世界初、Matterにて赤外線ブリッジ対応!
7月4日にNature社から発売されたNature Remo nanoを購入しました。レビューします。
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開封
パッケージは非常にコンパクトで最小限です。説明書すらなく、箱が説明書の役割を担っています。
本体とご対面。付属品もなし。そのため、電源用のUSBケーブルやACアダプタなどは別途用意する必要があります。
端子は当然、USB Type-Cです。令和のデバイスなら当たり前ですね。
筆者は初代のNature Remoを2018年から使用しており、6年目に突入したところ。全くノートラブルで活躍してくれており、2代目・3代目が発売されど買い替えることはありませんでしたが、Matter対応となれば買いたくなるのは必然。
搭載されているセンサー類などの違いはあれど、6年の進化を感じるこのサイズ感の違い。圧倒的に小さくなりました。
背面には、はじめましてのMatterロゴと11桁の番号及びQRコードがあります。画像は一部加工してあります。ご了承ください。
セットアップ
筆者も初めてのMatterデバイスということもあり、挙動が気になるところ。筆者の家にはHomekit、Google Assistant、Amazon Alexaの3環境においてすべてMatterを対応する準備は整えており、どのような挙動をしたか、紹介していきます。
まずNature Remo nanoの電源を入れた瞬間に真っ先に反応したのはAmazon Alexaを搭載するEcho Show 5。メールにて「所有しているデバイスがAlexaに接続できるようになりました」と飛んできました。その他Apple、Googleデバイスは反応せず。
初手でiPhoneのホームアプリで登録できるのか、と試してみましたがこちらはやはり不可の模様。Matterはメーカーごとのアプリが不要で利用できるのも1つのメリットですが、ブリッジデバイスとなればそれはやや異なるようです。
説明通りNature Remoアプリを経由してセットアップを行います。すでにNature Remoを使用したことがある人は新しいRemoを追加するで新しいデバイスのセットアップを開始できます。
近くにあるRemo nanoが検出できればOK。そのまま進めればあっという間に登録が完了します。
すると、初回アップデートの案内があるのでアップデートを開始します。
Matterによる連携を試す
本製品の目玉機能、Matterを試していきます。どうやらRemo nanoのMatterは割と曲者のようで、すこーし工夫が必要なようです。
ホームアプリ
まずはAppleデバイスで使えるホームに登録していきます。登録するにはまずNature Remoアプリを開き、右上の設定→自分のHome→Remo nano→Matter連携をするをタップしペアリングを開始するをタップします。すると以下の画面が表示されるのでこの間にホームアプリに移動します。
ホームアプリを開き、左上のアクセサリを追加をタップし、その他のオプションを選択します。QRコードではセットアップできないようなので要注意。
すると無名のデバイスが表示されるのでこれをタップ。
タップすると設定コードの入力を求められるのでRemo nano背面にある11桁の番号を入力します。ちなみにカメラで読み取るを押しても読み取れません。
指示どおりに進めると先程アプリで登録した家電がそのまま追加されていきますので続けるを押していきます。
Google Home
Google Homeアプリを起動し、デバイスのセットアップから新しいデバイスをタップ。
おそらく検出されないので、一度Nature Remoアプリに戻り、ホームアプリセットアップで行ったMatter連携するからペアリングをタップし、Google Homeアプリへ戻ります。その後Matter対応デバイスを選択します。
するとコード入力を求められるのでRemo nano背面の11桁の数字を入力し次へ。
同意し、続けると次のポップアップが表示されるのでAllowを押して進めます。
するとホームアプリのアクセサリが表示されるので、Google Homeに追加をタップ。
これでGoogle HomeにもRemo nanoを追加できました。iPhoneのGoogle Homeアプリを使うとこの挙動になるようです。
Amazon Alexa
Amazon Alexaの場合、Alexaアプリを立ち上げると既にNature Remo nanoが検出されているかと思います。
検出されていない場合はデバイスから右上の+ボタンでデバイスの追加から接続します。
おそらくここで検出できているかと思います。できていない場合は下へスクロールしてMatterを選択します。
