところです。
手ぶれ補正は、GR IIIは3軸4段補正でしたが、GR IVでは撮像素子シフト方式による5軸補正へと進化。感度と手ぶれ補正の向上で、撮影できるシーンが増えそうです。GR IIIのハイブリッドAFから、GR IVでは像面位相差検出とコントラスト検出のアルゴリズムでより高速合焦が期待できます。スナップシューターの主題通りの構成だと言えそうです。
「RICOH GR III」について、部品調達の都合により本年7月中の出荷分をもって製造完了となる見込み。一方で「RICOH GR IIIx」については当面の間、製造・販売を継続するとしています。