トリニティ株式会社は、ウェアラブル端末wearaの開発中止を発表しました。
企画から4年、正式発表から2年以上の製品でありながら、発表後COVID-19感染拡大があり遅延が生じ、ここにきて開発中止の決断がくだされたことになります。
開発中止の理由として、ハードウェア、ファームウェア、アプリ、クラウドシステムの開発に失敗したことを挙げています。
wearaの開発委託先は台湾や大陸の会社。1社目は倒産、2社目は財務と技術に問題、3社目でも結果としては製品化できなかったとのこと。
ハードウェアについては素晴らしいデザインとコンセプトを作っていただいたのにもかかわらず、満足いく仕上がりにすることができず、何度も金型を作り直すも、筐体設計として完成することができませんでした。
ファームウェアについては、大部分はできていたものの、いくつかのコアとなる部分で私たちの基準を満たしませんでした。一方、開発会社は精度よりもできているかできていないかの方が重要だということになり、信条がまったく折り合わない状況となってしまいました。
アプリ・クラウドシステムについても、日本と中国のフリーランスエンジニアやインドのオフショア開発、日本の開発会社に引き継がれていきつつも、技術的理由と開発体制の問題により、クォリティを担保することができるという確信に至ることができませんでした。
ベータテストを行ない、上がってきた問題についてはほとんど解決できたものの、私が販売しても良いと思うところまで辿り着くことができませんでした。
星川代表の製品への強いこだわり、高い要求品質を満たせなかった事情が伺えます。やはり一度発表まではこぎつけた製品だけに、残念な結果に終わってしまいました。次こそはこだわりと製品化の折衷に期待したいところです。
トリニティはWindows 10 Mobile搭載スマートフォンNuAns NEOや、公開市場向けSIMフリーモデルで弱小企業でもFeliCa搭載を実現できることを示したNuAns NEO[Reloaded]を発売した実績があります。