ワンセグ受信料問題、総務省が「徴収免除」と調査を要請。しかしNHK会長はこれを拒否。

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 さいたま地方裁判所は、ワンセグ携帯ならNHK受信契約は必要なしとの判決を下しました。朝日新聞を始めとする多数の国内メディアもこれを報じました。

 これに対し、高市早苗総務大臣は、司法判断にコメントを差し控えるべきところを「総務省としては受信契約締結義務の対象と考えている」「NHKはただちに控訴するというコメントを出している」とやや踏み込んでNHK寄りの発言を行いました。

 この発言を報じた朝日新聞の記事について、総務省広報が朝日新聞に対して抗議したと伝えられています。あくまで「反論」したわけではなく、総務省の従来姿勢を表明したに過ぎない、と釈明したいのでしょう。

 この件について日本経済新聞など複数のメディアが報じたところによると、総務省はNHK受信料について、ワンセグ携帯のみを持つ世帯については徴収を控えるか、12分の1の受信料に減額することをNHKに対して求めるそうです。12分の1というのは、通常放送に対するワンセグの情報量に従ったものでしょう。

 NHKに対する世論の反発に配慮した要請だと考えられますが、あくまで要請であり命令ではないので強制力を欠きます。

 さらに要請内容は、NHKとの契約義務が発生する従来の法解釈を否定するものではなく、あくまで受信料の全てないしはいくらかを免除するというのみです。

  こうした動きに対して、朝日新聞が報じたところによれば、NHKの籾井勝人会長は定例記者会見にて地裁判決に反論し、従来通りワンセグでも受信料を徴収する考えを示しました。総務省から要請されていたワンセグでの契約実態の調査要請に対しても「ワンセグの契約が何台あるかは調べようがない」などとして調査すらもしない方針を明らかにしました。

 ひとつの司法判断と世論の動きで、現在の不公平且つ時代遅れのNHK受信料制度が見直されるかと思いきや、雲行きが怪しくなってきました。

 そもそもNHK受信料制度が誕生した半世紀以上前に、こんなにたくさんの放送局も、たくさんのチャンネルやVODが見られるスマートテレビも、誰もが手のひらに持ち歩けるスマートフォンも想定されてはいません。時代に合わせて適切に放送法を変えきれていない総務省にも責任があります。改めて受信料制度の限界が浮き彫りとなった形であり、続報に注視したいところです。

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