Samsungは、全世界で爆発し、リコール後も発火事件を起こし続けた欠陥機種「Galaxy Note 7」を生産停止・販売停止にしました。これにより国内モデルであるSC-01JとSCV34もお蔵入りとなる見通し。
現在、Samsungは発火原因について特定するために調査を行っていますが、その原因は判然としません。
Galaxy Note7が搭載している電池は大容量の3500mAhのリチウムイオン電池です。当初、サムスンSDIの製造したリチウムイオン電池が原因と思われていましたが、ATL製電池を搭載した交換品も発火していました。一説には、電源管理の回路に欠陥があるのではないかともささやかれています。
日刊工業新聞は、韓国企業SKイノベーションや、旭化成、東レ、帝人といった日本企業がサムスンSDIに供給していたセパレーター(絶縁材)が原因ではないかとの見方を報じました。
一方で、フィナンシャル・タイムズ紙が報じたところでは、スマートフォンのプロセッサが原因ではないかとのこと。バッテリーへ急速充電する際に発火が起きるという可能性です。
Note 7の搭載プロセッサはバージョンによって異なります。QualcommのSnapdragon 820を搭載したバージョンと、サムスン独自のExynos 8893プロセッサを搭載したバージョンの2種類が存在しています。後者のサムスン独自のExynosの場合に、過剰に急速充電されてしまいバッテリーが加熱するという説です。
いずれの説にしても現段階では推測の域を出ておらず、正式な調査結果が出るのを待ちたいところ。虹彩認証や防水対応、高速プロセッサなど、最高傑作とも言える最高峰のスマートフォンが、このような結果になってしまい残念です。
リチウムイオン電池という発火しやすいものが搭載されているのは何もGalaxy Note 7だけではなく、スマートフォン全般であることから、対岸の火事とまでは言い切れません。むしろ、世界屈指のトップメーカーであるSamsungであろうとも、Galaxy Note 7の発火原因を特定するのを手間取っている、という事実は実に恐ろしい話だと感じます。
過去にはハイスペック・高速通信・防水対応を詰め込んだARROWS Zがすぐに発熱して機能停止に陥ったり、同じく防水で詰め込んだがゆえに熱と不具合が酷すぎたARROWS Xがユーザーに訴訟を起こされて敗訴したりしていましたが、やはり機能をとにかく詰め込めばいいというものではなく、安全性というものに細心の注意を払う必要があるという当たり前の事実を再確認させられた事案であるともいえます。