Androidを搭載したカーナビゲーションを多数販売するATOTO様より、ポータブルナビのP9を提供していただきました。レビューしていきます。
開封
まずはカーナビ本体から。本体は保護フィルムでしっかり覆われています。 多少の傷はありますが、保護フィルムを剥がせば問題ありません。
背面です。電源を供給するコネクタは一体型で外すことはできません。USB Type-Cポートが2つありますが、片方はバックカメラ、もう片方は有線接続によるCarPlayやAndroid Autoを使うためのポートです。電源はメインの端子から供給する必要があります。
そして下部にはなんと、SIMカードを挿入する箇所があります。そして次にはメディアを入れて再生することができる、microSDスロット、マイク用の3.5mmジャックがあります。
SIMなんてそうそう余ってないし、カーナビのために用意できないよ……そう筆者も思っていました。箱を漁るとなんと、試用版のSIMカードが付属していました。これで試して良ければ契約、不要であればテザリング、と考えることができます。
そしてこちらが付属品。もう何から語ればいいのか、というくらい充実しています。ざっくり紹介すると車の電源と接続用のヒューズ、スマホを有線接続するためのアダプタ、AUXケーブル、ステアリングリモコン、卓上スタンド、シガーソケット変換などなど。ヒューズは3タイプのものが用意されて様々な車に取り付けが可能です。
車に常設する人にはヒューズに繋いで、直接電源供給ができるケーブルが付属しています。電源は常時供給とアクセサリー電源の2つを供給する必要があり、常時電源を繋ぐことで起動時間が2秒になるとのこと。シガーソケットによりこちらの方がメリットが多いですね。
そして筆者のように車は所持していないが、レンタカーやカーシェアで使う、という人にはシガーソケットで電源供給を行うアダプターも用意されています。シガーソケットの左側USB Type-C端子が独自方式のようで、これによりシガーソケットからオーディオ信号を出力したりできるようです。
注意点ですが、本機はこのアダプターの左側の端子を使用して電源を供給しなければ使用することができません。通常のUSB PDとは異なる仕様のため、汎用品は使用できない点にご注意ください。

5.6V 3.5Aって何?
ダッシュボードにしっかり固定する粘着テープはもちろん、一時的に使うための吸盤タイプも用意されています。
本体に取付けるときは横からスライドするだけ。取り付けが簡単すぎる分、ちょっと路面の荒い場所では外れてしまうのでは?とやや心配でもあります。
本機にはツルツルとサラサラの2枚の保護フィルムが付属しています。めっちゃいいじゃん!と思ったのですが貼ってみるとディスプレイ全体を覆う仕様ではなく、画面のサイズジャストのものが同梱されていました。これはなかなか貼る難易度が高いです、

ほっとけば気泡は抜けます
起動
UIもろともカーナビとして使いやすいようかなりカスタマイズされているようで、通常のAndroidとは大きく異なることが、本媒体の読者なら理解できるかと思います。
まず、通常下部にあるべきボタンが左上に来ています。そもそも最近のデバイスではジェスチャー操作がスタンダートな故、筆者は大きく戸惑ってしまいました。右上側から下へスワイプすると通知センターが表示されます。それ以外はほとんと普通のAndroidと大差ありません。
ドロワーにはGoogleアプリは最小限になっており、ナビゲーションに特化していることがよくわかります。
2ページ目にはPlayストアもあり、好きなAndroid対応アプリをインストールすることができました。
使ってみた
ということで筆者は車を所有していないのでレンタカーでつかってみました。設置してます気付いたのが輝度の高さ。外光があるにもかかわらずしっかり見えます。というのもそれもそのはず。まさかのQLED搭載という驚き。2万円台でいいんですかね?
吸盤型のホルダーは、接地面が粘着状になっており、吸着性を向上させています。とはいえ、のりのようなものが残るわけでもない、着脱もしっかり考慮されているようです。
まずは定番のCarPlay。CarPlayは一度繋ぐとP9の電源を入れるだけですぐつながります。自分で普段使っているスマホをそのまま使えるので非常に便利です。
しかし本機はAndroid搭載。そもそもCarPlayやAndroid Autoなんかはいらないんです。アプリはPlayストアからインストールすることができ、自由にアプリを入れることができます。YouTubeやSpotify、Yahooカーナビもインストールすることができます。
筆者が運転する時によく使うYahooカーナビを入れてみました。CarPlayと違い、直接アプリを使えるので、操作性は最高。特にYahooカーナビはCarPlay時には安全上の理由で、地図上にピンを立てたり、検索して複数ルートを見たりすることができないので、圧倒的にこちらにアドバンテージがあります。
もちろんGoogleマップも使えます。GoogleマップもUIはタブレット向けのものが表示されるので視認性も抜群。
アプリは分割表示にも対応しているので、お気に入りの音楽アプリとマップアプリを同時に使うこともOK。
アプリ単体で使えばタブレットと同等のUIなのが非常に嬉しいです。

