Googleは、同社初のスマートウォッチである「Pixel Watch」を発表しました。サイトには「Help by Google. Health by Fitbit.」とあるように、Googleが昨年買収したスマートウォッチメーカーのFitbitの技術を盛り込んだスマートウォッチとなっており、競合と劣らない健康管理機能を提供します。
フィットネス
Pixel Watchは心拍センサーや血中酸素センサー、電気センサーなどを備え、心拍の変動はもちろん、呼吸数や安静時心拍数、睡眠時間やスコアの計測、ストレスマネジメントスコアなどに対応。さらに転倒を検出し通報できる機能も今冬より対応予定。
多くの機能はFitbit製スマートウォッチで対応していたものであり、より詳細な分析などを閲覧するには「Fitbit Premium」の契約が必要ですが、購入後6か月は無料で利用できます。なおFitbit Premiumの価格は月額640円/年間6400円。
ディスプレイ
ディスプレイは丸みを帯びた形状であり、最大輝度はApple Watch Series8までと同じ1000nits。強い日差しの中でも利用できます。
5ATM相当の耐水性をアピールし、画面には傷がつきにくいとしています。しかしGalaxy Watchシリーズであれば盛り上がったベゼルが画面を保護する役割を果たしていましたが、Pixel Watchの画面はドーム型で保護してくれるものがないため、私としてはエッジディスプレイ搭載スマホと同様に、傷や画面割れがむしろ起こりそうに思えてしまいます。
ソフトウェア
プリインストールOSはWearOS 3.5。もちろんGoogleマップによる道案内や専用Playストアなどが利用でき、Voice MatchによるGoogleアシスタントの起動も可能。マイクとスピーカーももちろん備えているため、スマホに触れずに通話することもできます。
またFeliCaに対応、Suicaに対応しています。
対応するスマートフォンはAndroid 8.0以降のデバイスであり、iPhoneでは利用不可。Wi-Fiモデルの他にLTEに対応したモデルが用意されますが、日本で利用できるのは現状KDDIとSoftBankのみとなるようです。
パフォーマンス
バッテリー駆動時間は最大24時間と、Galaxy Watchシリーズなどと比べれば物足りない印象は否めません。充電には一端がUSB Type-C端子である専用の磁気ケーブルを用い、充電速度は30分で50%を謳います。
懸念すべきは処理性能。Samsungのウェアラブル端末向けSoCであるExynos 9110を搭載しているようですが、このSoCは初代Galaxy WatchからGalaxy Watch3までに搭載されていたかなり古いSoCであり、製造プロセスも10nm。
Galaxy Watch4/5に搭載されている5nmプロセス製造の「Exynos W920」は、先代に当たるExynos 9110と比較してCPU性能が20%、GPU性能が10倍になっていると謳うため、処理性能にはやや不安が残ります。
デザイン
Pixel Watch本体の色はCahmpagne Gold、Matte Black、Polished Silverの3色で、バンド種類により4種類のモデルが用意されます。また、バンドは2通りのサイズが同梱されているようです。
すでに素材別に5種類の別売りバンドが純正品として用意されており、バリエーションは実に16製品。別途メタルバンドも来春発売予定。純正でここまで豊富なバンドを用意するのは魅力的です。
価格
価格はWi-Fiモデルが3万9800円、LTEモデルで4万7800円から。米国ではそれぞれ349ドル、399ドルであり、単純にレートを算出すると1ドル=110円後半という価格設定。今夏のPixel 6aもそうでしたが、どこかの果実企業とはあまりにも異なり日本ユーザーのおサイフにかなり優しい姿勢を貫いています。
そのほか、純正バンドの価格は6300円から。充電ケーブルは3800円とあまり安くはありません。やや気になる点はあるものの、かなり魅力的なデバイスです。