Huaweが先週「『MediaTekチップの供給に問題があるため新製品の開発を中止した』と台湾サプライヤーに通知した」と、台湾メディア自由財経は報じました。
米国政府は輸出規制を強化。Kirinチップの製造を担うTSMCは、Kirinチップを出荷しないことを明らかにしていました。
そのKirinの代替策として期待されていたのが、MediaTek製チップです。Huaweiは6月以降、MediaTekチップの購入を拡大したと伝えられています。
ところが、8月17日には輸出規制がさらに強化。サードパーティ企業を通じて米国技術で開発製造されたチップの入手を禁止。このため、MediaTek製チップの入手すら中断されてしまっており、現在庫のみが使用できる状況とのこと。
TrendForceは、米国の輸出規制強化により、MediaTekが半導体集積回路「アプリケーションプロセッサ(AP)」をHuaweiに出荷できなくなったため、他メーカーを出荷先として探していると伝えています。
SMICとUnigroupがHuawei向けにチップを出荷する可能性がありますが、これらは製造プロセスも遅れており、まったくハイエンド向けのチップは作れません。Kirin 1020が5nmであるのに対し、これらは12nm、14nmに留まっています。
また、SMICは米国でも生産しており、米国の規制によってHuaweiへの出荷が行えない可能性もあります。
こうした昨今の事情や、下流サプライヤーへの供給停止通達といった最新情勢から、自由財経は、Huaweiの携帯電話市場撤退の兆候かもしれないと報じています。