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Windows 11の「Android」アプリをMacで動かす。使用感レビュー。

 なんか暇だな。そうだ、MacにWindows 11を入れよう!

 ……本当にこんなノリでやってみたら、実際にWindows 11どころか、開発段階のAndroidアプリ起動までできてしまったので、使用感をレビューしていきます。

 筆者の環境が、WIndows 11の動作推奨環境を全く満たしていないものだったため、Androidアプリの動作可能な環境を整えるのに結構時間がかかりました。

 ※今回行っているWindows 11やWindows Subsystem for Androidなどの導入は、筆者の自己責任の下、Microsoftが示している推奨環境を大きく逸脱して行っているものであり、最悪デバイス破損の可能性があります。真似しないでください。

Windows Subsystem for Androidとは

 Windows Subsystem for Android(以下WSA)は、Windows 11に新たに追加される予定の新機能です。

 WSAを使うと、BlueStacksなど他のAndroidエミュレータを使用しなくても、Windows上でAndroidアプリを動作させることができます。Windows 11の注目機能の一つとして発表されたものの、正式リリース時は利用不可。最近になり、米国のWindows Insider Programユーザー向けにベータ版の提供が開始され、利用可能になりました。

環境

 筆者がWindows 11をインストールした環境は、2015年製造のMacBook 12インチ、Intel Core M-5Y71搭載モデルです。

 Windows 11の最低要件では、TPM(セキュリティーチップ)2.0を搭載し、Intel製CPUの場合第7世代以上のものであることが推奨されています。システム要件だけ見ると、どちらも満たしていません。

macOS Mountreyからアップデート対象外になるほど、古い。

Androidアプリを動かしてみた結果

非推奨デバイスでは動作する?しない?

 導入した結果、動作は少し遅いものの、Windows 11ないしAndroidアプリは問題なく動作しました。モバイルPC向けCPUでこれだけ動きますから、第4・5世代の上位CPUであれば、もっとサクサク動くのではないかと思います。

 Amazon AppStoreにあったゲーム「Subway Surf」を起動するとこんな感じ。キャプチャソフトを起動すると安定しなくなるため直撮影しましたが、普通にヌルヌル動いてびっくり。他のAndroidエミュレートアプリと比較しても動作が軽く、思っていたよりも実用的で驚きました。

パフォーマンス

 Twitter使用時の、CPU使用率はご覧の通り。アイドル時は安定しています。しかし、スクロールすると使用率が高くなり、動作が少し不安定になります。ただ、これはキャプチャソフトを動かしている状態。通常動作時は、CPU使用率はもう少し落ち着いています。また、複数アプリを同時起動しても、特に動作に問題は生じませんでした。

アプリ数は非力も、APKファイルで解決

 WSAをインストールすると、自動でAmazon AppStoreが追加されます。筆者の環境では、Amazon AppStoreにはゲームしか表示されない状態。通常のAndroid版Amazon AppStoreよりさらに少ない数のゲームしかありません。

 しかし、WSAはAPKファイルによるサイドロードも可能な親切設計。Amazon AppStoreに表示されなかったTwitterやInstagramも導入することができました。ただし、動かなかったり、挙動がおかしいアプリもいくつかありました。

縦横比

 使用していて、縦横比の最適化がまだ曖昧な感じがしました。アプリによっては縦横比が固定されていますし、Firefoxは何故か横画面表示で固定。パソコンのスペックにもよるかもしれませんが、縦横比変更後の最適化もワンテンポ遅れる感じでした。

Googleアプリの動作

 WSAには、Google Playストアはもちろんのこと、YouTubeやGmailなどのGoogle製アプリを利用するために必要なGMS(Google Mobile Service)がありません。そのため、通常の状態では、Google Play開発者サービス必須アプリの利用は不可。

総評

 実際に使用してみて、比較的低いスペックのパソコンであっても、多少ラグはあるものの問題なく動作したことにとても驚きました。動作非推奨環境のデバイス、しかもmacOSのBootCampで動作したということは、他の比較的古いパソコンであっても、動作する可能性は高そうに見えます。

 ただ、使用しているうちに疑問点も。そこまで入れたいアプリがないのです。

 人によってどうしてもパソコンで動かしたいアプリがあるかもしれませんが、iPhoneユーザーの場合、Androidでしか動かないアプリも少なからずあるわけですから、はっきり需要がないとは言い切れません。ですが、よく考えると、「スマホで足りてしまう」「スマホの方が楽」「スマホの方が早い」んですよね。

 それに加え、LINEにはPC版が用意されていますし、TwitterはEdgeやChromeで見れます。InstagramもまもなくWebからの投稿に対応しますし、音楽を聴きたくなった時には、PC版のSpotifyがちゃんと用意されています。これらのことを踏まえると、少し重いWSAを使ってAndroidアプリを動かすメリットが少ないようにも感じてしまいました。

 国内での正式公開がいつになるかはまだ不明ですが、利用可能になった際には、一般にどんな用途で使用されるのかがきになるところです。

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