かつては世界の工場と言われていた中国ですが、情勢不安やアメリカの対中制裁などにより、近年は生産拠点を中国国外に移す動きが見られています。
Appleも例外ではないようで、今後数年のうちに中国への依存を可能な限り減らす方針であるようです。Phone Arenaが伝えました。
情報源はApple関連に詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏。同氏はApple未発表製品のロードマップなどを正確に予測することに定評があり、情報には高い信憑性が持てます。
同氏によれば、Appleは今後3年から5年以内に、まず米国へ出荷するすべての製品の生産元を中国以外に移すとのこと。Appleのアメリカにおける売り上げは世界全体の3割近くであるとのこと。同社にとって一大プロジェクトとなるのは必至ですが、米中関係の悪化による関税引き上げといった不安要素を回避できるという恩恵が見込めます。
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3. In the medium term (within 3-5 years), at least the US market (~25-30%+ of global shipments) can be supplied by assembly sites located in non-China to reduce potential impacts from political risks (e.g., US-China tariffs).— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) October 11, 2022
ただし、中国で一切生産しない、というわけではないようで、中国の消費者には中国の生産ラインで製造したものを提供するとのこと。地産地消ですね。
なお、Kuo氏やロイター通信は、インドの巨大財閥であるタタグループが、iPhoneの組み立てを担うサプライヤーであるWistronもしくはPegatronと連携し製品組み立て事業に参入することを計画しているとされています。現地にAppleの要求を満たすサプライチェーンがあるかどうかといった問題は残りますが、インド以外にもメキシコやベトナムでも生産することを検討しているようです。