するとデバイスのセットアップが始まります。QRを読み込むよう促されますがこれも無視してコードの手動入力を行います。そしてこの入力前にはGoogle Homeと同様にNature Remoアプリからペアリングモードにしておきます。
コードを入力するとデバイスに接続中になります。
うまくいきませんでした。
作業しているiPhoneが悪いのか?と思い、Pixel Tabletで試したものの変わらず。
実はAppleのホームアプリにもペアリングモードが存在します。このペアリングモードをオンにすると毎回変動する11桁の数字を表示されます。もしかしてこの数字を入力すればいいのか?と思い入力してみました。
すると2回のコード入力を求められる今までとは違う動きになりました。そしてホームアプリからAmazon Alexaに追加されましたと今までとは完全に異なる挙動!これはいけたのでは……?と思いましたがだめでした。何がだめなんでしょうか。Matterに詳しい方がいらしたらご教示ください。
その後ホームアプリを確認するもやはりAlexaに接続できているとの表示が現れますが、Alexaアプリを見ても接続できますの表示に変化なし。うーん。
要点まとめ
Remo nanoを使ってみて思った要点をまとめます。
良いポイント
Remo nanoのオススメできるポイントとしてMatter対応の赤外線ブリッジハブということ。これは競合のSwitchbotでも実現していない(かつSwitchbotのMatter対応はベータ版のため不完全である)ので非常にポイントが高いです。
Matter対応の良いところはサーバーが使用不可でも使用できる、ということです。従来のスマートホームのハブはユーザーが音声アシスタントまたはスマートフォンアプリから電源をオンにする、という指示を出した場合一度サーバーに指示がいき、その応答があり家電を制御する、といったシステムでした。過去にあったのはAWSのトラブルでSwitchbotのサーバーにアクセスできなくなり、一時的に使えなくなったということでした。
しかしMatter対応であればこのようなサーバーを介さず、ローカルネットワーク内で完結することもでき、トラブルがぐっと減ります。
それでいて価格が3980円と非常にリーズナブル。これからスマートホームを構築したい、という人にはものすごく魅力的な価格です。これ1つあれば従来の赤外線で制御できるデバイスはすべて制御できるわけです。
残念なポイント
センサー類が省かれているということです。従来のNature Remoシリーズには温湿度センサーやタッチセンサー、照度センサーなど(モデルに依り異なる)が搭載されており、それらの情報をスマートフォンのアプリや音声アシスタントからアクセスすることが可能でした。
これの何が良いか、というと例えばエアコンの温度を調節するときに「室温が26度を超えたらエアコンを24度にする」「照度センサーの値が低くなったら電気をつける」といった、センサーの値をもとにしたトリガーを設定できないということです。トリガーが設定できればもう人がコントロールする必要がなく、自動で動かすことができます。考えることなく、人が生活しやすい環境を構築させることができるのです。
しかし、 Remo nanoに搭載されているセンサーは赤外線と初期設定用のBluetooth LEのみ。その代償としてホームアプリでエアコンを制御しようとすると常時0度表示になります。下の画像は左下の0度表示のエアコンががNature Remo nano、右上の25度の室温表示が初代Nature Remo(Homebridgeにて動作させてます)です。視覚的にみても右上のほうが優れているのは明らかですよね。
またMatterで制御できるデバイスは3台までに制限されています。家電が少ない場合は問題ありませんが、多くのデバイスを制御しようと考えている方は要注意です。
総評
これからスマートホームを始めるなら間違いなく買い。ただ既に別の赤外線ブリッジデバイスを所有しているのであればハイエンドモデルのMatter対応モデル登場を待つべし。
価格や機能面、使用感で分かったのはこれは明らかにエントリーモデルということです。今までヘビーに使用してきたユーザーは「Matter対応」が必須条件でなければ買う必要はないです。特に筆者のようにHomebridge(これに関しては近日記事を公開します)でコントロールしているユーザーの場合は買うに値しません。初代でOKです。
かくいう筆者もRemo nanoを使ったあと、初代のNature Remoに設定を戻しました。Remo nanoはバックアップとしてのMatter動作用として残してあります。
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