Lenovoは、世界初の折りたたみPC「ThinkPad X1 Fold」の新世代モデルを発表しました。名前は変わりませんが、本体構造やスペックなどは大幅進歩を遂げています。
パフォーマンス
新生ThinkPad X1 Foldは、CPUに第12世代Core i5・i7を採用。現行ThinkPad X1 Foldでは、ギーク向けという側面が非常に強かった「Lakefield」世代を搭載。同世代はギーク向け、エンスージアスト向けといった側面が大きいもので、第12世代Coreでは多くが採用している高性能なPコアと電力効率に優れたEコアをいち早く搭載していましたが、性能は著しく低いものでした。
一方で新生モデルでは、定格での消費電力が最も低く抑えられているモデルが採用されているとはいえ性能は十分。高いセキュリティを実現するvPro対応CPUであることに加え、9時間以上のバッテリー持ちや超迅速なスリープからの復帰、Thunderbolt 4対応などが必要なIntel Evo認証を取得。実用性は飛躍的に向上したといえます。
メモリは最大32GBのLPDDR5、ストレージは最大1TBのPCIe Gen 4。拡張性は乏しいどころか皆無なため、購入するなら余裕をもったストレージを選択したいところ。
ディスプレイ
肝心のディスプレイは大型化。ベゼルレス化も果たしているようです。現行では13.3インチだったのに対して、今回は16.3インチにまで拡大。DCI-P3カバー率は95%から100%に、最大輝度は300nitsから600nitsへと向上。クリエイター用途でも持ち運び用途でも、確実に磨きがかかっています。
ディスプレイは1枚で、専用のキーボードを画面半分に置けば12インチ相当に、展開して机上に置けば16インチとして作業できます。当然ながらタッチ操作に対応し、加えてWacom互換のペンに対応します。
カメラ・バッテリーなど
そのほか、カメラは500万画素に加え、顔認証に用いるIRセンサも搭載。また、指紋認証をキーボードに配置しています。
バッテリーは48Whrで、オプションで16Whr追加できるとのこと。USB Type-C端子を用いた65Wでの充電に対応し、30分で4時間駆動できるぶんだけ充電することができます。
端子はThunderbolt 4対応のUSB Type-Cが2基、USB Type-C 3.2 Gen 2が1基にNano-SIM。Wi-FI 6EやBluetooth 5.2に対応するほか、オプションで5G Sub6に対応します。
横にした時の本体サイズは高さ276.2mm、幅345.7mmで、厚みは8.6mm。折り畳んだ時は幅が176.4mmへと半減。厚みは17.4mmとなります。重量は1.2kgで、手に持った状態で使うのは少しキツいかもしれません。
現行モデルは折り畳み時に隙間ができる構造になっており、その間に専用キーボードを保管しておくことでその印象を緩和していましたが、今回はヒンジの改良が行われ、画面がピッタリ閉じるように。代わりにキーボードは本体背面にくっつけることができるようです。
アメリカでは第四四半期に販売を開始し、価格は2499ドル、日本円にして34万8000円。先代から据え置きですが、Lenovo直販サイトではこの定価で売られることはあまりありません。日本での展開は不明ですが、現行モデルは直販サイトやSoftBankで販売されていたため、可能性はありそうです。