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最強の調理家電ホットクックは最弱のIoT家電?

 さて、先日ホットクックを手に入れました。使ってみると意外と面白かったのでレビューしていきます。

ホットクックとは

 シャープが販売する自動調理鍋「ホットクック」。食べたい料理の具材と調味料を鍋に入れてスイッチを押すだけで美味しい料理が出来上がる素晴らしい道具です。

 低温調理の代名詞、ローストビーフはもちろん、蒸し物や焼き物、カレーやシチューなど、火加減やかき混ぜが面倒な調理も自動でホットクックが火加減を調整し、かき混ぜて作ってくれます。本当に具材を入れてほったらかしでOK、というわけです。

 普段から自炊は好きで、よくするのですが煮込み系は火加減を見たり、かき混ぜる必要があり、その間キッチンから離れられなかったり、通話をしていて吹きこぼれに気づかなかったり、とやや非効率だな~~と思っていました。

 でもホットクックなら、材料切って入れて終わりだからその時間で別の作業やゲームが進められる!と、時間を効率的に使えるわけです。

本体デザインは「ザ・日本」

 外観を軽く紹介します。見た目はいかにも日本メーカーの家電という印象が強いです。

 バルミューダのようなオシャレさはアリませんが、実用性重視ということでしょう。操作はホットクックからする必要があります。IoT(無線LAN)機能はありますが、無いに等しいです。詳しくは後述。

調理機能は最高

 手始めに、低温調理を行ってみました。ガス火を用いるコンロで低温調理を行う場合、通常なら火から目を離すことができず、近くでちらちら気にかける必要があります。

 しかし、ホットクックなら、低温調理したい温度、時間を設定して蓋を閉めれば完了!あとは出来たら声でお知らせしてくれます。

 もちろん電気で調理するので、火事になる心配もなく、調理中はこたつでパソコンを広げて作業をしたり、ゲームをしたり、スーパーにお酒を買いに行ったり……と効率的に行動できます。

 例えばカレー。カレーといえば野菜を切って炒めて煮込んで……と定番のレシピが主流だと思います。ホットクックでは、オシャレなカレーを簡単につくれるレシピが公開されています。材料さえ揃えてしまえば簡単に作れます。

アプリはブラウザベース。

 今回は実際にカレーを作ってみました。材料はこちら。水を使わない話題の無水カレーというやつですね。

 作り方もかんたんです。先程のメニューの具材を上から順に入れていくだけです。カレールーは適当に業務スーパーで購入したもの。あとは蓋を締めて、メニューを選んで終わり。あとは外出するなり、長風呂するなり、仕事を片付けるなり自由に過ごすだけです。

 カレーを作るので苦労するのは煮込む時間。本来ならば、焦げ付かないよう長時間かき混ぜる必要がありますが、ホットクックは不要です。このような混ぜ技ユニットを使うことで、必要なときだけかき混ぜ、終わると自動で格納するユニットが備わっています。

 はい、ということで僕がお風呂に入ってKindle Oasisで漫画を読んでいる間に晩ごはんは完成しました。料理が苦手という人にもオススメできるかもしれません。

 他にも。出汁がしみるまで時間のかかるおでんもホットクックなら大根やこんにゃくなど好きな具材を入れ、インスタントのおでんの素を入れて放置でOK。コンビニおでんよりリーズナブルでたくさん食べれます。

 食べきれず残した場合も安心です。炊飯器のような釜になっているので、取り出し付属品の蓋をすれば冷蔵庫でそのまま保存も可能です。そして蓋を外し、釜をホットクックに戻せば温め直しが可能です。もちろんほったらかしでOK。

 調理は基本的にホットクックに登録されているレシピを選びますが、もちろん手動で使うことも可能です。例えば強火で5分混ぜる、60℃で1時間低温調理することも可能です。先日は卵が余ったので茶碗蒸しに挑戦してみましたが、そのときは弱火で10分加熱して出来ました。更には低温調理機能を生かしてローストビーフやサラダチキンなどを作ることもできちゃいます。

 唯一、調理で注意してほしいポイントとしては、ホットクックに圧力調理機能はないです。

もったいなすぎ。IoT(無線LAN)機能は「最低」

 ホットクックには無線LAN機能が搭載されたモデルがあります。ネットワークに接続することで、様々なことができる……と表記されており、きっと色々できるんだろうなあ……と期待していましたが、期待したのが間違いでした。

アプリの出来が最悪

 レシピを見たりやホットクックをコントロールするアプリ、COCORO KITCHENというアプリがあります。このアプリ、インストールして最初の画面何が表示されたと思いますか?答えはサービス終了のお知らせです。

 というのも、シャープでアプリを一本化するようです。一つのアプリでシャープの家電を一括コントロールできるCOCORO HOMEに移行するよう促されます。きっと強制的に移行されるくらいだからアプリの出来に自信があるんだろうな、と思いましたがこのCOCORO HOMEが史上最悪の出来です。

 改めて言いますがこれはネットワークから家電をコントロールするアプリです。このようなアプリは第一にコントロール画面が表示されるはずです。なぜならユーザーの大半はコントロールすることを目的で開くからです。

