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噂:不思議?グーグル独自SoC「Tensor」のCPU、最新コアと二世代前コアの「混在」かも

 Googleの次期フラッグシップ「Pixel 6 Pro」について先日、XDA-Developersの実機リークによりスペックや機能が判明したと伝えましたが、その続報としてGoogle独自のSoC「Tensor」の詳細な仕様も一部判明したことがわかりました。

 それによると、TensorのCPUは2.802GHzのCortex-X1が2つ、2.253GHzのCortex-A76が2つ、1.80GHzのCortex-A55が4つという構成。

 このデータは、カーネルが読み込むCPU情報が格納されている/proc/cpuinfoから発見されたため、偽装の可能性は非常に低いとのこと。また、端末上の他のデータが偽装されていたり難読化されていたりしていないため、Google自身が出力されるデータを改ざんしている可能性も低いとしています。

 このコア構成において奇妙なのが、世代の古いCortex-A76が採用されているという点。

 ArmベースSoCのCPUは通常、性能重視のコアと効率重視のコアを組み合わせ、いくつかのクラスタに分けることで様々なタスクに対応する設計となっており、例えばSnapdragon 888やExynos 2100は、Cortex-X1が1つ、Cortex-A78が2つ、Cortex-A55が4つという構成になっています。

 Tensorのコア構成をそれと比較すると、まず特徴的なのがCortex-X1を2つ搭載している点。Arm製コアの中でも新しく強力なX1を2つ搭載することで、より高い性能を実現するというのは理にかなっています。

 一方で、Cortex-A76はCortex-A78の2世代前の製品であり、A78のほうが電力、性能、面積などの点で大幅に優れているのにも関わらず、あえてA76を選択している理由がわからず困惑しているとXDA-Developersは述べています。

 ただ、性能については上記の指摘通りであるものの、電力や面積についてはプロセスルールなどの条件が同じであればCortex-A76のほうが優れています。

 特に、高性能な代わりに面積の大きいCortex-X1を2つも搭載していることから、それによるダイサイズの拡大を面積の小さいCortex-A76を採用することで抑え、歩留まり低下によるコスト上昇を防ぐ目的があるのではないかと筆者は推測しています。

 また、こうした構成にも関わらずPixel 6 ProのGeekbenchスコアがSnapdragon 888やExynos 2100を搭載した端末よりかなり低いことも議論を呼んでいます。

 しかし、シングルコアスコアの算出に用いられたコアが特定できず、その周波数もCortex-X1の最大周波数を大きく下回る2.15GHzに固定されていたことから、このスコアだけではPixel 6 Proの真の性能はわからないという結論に至ったとのこと。

 今回のリークの情報元は、ログに残ることを危惧したためかベンチマークアプリのインストールを拒んだものの、代わりにブラウザ上でのベンチマークを実行。

 結果は、JetStream 2のスコアが95.4、Speedometerのスコアが76.2というもの。Snapdragon 888を搭載したZenfone 8のスコアがそれぞれ102.9と80.3であることや、リリース前の端末での計測であることなどを考えると、なかなか悪くない結果のように思います。

 今回の情報が正しければ特徴的な構成になると思われるTensorですが、実使用にはどう活用されるのでしょうか?今秋の発表でそれが明らかになるのを楽しみに待ちたいところです。

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