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ロボット掃除機はここまで進化していたのか!! DEEBOT OZMO T8をレビュー

 日本の家庭用市場でロボット掃除機が販売されたのは2002年と意外と古く、約18年ほどの時間が経ちました。

 最初は物珍しさに引かれて興味を持った方も多くいらっしゃるかと思います。しかし、初期のロボット掃除機は吸引力の弱さや、壁や物にぶつかり続けるような実用性の低さから、ちらほらと新製品のニュースに目は通していたものの、徐々に興味を無くしてしまい「結局、高いお金を出してロボット掃除機を買うより、自分で掃除機をかけた方が良いじゃん……」という印象を抱いていました。

 その印象のまま、今日まできたわけですが、ECOVACSという聞き慣れないメーカーから「弊社のロボット掃除機の新製品をレビューしてもらえませんか」というメールをいただきました。そのメールに目を通しながら少し物思いにふけりました。なぜならこの約18年間で我々の生活を取り巻く環境は大きく変化していたからです。初代iPhoneが販売されたのは2007年、ドコモのLTE(4G)のサービスインが2010年。そこからさらに技術は進歩していき、IoT機器やスマートウォッチなど、身の回りの電子機器は高性能になっています。

 当然、それに習うようにロボット掃除機も進化しているわけで「2002年頃に抱いたネガティブな印象をどれだけ覆す製品なのか、確認してみよう」。そんなことを思いながら「是非よろしくお願いします」とレビューの依頼を受けました。

スペックを確認してみたら

 ロボット掃除機に関する知識が古いまま止まっているため、まずは公式でDEEBOT OZMO T8のスペックや付加機能を確認しました。ページを見ると、以下のような記述があります。

3D物体回避(TrueDetect™ )

業界で初めて、「3D構造化ライト技術」を応用した3D物体回避テクノロジーを搭載。あらかじめ定められたストライプ状の光のパターンを物体に投影し、その光のひずみを解析して奥行き情報等を収集、物体の3Dイメージを取得。広範囲の検出が可能で、障害物の高さや形状を立体的に把握し、走行トラブルを回避します。

 これを見て「え、壁や机の脚にぶつかり続けたり、落下防止のために別途センサー類を用意しなくてもいいの?」と軽いショックを受けました。いつの間にか段差から落ちて壊れてしまうなんていうことは無くなったんですね。

 さらにセンサー類を利用して自動的に部屋のマップを作成、それに合わせて掃除をしたり、進入禁止エリアを作ったりできるということで「ここまで掃除ロボットは進化していたのか……」とカタログページを見たときには驚きの連続でした。旧時代な人間でごめんなさい。

本体背面やブラシなどをチェック

 製品の外観を見ていきましょう。この写真を撮る前に何度か試運転をしたので少しゴミが溜まっているのはご愛敬で。

 本体上部の蓋を上げると主電源とダストボックス、後述しますがアプリに製品を登録するためのQRコードが貼り付けられています(写真ではモザイクをかけています)。また、本体清掃用のハケも付属しています。

 背面を見ていくと、ゴミをかき込むためのハケ状のブラシが2つ。それから水拭きをする際に使う給水タンクがあります。他には駆動するタイヤが2つと構造は比較的シンプルですね。

スマートフォンとの連携でIoTを肌に感じる

 本製品はスマートフォンとの連携を前提として作られており、最初に取り扱い説明書に印刷されたQRコードから専用のアプリをインストールする必要があります。アプリをインストールすると、本体に印刷されているQRコードを読み取り、アプリに製品(掃除機)を登録します。登録が終わるとWi-Fiの接続設定があり、ファームウェアの更新が行われます。一連の流れはシームレスでストレスは感じませんでした。何より「掃除機にもファームウェアのアップデートが必要な時代なのか」と、少し感慨深い気持ちになりました。

 基本的な操作もスマートフォンから操作することが念頭に置かれており、本体には必要最低限のボタンしか用意されていません。スマホから「ボタンをポチッ」で掃除の開始から、設定で吸引力や清掃の予約操作、またエラーが発生した時にはスマホに通知が飛んでくるようになっています。

 実際の掃除をさせてみると、部屋のマッピングを行い、どこをどう動いたかというのが表示されます。画像を見るとかなりぐちゃぐちゃした動きをしてるように見えますが、これは筆者の家に物が多く、それを回避しながら掃除をした結果このような動きをしたのだと思います。

 掃除が終わると自動的に充電ユニットが設置されている場所まで戻りますし、それまでは放っておけばいいわけで「ヤバい、ここまで進化していたなんて」と、ここでも掃除ロボットの進化に感心しました。

吸引力に問題なし。感動の水拭き

 今までどちらかというと精密機器やガジェットっぽい視点で見てしまっていたので、純粋に白物家電としての観点で見てみますが、掃除機としての性能には非の打ち所が無いと思います。細かな凸凹があるような箇所はブラシが届かないのか掃除が出来ていないことはありましたが、これは普通の掃除機でも通常のヘッドを使っていたら掃除できないような場所なので、文句を付けるのはナンセンスでしょう。

 また、ラグやカーペットも自動で検知してゴミを吸引してくれるので、カーペット類に付着しているゴミも綺麗にしてくれます。ただ、小さなラグの場合上手に乗り上げることが出来ず、ラグの下に潜ってしまうことがあったので、筆者の場合は養生テープでラグを固定しました。

 そして、個人的に一番感動したのが水拭き機能です。冗談抜きにピッカピカになりました。筆者が面倒くさがりでなかなか掃除をしないというのもあるのですが、フロアワイパーのウエットタイプを使って掃除しても「ここまでは綺麗にならないなー」と思うレベルです。何よりフロアワイパーのような製品を使うと、部屋のスミにゴミが溜まってしまい、またそれを掃除機で吸い取る必要があるため、掃除から水拭きまで一緒にやってくれるというのは感動でした。

 水拭き機能の使い方も簡単で本体に備え付けられているタンクに水を入れ、水拭き用のモップを装着するだけです。しかも、モップは水洗い可能なので何度でも使えます。いやーホント、文明の進化ってスゲーって気持ちになりました。

細かなツメは甘いが価格を考えれば十分

 ここまで絶賛をしていますが、両手を挙げてバンザイできるかというと少し気になる所もあります。

 最も気になったのはデフォルトの音声が英語なことです。これはアプリと連携をした後なら設定から変更できるのですが、アプリと連携をするまで、本体から発せられる音声はすべて英語で、かつ非常に発音がネイティブなため、英語のリスニングが苦手な人には少し聞き取りづらいかもしれません。日本語のアプリを使っているのだから自動で本体の音声も日本語に変更して欲しいなと思いました。
2020/09/26 15:50 一部表現を訂正致しました。お詫びして訂正致します。

 また、ローカライズの問題はスマホアプリにもあり、意味はわかるのですが不自然な日本語の箇所がいくつかありました。筆者の場合は良くも悪くも不自然な日本語に慣れてしまっているため、そこまで違和感はありませんでしたが、これを定年が近い父母が居る実家に送って「使ってみて」と言っても、少しハードルが高いように感じます。このあたりの最適化を今後進めてもらえると、より日本の市場で花開く製品になっていくのではないかなと思いました。

 最後に気になる所について触れましたが8万円を切る価格でこれだけ高性能なロボット掃除機が使えると考えれば、費用対効果は抜群に高いと思います。とにかく筆者のような面倒くさがりで掃除機を掛けることすら面倒に感じるものぐさ人間には最高の製品です。ロボット掃除機と聞くとどうしても「ル」から始まる製品を思い浮かべがちですが、購入を検討する際に、選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

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