1秒で即解錠、「帰宅」をアップデートせよ!
SwitchBotより先日発表された「SwitchBot ロックUltra」と、シリーズ初の顔認証と交通系ICによる開錠にも対応した「SwitchBot 顔認証パッド」を提供していただきました。実際に試した動画等も挙げつつレビューしていきます。
Index
外観&デザインチェック。旗艦製品にふさわしい仕上げ
まずは本体。SwitchBot ロックUltraのほうはアルミ調の丸っこいデザインで、本体の厚みがロック Proと比較しておよそ半分に収まっているようで、張り出しを抑え後付け感を軽減しています。シリーズ最上位にふさわしい全方位アップグレードで、性能・利便性・デザインの三拍子がProを大きく上回ります。
本体色はブラックとシルバーがありますが、今回提供されたのはブラック。触れるとひんやり冷たいアルミ合金仕立てで、安っぽさは感じません。
本体以外に同梱されているのは充電ケーブル、メインバッテリー、本体の仮止め位置を残しておくマークシート、小さなサムターン用のサムターンホルダーに木目調シール、そしてこの写真には含まれていませんがドアが閉まっているかどうかを検出するための磁石です。メインバッテリーに加えて予備セルまで初期搭載されており、残量ゼロでも最大5回動かせる「微電流解錠」まで備える三重の電源セーフティネットが心強いところ。
木目調シールは電池カバーに貼り付け、ドアになじませることができるようです。筆者宅のドアにはどの色にも合わなかったので、シールを付けず運用します。
ロックUltraのカバーは日本初をアピールするマグネット式。マグネット式とは言っても、取り外すにはスライドしてから引っ張るような動きをする必要があり、あんまり「マグネットで固定してる」感はありません。とはいえ力も要らず簡単に開けられます。
カバーを開ける用途は基本的にはバッテリーの充電程度。しかもそのバッテリーも最長で1年間も持つらしいので、マグネットによる恩恵を受けられることはそこまで多くありません。良いことではありますけど。
カバーを開けると、メインバッテリーを装着するスペースと、ねじ止めで緊急用のリチウム電池が格納されている場所が目に入ります。当然ですが、メインバッテリーはピッタリ嵌まります。バッテリーそのものはUSB Type-Cで充電できますね。他モデルでは単三電池か別売りのバッテリーを購入する必要がありましたが、ロックUltraでは最初からバッテリー付属です。
次に顔認証パッド。顔認証機能が付加されたことにより、これまでの指紋認証パッドなどのモデルと比べて幅が2倍近くデカくなっています。
その分キーパッドは数字部分が3列×3行と0という見慣れた配列になり、0が下部ではなく右側にある点を除けば直感的に分かりやすくなっています。
付属品は取り付けるためのプレートとナナメに設置するための角度調節用の台、そして粘着テープとネジなど。筆者の場合はシンプルに粘着テープで取り付け、また角度調節台も用いないため、ほとんどの付属品は使いません。
本体底部にはゴム栓で充電用のType-Cポートが隠されています。はい、バッテリー式ですね。こちらも、これまでのSwitchBotの認証パッドがリチウム電池の交換式だったことを考えると、大幅な進化です。それどころかプレートから取り外さず直接充電することも、一度取り外してから部屋内で充電することも可能。その取り外しは、本体右側面の取り外し穴にて行います。詳しくはセットアップの項目にて。
ラクラク取り付け!ロックUltra&顔認証パッドの導入
早速取り付けに掛かります。まずはロックUltraから。
筆者の家の場合、サムターンがドアノブのほうについているいわゆるプッシュプル錠であり、周囲に本体を接着できるスペースがないため、高さ調節用のアタッチメントを別途購入する必要があります。

SwitchBot ロックUltra用高さ調整プレート
アタッチメントの装着にはねじ止めが必要。高さ調節用アタッチメントに付属のドライバーを使って固定してください。筆者はその存在に気付かず、ひとつネジがなめてしまいました。
