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「単体販売拒否」「回線契約しないと値引きしない」。分離違反の販売、量販店に集中か

 2022年3月14日、総務省が開催した第26回競争ルールの検証に関するWGで、総務省情報提供窓口に寄せられている電気通信事業法第27条の3関係の通報の状況が公開されています。

 改正電気通信事業法で導入された完全分離。携帯販売では「移動機物品購入」と呼ばれる端末の単体購入が定められました。この単体購入と、回線契約者向けの価格の差額は税別2万円までと定められています。

 回線契約者向けに値引きをしているのに、単体購入との価格の差額が2万円以上あったり、そもそも単体購入できないようにしていると、電気通信事業法第27条の3に抵触します。

 ところが情報提供窓口に寄せられた通報701件中、394件が「端末単体販売拒否」「利益提供の超過疑義」といった違反だったとのこと。

 過去6ヶ月間のキャリアごとの違反では、NTTドコモが62件、KDDIが130件、ソフトバンクが139件、楽天モバイルが3件、キャリア不明が18件。

 店舗属性だとキャリアショップが126件、量販店が185件。実際の店舗数を考えると、母数が少ない量販店の方が問題が起きやすいことが推定されます。

 特に在庫があると言われたのに、在庫がないなどと言われて端末単体販売を拒否された、2万円を超過する値引きを端末単体には適用できないと言われるなどの違反事例が相次いでいるようです。

 なぜ違反事例が続いているのでしょうか。根本的に携帯ショップ、家電量販店の携帯コーナーというのは基本的に携帯キャリアから収入を得て販売代理店が経営しています。端末単体販売では収益が上がらず、安売り可能な商材は極力MNPなどの回線契約に繋げたい事情があります。

 今回、適合性の原則関係で代理店関係者から総務省窓口に寄せられた「キャリアから求められるポートイン評価指標が高くなっている。達成しないとショップに入る支援費が減ってしまう。ショップの運営を継続するには、利用者ニーズを逸脱した提案をせざるを得ない」との声にもあるように、キャリアが作った携帯販売のビジネスモデルが時代に合わせて構造転換できていない様子が伺えます。

 総務省はこうした違反事例について、携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口のフォームから通報するよう呼びかけています。

情報元総務省
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