欧州連合議会は、モバイル端末の充電端子をUSB Type-Cに統一するため、2020年7月までにより強力なルールを制定するよう、欧州委員会に求めることを決議しました。
決議はスマートフォン、タブレット、電子書籍リーダー、ウェアラブル端末といった様々な製品の充電端子を統一することで、廃棄物を減らし、消費者が円滑にデバイスを選択できる必要性を挙げています。
Appleは、Lightning廃止によって逆にLightningの廃棄物が増えるとしてこうした動きに対して反対を表明しています。
2009年には市場に30種類以上の充電器が存在していましたが、その後各メーカーはmicroUSBへの統一の動きを見せ、様々な独自規格が廃れていきました。しかしAppleは独自規格を続け、2012年にはiPhone 5からLightningを採用。
AppleはiPad ProやMacbookにおいてはスタンダードなUSB Type-Cを採用する一方、今でもiPhoneにはLightningケーブルの使用に固執し続けています。
EUはこれまでにも規格の統一を求めてきましたが、メーカーの自主的な努力を優先し、強制措置を取っていませんでした。しかし今回、より強力なルールを制定することを議会が欧州委員会に付託したため法案が起草されます。議会の圧倒的多数の様子を見る限り、起草されたEU法はそのまま成立する可能性が高いのではないでしょうか。
今後少なくとも欧州にて販売されるiPhoneにはLightning端子を搭載することはできないものと考えられます。
現実的に欧州のみ充電端子の異なるiPhoneを販売するということは考えにくいため、全世界のモデルでUSB Type-Cを採用することになろうかと思われます。当然、従わないのであればEU圏内の正規販路でiPhoneを販売できないという意味になります。
その他に考えられる可能性としては、有線充電端子の廃止です。既に中国メーカーは充電端子を廃し、ワイヤレス充電に統一したコンセプトスマートフォンを発表しています。ワイヤレス充電のみに対応したiPhoneが登場する可能性もあるのではないかと筆者は推測します。
筆者は複数デバイスを使用し、USB Type-Cに機器をほぼ統一しており、Lightning端子の機器があると荷物が増えて邪魔なので、これでLightning端子が消滅するとすれば個人的には嬉しい限り。
今後はよりクラウドの重要性が増し、ワイヤレス充電対応モバイルバッテリーが増えていくのかもしれませんね。今後の動きに注目したいところです。
iPhoneのLightning廃止
— すまほん!! (@sm_hn) January 31, 2020