本当は見栄え的に下向きに設置したかったのですが、嵩上げ用の台がドアノブに干渉してしまうため右向きに配置。まずは両面テープを剥がさず、ドアに押し付けた状態で本体のダイヤルを回転させ、滑らかに動くことを確認したのちにU字型のマークシートをドアに貼り付け、場所を残しておきます。背面の両面テープを剥がし、くっつけたらしばらく押し込み、しっかり接着させたらOKです。がたつきもなく結構安定している印象です。
なお、高さ調節用アタッチメントが不要な場合であれば、仮止め状態でサムターンを滑らかに回転させることができるかを検証したのち、粘着テープで張り付けるだけなのでかなりラク。ロックUltraは本体側のロックを回す機構の奥にバネが入っており、高さの違いを吸収します。

オレンジの部分がへこむようになっており、ドアから直接飛び出ているようなタイプのサムターンならすっぽり覆ってしまう
また、サムターンの中には回転軸が中央ではないものも多いようですが、こちらも工具を使わずに調整可能。高さ調整用のアタッチメントを除けば、ドライバーを一切使わずに設置できます。
ちなみに、既存のロック Proやロックとは多少取り付け方法が異なります。これらの製品はサムターンを回す用のパーツをカギに取り付けてから本体を装着します。筆者は所持していませんが、公式取付動画などを参照したところ、あきらかにロックUltraのほうが簡単に取り付けられている印象を受けます。
さて、これで取り付けは完了。今度はアプリで設定を行います。と言ってもそんなに難しいことはありません。電源を入れた状態でSwitchBotアプリを起動し、デバイスの追加から「ロックUltra」を選択、後は指示に従っていくだけ。簡単です。
このセットアップで、どの状態で施錠されてどの状態で開錠されるというものを手動か自動で記録します。この自動校正機能もロックUltraが初出の機能です。
自動記録だとTHE 電子音といった感じの軽快なメヌエットを流しながらカチャカチャと元気よくサムターンを回します。見てて楽しいですね。なお以下の動画は、筆者がシングルロック状態で自動校正の動画を撮影するのを忘れてしまったため、ロックUltra2台が奏でるメヌエット×2バージョンでお送りします。
あとは、ドアそのものが開いているかどうかを確認するための磁石をドア枠に貼り付け、完了。磁石のサイズがかなり小さく、ドアに取り付けるタイミングまでその存在に気づいていませんでした。
お次は顔認証パッド。こちらは仕組み上セットアップはロックよりも断然シンプル。取付用プレートをネジで固定するか両面テープで固定するかを選べます。筆者は両面テープで取り付けるので、プレートにテープをそのまま貼り付けます。
両面テープでの設置は表面に凹凸の多い素材、木材等には非推奨。購入前に貼れそうな場所を見繕っておくほうがいいでしょう。もちろん、賃貸等原状回復が必要な物件はそれも注意が必要です。筆者はガラス面に取り付けたので、オーナーに迷惑を掛けるような事態にはならないでしょう。
右側に丸い穴が来るように取り付けます。この向きには要注意です。これで本体背面の電源を付け、プレートに対して左から右へスライドするようにはめ込み、カチッと音がしたら完了。
あえて詳しくは触れませんが、プレートからいたずらで取り外すことは簡単にはできないようになっているものの、方法さえ知っていれば非常に簡単。一応取り外しアラートなるものはありますが、実効性のほどは分かりません。
顔認証パッドもアプリでのセットアップは至極簡単。すでに登録しているスマートロックがあれば、それと接続するよう案内が表示されます。
なお、初期セットアップ時の指紋認証やICカードの登録は部屋内でやっておくことをお勧めします。これから暑くなる屋外に立ってわざわざポチポチ設定する必要性は薄いです。ただし、顔認証はちゃんとプレートに取り付けた状態で行うほうがよいでしょう。
レスポンスの早さが最高。使用感レビュー
一週間ほど使ってみての感想をいくつか書きます。
まず「スマートロック」というくくりそのものに対する感想ですが、やはり非常に良いという一言に尽きます。念のためを考慮して鍵は必ずカバンに忍ばせていますが、ポケットなりカバンの中を探して取り出して開錠する……というわずらわしさが大幅に削減されます。
