ソニーグループとホンダが折半出資で設立したソニー・ホンダモビリティ(SHM)は、ラスベガスで開催中の「CES 2023」にて、電気自動車ブランドの「AFEELA」を発表しました。
「AFEELA(アフィーラ)」は感じる(FEEL)に由来するといい、人が自動車を知性を持つ存在として”感じる”ことや、IT技術を用いて人と社会を”感じる”といった関係性を表現しているとのこと。
AFEELAは提供価値のコンセプトにAutonomy:自律性、Augmentation:拡張性、Affinity:親和性の頭文字を取った「3A」を掲げています。
あわせて、CES会場ではプロトタイプもお披露目。Sonyは3年前のCES 2020で「VISION-S」という試作車を披露しましたが、今回のプロトタイプではその雰囲気を残しながら、集中を逸らさぬよう極限までシンプルなインテリアを実現。外観も先進的な印象を与えながら、かなり丸みを帯びた印象を受けます。
ダッシュボードはHonda eをほうふつとさせる全面ディスプレイで覆われており、サイドミラーもデジタル。後部座席には2枚のディスプレイが備わります。Media Barと称する機能もあるようで、「知性を持ったモビリティ」が自らの意思を外の人に表現することが可能になった、といいます。
ホンダはすでに自動運転機能レベル3を実現した「LEGEND」を販売していましたが(2022年1月生産終了済)、ソニーの優れたセンシング技術を用い、より高いレベルの安全性能の追及が期待できます。
プロトタイプでは45個のセンサー・カメラを搭載。SoCにはQualcomm製のSnapdragon Digital Chassisを採用予定であるとし、Qualcommとは次世代のモビリティ体験の実現に向け、戦略的なパートナーシップを築くとのこと。
AFEELA初の量産車は2025年前半からの先行受注と同年中の発売を予定しているといい、翌年春にまずは北米からデリバリーを行う予定とのこと。
このプロトタイプを見たとき、ぶっちゃけ「高そ~~~~~」以外の感想が出てきませんでした。ただでさえ電気自動車というだけでバッテリー等々のコストがかさみ、内燃機関車より安くすることができない中、全面サンルーフやAWD(4輪駆動)、複数枚のタッチディスプレイにデジタルミラーなど、コストのかかる機能をこれでもかと詰め込んでいます。
ホンダのスポーティー寄りな電動軽自動車の「Honda e」が小売価格500万円弱、テスラModel 3では、先にあげたものの中でサンルーフ以外が装備されていませんが、それでも最も安い構成で600万弱。仮にこのプロトタイプがそのまま販売された場合、底値はこれらより圧倒的に高くなることはまず間違いないでしょうが、コンセプト段階では高い理想を示しておいて、いざ完成すれば角が取れて大人しくなるパターンはありますし(e.g. スズキ キザシ)、まだ手が届かないものとあきらめるのは早いかもしれません。