NTTの法令違反を告発する方法が拡散中

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 NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTぷららは、日本政府の指定したサイトをブロッキングすることを予告しました。

 今回のサイトブロッキングは日本国憲法の「通信の秘密」や「検閲の禁止」に抵触している可能性があり、NTTグループがこれを実施すれば、電気通信事業法第4条第1項に違反するものと考えられます。

 これが実行に移された場合、消費者団体訴訟や刑事告発を行うと明言している団体も既にあります。この他にもNTTへの訴訟を行うとする動きが複数あるようです。

 NTTグループのISPの固定回線や、NTT docomoの回線を契約しているユーザーも多く、さらに他のISPもこうした動きに続く可能性もあることから、他人事ではありません。

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 NTT各社が発表したブロッキングについて、監督省庁である総務省に告発する方法と文面がTwitter上で拡散されています。NTT各社はいわば通信の秘密侵害の「犯行予告」を行ったようなものなので、こうした様々な反応があるのも当然と言ったところでしょうか。

2018年4月25日20時11分追記:宛先となっている公益通報者制度は、企業内部の労働者が企業の告発に利用するものであり、それ以外の人が送る宛先ではありません。総務省に意見を申し出る場合、こちらを活用するのが適切だと思われます。

 過去にセブンイレブンが公衆無料無線LANサービス「セブンスポット」において、一部サイトへのアクセス遮断を実施していた時、総務省は指導を行っています。本件についても適切な対応が行われることが望まれます。

 我が国は法治国家です。憲法の下に法律があり、ISPも法律に従う必要があります。警察ですら犯罪捜査における盗聴には、裁判所の令状が必要です。

 通信の秘密侵害の違法性阻却事由が認められている先例として児童ポルノブロッキングがありますが、これは当時の議論として、緊急避難の要件を満たしていると考えられるため、例外的に容認されています。現在の危難・補充性に加え、被害児童への深刻な人権侵害があるので法益均衡も認められる余地があるからです。

 ところが、海賊版サイトへのブロッキングはあくまで財産権の問題に過ぎず、法益均衡は認められません。他の手段が尽くされたとは到底言えないことや、当該サイトの閉鎖によって、緊急避難の3つの要件はいずれも満たせないため、NTT各社の通信の秘密侵害に違法性阻却事由は認められないと言えるでしょう。

 NTT各社の法令違反予告に、総務省がどう動くのか?政府知財本部が民間に「忖度」を求め、NTTが違法なブロッキングを実施するという、法治国家としての原理を逸脱した重大案件だけに、対応が注目されます。