 しかしCOCORO HOMEでは最初にタイムラインが表示されます。調理履歴や調理の進行状況など確認できるのかと思いきや、まさかの広告。そして自社製品のAQUOSスマートフォンの紹介やマスクの紹介など。

 そしてホットクックで作れる美味しそうな料理がタイムラインで紹介されることもあります。「おっ、これ美味しそう。レシピは……」と開くとそれはヘルシオデリのページ。ヘルシオデリとは、シャープが運営するサービスで、調理材料や調味料をシャープが用意して配達するサービスです。つまり、これも広告なわけです。

 有益な情報として表示されるのは調理完了のお知らせ、メニューの送信が完了しました、この2つです。それ以外はノイズです

プッシュ通知の使い方が最悪

 このCOCORO HOMEはプッシュ通知を送ります。IoTのプッシュ通知ならきっと「調理が完了しました」や「予約調理がセットできました」などと思いますよね?残念ながら、そこまで気が利かないようです。

 実装されているのは、先程紹介したタイムラインの情報がプッシュ通知で来ます。そして最初に述べた調理完了の通知は実装されていません。この日は午後でこの無駄な通知5つを送ってきました。

 そしてこの通知は個別に制御することが出来ず、プッシュ通知をオンにするかオフにするかの2択。

 本来なら、広告はオフ、献立の情報はオンなど個別に制御できるのが望ましいと思います。

何ができる?

 さてこのCOCORO HOME、何ができるのか。ホットクック本体にメニューを送ることができる、予約調理を設定した時間を変更する……以上です

 メニューを送る機能は帰宅中の電車で「明日はコレ作ろう」とレシピを送信しておくと素早く調理できます。便利そうですよね。

 しかしこのメニューを送る機能もかなりお粗末で、調理が終わったあと「調理終了」のボタンを押さない限りメニューを送信できません。つまり、調理中、明日の献立をアプリで見ていて「明日はコレを作ろう」と思い送信しても、エラーが返ってきて指示を受け付けません

 また、夕食時に調理終了ボタンを押し忘れてしまい、そのまま食べ始めて、翌朝でかけてしまうとどうなるのか。調理終了ボタンを押していないので、メニューは送れません。必ず押す必要があります

動作状態が停止中になっている必要がある。

 いやいや、調理終了ボタンを押さないと保温が切れない炊飯器みたいな仕様なんでしょ?と思われますが、いいえ違います。予約調理や保温するを手動で選択しない限りは保温されません。本当に押さないと次に進まないのです。数時間経過したら自動で調理を終了したと判断するべきだと思います。

 唯一褒めれられるのは、予約調理を設定した時間を変更するは良いとおもいます。外出しててちょっと遅くなりそうなときは役立つでしょう。ただ、肉や魚などの生物を入れることが多いので全く活用できていません。

Google、Alexa、Clova対応(?)

 実はホットクックはGoogle AssistantとAmazon Alexa、LINE Clovaに対応しています。何ができるでしょうか?答えはオススメメニュー、献立相談、メニューのダウンロード……以上です

 せっかく音声アシスタントに対応しているなら、調理状況を見て「あと○○分延長」や「あと何分で完成?」などボタンを押さなくても良いようにすると、より楽なのにな……と思いました。

お手入れ

 調理は楽でも片付けが面倒ではちょっと使いたくなくなりますよね。ホットクックは炊飯器と似たような構造をしているので、基本は釜と蓋を洗えばOK。かき混ぜが必要な調理の場合は追加で混ぜ技ユニットを洗うだけ。洗いにくい形状に見えますが、普通に食器を洗う要領でスポンジでこすれば落ちます

 何より、調理時間で大きく短縮できているので、洗うのに多少時間がかかっても、問題ないかと思います。

 ただ、カレーのような匂いの強いものはいくら洗っても匂いが少し残りました。他の食べものに匂いは移らないので筆者はあまり気にしていませんが、気になる人は気になるかも。

調理は最高!IoTとしてはまだまだ……

 自炊界隈でホットクックの評価が高かったので気になっていましたが、使ってみて納得しました。これは確かに最高の調理家電ですね。一気に楽になります。また、ホットクックがあるから今まで作ったことのない料理にも挑戦してみたり、新しい扉が開けた気がします。

 しかし、売りの一つであるIoT機能は最低です。メニューをスマホから送れる、予約時間を変更できる程度でIoTを名乗るのはレベルが低いのではないかと思います。リビングのスマートスピーカーに調理状況を聞いて「残り○分です」や「予約時間を変更して」などできればパーフェクトだと思います。

 ただ、現状あのアプリの出来では到底そのレベルにたどり着けるとは思えません。シャープのエンジニアが本気で取り組めばできると思いますが、やらないのはおそらく「誰もこの機能のフィードバックを行ってないからではないか」と思います。筆者も執筆に辺り、「誰かこれを酷いと言っている人は他にいないのか」といくらか探しましたが、やはり調理に関してのみ触れ、IoT部分は一切触れていない提灯記事を載せている媒体ばかり。

 ホットクックはソフトウェア・アップデートが可能な仕様です。どうか、アップデートで改善することを祈っています。

シャープ 水なし自動調理鍋 1.6L レッド系SHARP ヘルシオホットクック KN-HW16F-R

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