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Googleアシスタントの「品質低下」が深刻化。Geminiの登場でそっちのけ?

 GMS(Google Mobile Services)を搭載したほとんどのAndroid端末に搭載されているGoogleアシスタント。2016年に発表されて以降、Google関連製品の中心機能の一つとして、スマートフォンからスマートスピーカーなど多くのユーザーに重宝されてきました。Google Nest Hubを使用する筆者もその恩恵を受ける一人です。

 しかし、Geminiの登場により、Googleアシスタントへの信頼性は少しずつ崩壊しているのかもしれません。

 Google関連の情報に詳しい9to5Googleは、「Googleアシスタントが積極的に劣化しようとしている」とした上で、Googleアシスタントが崩壊しつつある現状について2つの事例を挙げて紹介しています。

 まず、Google TVについて。Amazonは先日、同社が開発するFire TVの一部ユーザーに対して、独自のLLMを用いたAI検索機能の提供を開始しました。AI検索では、探したいコンテンツの場面やセリフなどの抽象的なワードでも目的のコンテンツを簡単に検索できます。

 Googleアシスタントは、何年も前から同様の機能を提供中。今現在も利用できるものの、9to5Googleは、以前よりも検索結果の質が低下していると指摘しています。同誌がChromecastのGoogleアシスタントで検索を行ったところ、いくつかはGoogle TV上の正しいコンテンツを表示しました。一方で、複数のワードではYouTubeに飛ばされたりGoogleの検索結果に飛ばされたりなど、一貫性がなかったとのこと。

 さらに、Google Nest Hubのユーザー体験にも影響が。9to5Googleの記者、Ben Schoon氏は、数年前から「Hey Google、おやすみ」のトリガーで、複数のルーティンを設定していたとのこと。これまでは正常に動作していたものの、数ヶ月前からほぼ毎晩アラームをセットする時間を尋ねられるようになり、時間を伝えてもアラームが設定されなくなったため、ルーティンからアラーム機能を削除したといいます。

 そのほか、ルーティンに設定していたデバイス操作も安定した動作をしなくなり、朝起きるとライトが消えていなかったり、音楽のスリープタイマーが機能しなくなったことを報告しています。これらの問題は、Redditのスレッドでも度々議論されており、Ben Schoon氏の環境固有の問題ではないと考えられます。

 すでに一部のAndroid端末では、デジタルアシスタントとしてGoogleアシスタントだけでなくGeminiを選択できるようになっています。Geminiは、情報をまとめる能力は優れている一方で、間違った情報を伝えやすく、Googleアシスタントほど簡潔な情報を提供できないのが現状。アシスタントの性能を最大限高めるためには、GoogleアシスタントとGeminiを組み合わせて利用することが肝要。

 例えば、音楽を再生する、照明をオンにする、など、これまでのGoogleアシスタントでカバーできた部分は、AI使って処理する必要はありません。一方で、「雨の日におすすめのアクティビティ」など複雑な質問の場合にのみGeminiに質問を引き継ぐことができれば、安定した操作や応答を得ることができます。

 激しい競争を繰り広げるAI市場の渦中にいるGoogle。他社との差別化を図るためにも、GoogleアシスタントとGeminiが今後も共存し続けるとは考えにくいのが現状です。Geminiが双方の利点をいいとこ取りしたアシスタントになるためには、まだまだ時間がかかりそうです。

情報元9to5Google
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