海外サイトAnandTechは、Huawei製端末がベンチマークテスト3DMarkを実行中、通常ではありえない発熱と電池消費を伴うほどのブーストを行っていることを指摘しました。
これを受けて3DMarkは、以下のデバイスをベンチマーク上から削除する措置をとりました。削除されたデバイスは以下の通り。
- Huawei P20
- Huawei P20 Pro
- Huawei Nova 3
- Huawei Honor Play
5年前にSamsungのベンチマーク偽装が発覚し話題となりましたが、久しぶりに同様の問題が起きたことになります。Huawei的にはnova3のカメラを一眼レフで撮影していたことがバレたばかりなので、泣きっ面に蜂ですね。
今回の問題に対し、Huaweiは「実行中のアプリのグラフィックなどに基づいてAIが性能を調整している」などと声明を発しています。しかしながらそのような挙動をユーザーが明示的に変更できず、結果的にベンチマーク結果が操作されるというのは大きな問題であり、ベンチマーク規約違反で不正として削除されるのも当然と言えます。
推測ですが、AI処理が原因というのはHuaweiの苦しい言い訳、嘘ではないでしょうか。というのも3DMarkを展開するULは、アプリ名の異なる内部バージョンの3Dmarkを当該端末で実行させたところ、端末は処理性能のブーストを行わなかったとのこと。このことから、Huawei端末はそのアプリの内容や要求する処理によって性能をブーストしているわけではなく、アプリ名で性能をブーストしていることになるからです。
この問題でHuaweiの解決策は、このベンチマーク利用時の性能引き上げを、「パフォーマンスモード」として実装するというもの。ユーザーに制御できない秘密裏のブーストでベンチマークを偽装していたことが問題なのであり、ユーザーに明示し制御できるなら、ベンチマークの規約に抵触しない形になるからです。
Huaweiとしては大きく評価を下げてしまう出来事でした。とりあえずパフォーマンスモードのアップデートによる提供を見守りたいところです。