他のARグラスに無い新機能搭載、Magic Leap 2を海外媒体が触れる すまほん!!

 Scott Stein氏によるMagic Leap社のARグラス、「Magic Leap 2」のハンズオンレビューです。

 今年末までにリリースが予定されているMagic Leap 2ですが、Magic Leap社の新CEOで元Microsoft社ビジネス開発部門の副社長であるPeggy Johnson氏によって「HoloLens」に近いアプローチが取られ、より実用的なARグラスとして開発。

 丸メガネ型のグラスが腰に装着するAMDベースのプロセッサを収めた筐体に繋がっており、頭部を覆うベルトが回されています。駆動音は大きいようです。Johnson氏によると先代のNVIDIAベースのチップセットよりも高速とのこと。さらに無線式の手持ち式コントローラーが付属します。

 Qualcommの開発中のモデルの様なスマホ接続型ではありませんが、臀部に装着するパックに接続されています。視野角はより広くなっており全体的にアップグレード感あり。

 レンズから覗いたときにサングラスの様に視界を薄暗くする調光機能があり、他のARグラスに無い特徴となっています。

 3Dデモの感想としては視野角が広いため、移動しながらでも部屋の壁まで常に捉えることができるとのこと。テーブルの上を覗きながらでも壁に表示されているコンテンツを視野に入れることができます。視野角の広さでは他社のARデバイスより優れており、これは視野角が大きな弱点でARエフェクトが見えたり消えたりしてしまっていた先代から大きな改善。

Magic Leap 1との視野の比較

 この調光機能はスライダーで明度を調節でき、薄暗い程度から真っ暗まで調整可能です。これは視野全体を暗くするのではなくARではない部分を選択的に暗くするもので、ARコンテンツをより見えやすくしたりする用途に使用可能。

 2つ目のデモでは巨大な3Dの時計が宙を浮いており、周りが急に暗くなり時計の周りに後光が刺して現実世界の視野から完璧に分離する形になっています。時計の後ろ側に人が立ってもグラスを装着している人には見えませんでした。ARビジョンを現実のオブジェクトの後ろに配置する技術はこれまでもありましたが、その逆ができるのはこれが初めてとなります。

 この機能は使用環境の明るさに関係なくバーチャルのインターフェースや物体を見やすくしたり、余計な視野を排除して集中するための意図で搭載されています。Magic Leap 2はエンタープライズまたはトレーニング用なので非エンタメですが、Johnson氏によると将来的にはライブなどのエンタメ分野にも拡大する可能性はあるとのこと。

 最後のデモは3Dオーディオ機能のデモ。バーチャルのマネキン人形が周囲に発生し、話しかけてきて3D音響を確認できるというものになっています。周囲で複数人が会話していても、3D音響のため位置を特定しやすくなっています。デモ中にアラート音が聞こえ、振り返ってみるとバーチャルの矢印が3Dのエンジンのような物体を指していました。これは音声もAR経験の一部であるという意味で、Metaなど他社もARオーディオ機能として検討していたものでした。

 Magic Leap 2は先代よりだいぶ小さくHoloLens 2よりもコンパクトですが、腰に装着される大きなプロセッサが必要になります。あまり装着感が自然なものとは言えませんが、これは「視界用PC」というコンセプトのため他のARグラスより大きくなってしまうのは仕方ない模様。多くのVR/ARグラスはスマホベースのチップセットである「Snapdragon XR2」を使用しており、AMDの様な高処理のものではありません。

 コントローラーは片手使用を前提としタッチパッド、トリガー、バイブレーション機能が搭載されています。本格的なVRコントローラーというよりは簡易的なマウスとして使用するもので、初代の磁気による位置特定ではなくコントローラー自体にカメラが付いていることでより正確なトラッキングを可能にしています。Johnson氏によるとコントローラーを使用すれば手や目でのトラッキングより正確になるとのこと。

 眼鏡を着用しながらの使用は不可能で、代わりに度数調整用のスライドがグラスに搭載されています。目の悪いユーザーはそちらを使用するかコンタクトレンズを着用するしかないようです。レンズが目に近接していることは広い視野角を得るには必須条件で、根本的な改善は難しそうです。

 OSはMagic Leap社独自ではなくAndroid Open Sourceベースとのこと。3Dモデルを共有するなどの形でスマホと連携は可能だそうです。

 価格は公表されていませんが、初代より高価になることは間違いないと思われます。またビジネス用途のデバイスであることも考えるとHoloLens 2よりも高価になる可能性が高く、そうなると3000ドルは超えてくるでしょう。

 Magic Leap 2は製造業や医薬など狭いターゲティングを意図しており、これはいずれAR技術が進歩し腰にプロセッサボックスなどを付けなくてもよいより小さな製品ができるまでのテストフィールドとして使用する為と考えられます。 

 総評として、Stein氏は「VRデバイスは日常に普及してきましたがARはまだです。Magic Leap 2はそれへ向けたワンステップとなるでしょう。」と語っています。