中国スマホブランドの躍進は著しいですが、中国国内でサプライチェーンを完結させることは可能なのか?
大きく話題となった、ZTEをめぐる米中通商問題。この際、ZTEは米国製品の輸入を禁じられたことで、倒産の危機に陥りました。中国メーカースマホの基幹部品である、SoCは米Qualcomm製、OSは米Googleの主導するAndroidということで、中国国内では米国依存度の高さを問題視する議論も起こりました。
このため、中国の部品国産化の話は気になるところ。
今回紹介する新浪看点掲載の論評は、カメラとメモリの国産化を解説。それによると、カメラとメモリは技術的にまだまだ難しいと指摘されています。
カメラの最も重要な部分は、センサーとISPです。皆さんご存知のソニーセンサー(CMOS)と画像処理プロセッサだけでなく、SamsungのCMOSとISPも非常に強く、現在のハイエンドカメラセンサーの技術は、SamsungとSonyに独占されていると指摘します。
中国メーカーの有名スマホブランドの発表会では、ソニーセンサー搭載を強調するか、サムスンセンサー搭載を強調するか、というくらいなのだとか。引用されている統計によれば、CMOSでの占有率はソニー28.3%、サムスン25.4%。ソニーのシェアも、今やサムスンにかなり肉薄されてしまっているんですね。
熱心な読者の方はご存知かと思うが、中国メーカー、特にXiaomiなどはカメラ画素数やパネル性能と共に、部品の製造メーカー名も堂々と挙げることがよくある。
中国国産カメラ部品の性能がソニー・サムスンに追いつく時期については、「期待されるところではあるが」としつつも、「今のところほぼ不可能」とバッサリ切っています。
ソニーがサムスンにシェアで追い抜かれる日は来るかもしれませんが、中国メーカーが迫ってくる日はまだ先のようなので、少し安心ですね。
メモリについては、サムスン電子、韓国SK、米国マイクロンで、全世界シェアの96%を占めるそうです。本当なら、ついこの間まで、この中に東芝がいたんですけどね。
仮にサムスンがスマホで損をしても、メモリで100倍どころか1,000倍も回収することができると言います。
一方で中国国内メーカー。メモリはいまだ試作段階にあり、報道によれば清華紫光集団が今年末にも試産を開始するようですが、量産はまだ先とのこと。中国国内のメモリチップ生産量は毎月5,000~1万、サムスンは10万で、しかも歩留まり率もSamsungより20%低いとか。メモリを中国メーカーで自給するのも、まだまだ時間がかかりそうです。
しかしこうして見てみると、中国メーカーが追いつくのはまだ先とはいえ、「日本の部品がないとスマホは組み立てられない」というポジションは、どんどん韓国に侵食されていっているようですね。