SoftBank夏モデル向けに「arrows U」が正式発表されました。SB向けとしてはArrows A 301F以来、約5年ぶりの投入となります。
arrows Uの特徴
デザイン
前面は縦長化、ノッチディスプレイ、背面はデュアルカメラで、arrowsとしては今風に。側面にはストラップホールとGoogleアシスタントキーを搭載。
日本向け機能
防水(IPX5/IPX8)防塵(IP6X)、耐衝撃に対応しています。
このほかFeliCa搭載によりおサイフケータイには対応。ワンセグ・フルセグには非対応。
スペック
OS | Android 9 |
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CPU | Snapdragon 450 |
メモリ | 3 GB |
容量 | 32 GB, microSD |
画面 | 5.8型 TFT FHD+ (2280×1080) |
カメラ | 1310万画素+500万画素 |
インカメラ | 800万画素 |
電池 | 2880mAh |
寸法 | 149×72×8.7mm 165g |
その他 | 防水防塵, FeliCa |
カラーリング
ブルー、ブラック、ホワイトの3色展開。
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総評
まずデザインが今風になってきたのは大変良いところだと思います。Xperiaですら縦長化・ベゼルレス化した現在、売り場で見ても、従来比率の極太ベゼルの機種は手に取る前に「古い機種かな?」と思ってしまいますので、重要且つ大きな改善点だと思います。
性能的にはarrows Be F-04Kと変わらずSnapdragon 450。arrows Be F-05Jなどは許容し難い低性能であったのに対し、S450はより実用ラインに近い処理性能に。ただ、arrows Beは解像度を720pに抑え精細さを犠牲にしたことで、ミッドレンジのS450でも動作に割り振れ、電池駆動時間も伸ばせることで、一種のバランスを生み出し、競合他社の同価格帯機種に対する差別化要因になっていました。しかしarrows Uはここを一気に1080p以上の高解像度(2280×1080ドット)に引き上げてしまっており、それだけ多くの処理性能と電池消費が必要となりますから、吉と出るか凶と出るか?
S450、実行3GBメモリ、32GBストレージ、FHD+という構成は、まんま昨年のSHARPのAQUOS Sense2です。Senseシリーズは現在のarrowsの直接の競合です。200万台出荷によって圧倒的成功を収めているAQUOS Sense2の構成を安直に模倣したようにも見えてしまいます。
また、虹彩認証や、スクロール機能内蔵指紋認証センサーExlider(エクスライダー)といったこれまでのarrowsらしい生体認証は非搭載なのは残念なところ。今どき生体認証なしのスマホが存在するとは考えにくいところなので、せめて前面か背面に指紋認証センサーを設けて欲しかったですね。単純なインカメラによる顔認識は認証の精度・速度が良くないので、あらゆる場面で認証できるよう、指紋認証センサーとの複合認証が一般的です。
また、arrows Beは災害時に安心のテレビアンテナロッド搭載の数少ない機種であったことを考えると、ワンセグ機能ごと削除されているのも従来ユーザーとしては残念でしょうが、2017年のNHK受信料制度合憲の最高裁判決や、最近のワンセグ携帯の受信料義務ありとの最高裁判決から、ワンセグ搭載がむしろ消費者を忌避させ得ることを考慮すれば、削除の決断もやむを得ないものと感じます。AQUOS Sense2も当然積んでません。
直接戦いを挑んでいるのは良い傾向と言えるかもしれませんが、arrowsらしい個性や差別化要因も捨ててしまっており、そうなった場合価格の勝負になるでしょうが、相手が中華メーカーは言わずもがな、鴻海傘下で調達力のあるSHARPが相手でも、厳しい戦いになるのではないでしょうか。富士通はスマートフォン事業を売却済み、現在の富士通コネクテッドテクノロジーズは投資ファンドポラリス傘下となっています。唯一宣伝文句で勝てそうなのは日本メーカーであるという点ですが、外資系日本企業のSHARPも消費者認識では日本メーカーの括りなので、対SHARPでは大きな優位性にはなりにくかもしれません。
arrows U
— すまほん!! (@sm_hn) 2019年5月10日
訂正:初出時、「2018年夏モデルでは、docomo with枠の2機種はストレージ64GBへと底上げ」という記述がありましたが、正しくはLG Styleは64GBでarrows Beは32GBです。お詫びとともに該当部分を削除させていただきました。