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スマホおかえしプログラム
ドコモ、36回払いと下取りで端末代を3分の2に
NTT docomoは「スマホおかえしプログラム」を正式発表しました。2019年6月1日より提供開始。
ユーザーが指定機種購入時に36回分割を組み、ドコモが定める条件に基づき返却すれば、分割支払が最大12回分が免除になるというもの。端末代が3分の2になる、といったところ。
注意点
注意点としては、査定条件を満たしていない場合に査定条件を満たすには、2万円(税抜)の故障時利用料を支払う必要があるとしています。
受付窓口は全ドコモ取扱店。一部家電量販店では返却時点の割賦残金が1万円以上の場合、取り扱えないとしています。
現時点でXperia Ace、LG style2、arrows Be3、Google Pixel 3aは対象外機種です。高額機種のみの施策というわけですね。まあ5Gを見据えて、5G機種こそ国策に則って安売りすべきであり、この価格帯はどうでもいいですからね。
考察:思ったほどまでは悪くない、新しい選択肢の一つ?
予想よりは悪質ではない
例えばソフトバンクの場合も同様の下取りによる残債免除サービスを提供しているものの、48ヶ月払という長期間拘束を強いた上で、「次もソフトバンクで端末購入」が条件に加わります。割引額=2年以降の残債が高額なことや、諸条件から、キャリアに縛り付ける性質ばかり強いものでした。
しかしドコモの「スマホおかえしプログラム」の場合、36ヶ月の分割で、割引額=残債は3分の1程度。しかも条件は「端末を返却すればいいだけ」なので、次の機種を必ずしも購入する必要はありません。ずいぶんマシ。次はSIMフリー機を買ってSIMを挿してもOKというわけ。これは良いですね。端末を自社回線への拘束の道具としてばかり活用してきたMNOですが、「スマホおかえしプログラム」は、分離時代の選択肢の1つとして、まあ、あっても良いんじゃない?と思いました。
そもそも、私たちユーザーは「端末メーカーが主役」「自由に使える」といった価値観を大事にしており、SIMフリー機がどんどん売れて欲しいと思っています。総務省は中古端末を盛り上げるという、メーカーが可哀想になる意味不明な政策を本気で掲げているので、総務省的には今回の「スマホおかえしプログラム」は気に入らないかもしれません。
中古市場に流れる端末の量は減らしつつ、かといって自社回線への拘束の度合いは弱め、適度な値引きを消費者も受けられる、次はキャリア版の端末なんかじゃなくてSIMフリー機を買ってもOK。それほど悪くないのではと思ってしまいました。(どうせ48ヶ月割賦、次の端末購入が条件の俗悪な内容だろ、と予想していたので)
一括払いには恩恵がない
分割払いのユーザーには悪くないなと思う一方で、個人的には、スマホでいちいちローンを組みたいとは思わないので、一括払いをするユーザーにもお得な施策があればいいのに……と強く不満に思います。
もちろん一番いいのは、最初から端末代から引けよって話ですよね。これまで、一括払いをするユーザーは、月々の負担感を少なく済ませたいから一括払いをしていたという面もあるのですけど、一括払いをすると損というのでは、感覚として値上げですよね。そこは正直いかがなものかと思います。一括払いなら機種が安くなればいいのに。(一括払いのユーザーに対しては値下げ・現金・dポイント付与で対応したら良い?)
他の下取りよりはマシ、という話ですが、そんなことより、総務省には持ち込み契約の阻害要因やIMEIロック、単体購入が困難、クラップウェアの問題を是正して欲しいですね。自由にするほど分離的になり、端末代も多少高くなり得ると考えるのが普通なのに、自由にならないのに端末代を高くするだけなのは、無意味ですからね。総務省の役人と自称有識者は、今すぐSIMフリー機を買ってMNOに持ち込み契約や、MNOを途中解約して他MNO/MVNOのSIMを挿す、ということを経験すべきだと思います。