筆者が最近ハマっているきゅーすとを再生。
本機はカーナビということもあり位置情報測位システムとしてGPSとGLONASSが利用できます。どうやらみちびき(QZSS)は非対応のようです。
個人的にいい!と思ったのがBluetoothが2つ搭載されていること。何に使う?と思われるかもしれませんが、本機の音を車の車載機器に飛ばせるということ。これは車にBluetoothを接続できる環境はあるが、ナビまたはディスプレイオーディオがないという人に非常に魅力的です。
どういうことか。まずCarPlayを始めるとCarPlay先のデバイスがオーディオの出力先になります。しかしそうなると、P9から音楽がながれてしまい、車載のスピーカーは使えない、残念なことになります。ではどうやって車載のスピーカーに繋ぐか。
P9では大体のデバイスは有線ケーブルによる接続か、FMトランスミッターによる車載への接続か、CarPlayを繋ぎつつ、オーディオは車載のBluetoothに繋ぐ、という複雑な方法が通常の選択肢になります。
有線で繋ぐ場合は車載にAUX入力があれば問題ありませんが,最近の車ではBluetoothが当たり前になり、ない車も多くなって来ました。FMトランスミッターは干渉や音質の悪さなどデメリットが多いです。そして最後の接続方法は非常に面倒くさいということ。

P9ではいろんな出力方法が用意されており、アプリかウィジェットから簡単に変更できる。
しかし、本機であればP9のBluetooth 2を車載のBluetoothに繋ぎ、Bluetooth 1でCarPlay接続を行うと、そのまま音が車載へ流れる、というわけです。そのため他のユーザーが使うときでも、P9にペアリングしてしまえば車載に接続する手間がはぶけて、高音質で音楽を楽しむことができるというわけです。
そしてステアリングリモコンが付属なのも嬉しいです。これはP9にペアリングされており、ボタン電池で駆動します。 ダイヤルを回転することでボリューム調節、中央で再生停止、左右で曲の戻る進む、上でミュート、そしてボタンを長押しでスリープ、短押しで特定のアプリを起動することができます。これにより、運転中でも助手席の人が操作してマップに戻してくれない!ときに画面を触れることなく操作することができます。
起動するアプリは設定で自由に選ぶことができ、後から自分で追加したアプリももちろん選択できます。
モバイルネットワークも試してみたのですが、付属のSIMカードをいれてアクティベートを行ったのですが、うまく使えず。今回は断念することにしました。ちなみにちゃんと使えるSIMカードを入れるとテザリングもできるので、車内が簡易的なWi-Fiスポットにすることもできます。
注意点
全体的に非常に良いのですが、注意点として2つ紹介します。
レスポンスは価格相応
操作感は1万〜2万円で販売されているAndroidタブレットとおなじくらいです。たまにカクツキがあったり、やや待つことはあり、ハイエンド端末にしか触れてない人だとややストレスがたまるかもしれません。
Androidバージョンの古さ
本機はAndroid 10を搭載しており、PixelではAndroid 16がリリースされている現状を考慮すると、やや古くアプリが非対応になっていくのではないか?というのが心配です。
ボリュームボタンは物理キーが欲しい
初めて触った時に「ボリュームはどうやって変えるんだ!?」と困惑しました。一通りみてもボリュームボタンが一切見当たらないのです。触って気づいたのですが、ディスプレイ右上のボリュームボタンをタップすると中央にゲージが出てきて変更する、という非常にストレスでした。
他方法としてはステアリングリモコンを使う、という手もありますが使わない場合にはちょっと不便だなあと思いました。
総評
初めてのディスプレイオーディオ、古いナビを入れかえる選択肢としては非常にアリだと思います。SIMカードまたはテザリングであれば単体でOK、スマホをワイヤレスで繋いでCarPlay/Android Autoとして使うも良し。アプリは足せるので、可能性が非常に広がるデバイスです。地図だけ使うならIIJで1番安いSIMカード契約して突っ込んでおくのも良さそうです。
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