また締め出しのリスクがないことは否めませんが、自動施錠も便利。外出時・帰宅時ともに施錠作業が要らなくなるという意味で、人間の負担を大きく低減します。これはスマートロックというよりオートロックのメリットですね。
ロックUltra: 爆速解錠と気の利いた機能が便利
次にSwitchBot ロックUltraについて。筆者は後付けのスマートロックはこの製品が初めてなので他と比べてどう、ということは言えませんが、開錠時の速度がめちゃくちゃスピーディーなことは実感しました。公称では先代ロック Pro比で78.6%高速化し、FastUnlock技術のおかげで実測も1秒を切るほど――まさに「1秒で即解錠」というコピーは伊達ではありません。
公式は開錠スピードがロックProと比較して78%アップしたとアピールしていますが、世に出ているロックProのレビュー動画と比較してみると確かに結構早い。開錠の速度はサムターンの回しやすさにも拠るのかもしれませんが、レスポンスの良さは使い心地に直結するので、ここは非常に良いポイントではないかと思います。
動作音はそこそこ元気ではありますが、帰宅時など外から聞く分にはあまり気になるものではありません。また、ベータ版ではあるものの回転速度を変更できる機能も搭載。初期設定では昼間は高速モード、夜間は静音モードで動作します。さらに日本初搭載の「夜間モード」では回転速度を自動で落とし、深夜の帰宅でも静かに動作します。
それともう一点。こちらはロックUltraだからこそというものではなく、ロックProでも利用できる機能ですが、「クイックキー」と呼ばれる円形の巨大なボタンがとても便利。ここを軽く押し込むだけで開錠ないしは施錠が行われるので非常にスムーズ。指以外でもノールックで押せるので快適です。
かなり細かいところでいえば、ロックUltra限定のクイックキー外縁のLED、Status Ringもいい仕事してます。帰宅後ドアが閉まったらほんのり光るので、オートロックを有効にしていない場合、ドアを閉める必要があることを思い出させてくれます。
ちなみに、SwitchBot ハブ2などの一部ハブと連携させることにより、スマートホーム用の相互規格であるMatterとの連携も可能。これまで、筆者自身Matterの環境を整えられていないこともあり、わざわざ使用するメリットが分かりませんでした。しかし、Matterはローカルで動作するということに関連してか、SwitchBotアプリやSwitchBotのAPIを介したGoogle Homeからの操作よりもMatterを介した操作のほうが明らかに早いというポイントを発見。
とはいえクイックキーや顔認証パッドを用いずに、わざわざGoogle HomeやSwitchBotアプリから操作するシチュエーションそのものが現状あまりなく、しかもそういった場面はさほど応答速度を要求しない(例:外出先から施錠)ので、そこまで設定する旨みは無いかもしれません。まだSwitchBotとMatterの連携で出来ることも多くなさそうな様子ですし、少なくともGoogle Homeの表示ではMatterに登録したデバイスは重複して表示されてしまうので、人によっては邪魔に感じてしまう可能性すらありそうです。

ここでいう「Lock Ultra 96」と「ツインロック」は同一。
なお、締め出しリスクがあるためおススメはしませんが、認証パッドの類を付けずにロック(とハブ)だけで運用するならMatterを設定しても良いかもしれません。
顔認証パッド:赤外線顔認証の素早さを刮目せよ
最後に顔認証パッドについて。顔認証パッドとは名乗っているものの、パスワードに指紋認証にSuica・専用NFCカード、そして顔認証と大きく4種類の認証方法を備えているわけですが、これが本当に良い。とくに3D深度センサーを使った顔認証は後付けスマートロックとして世界初の採用で、写真や動画では突破できない高い信頼性を実現していると謳っている部分です。
公共の場でロック解除用のパスワードを入力するというのは好ましい行為ではありません。これは、ショルダーハッキング(のぞき見)で入力パターンを推測することができるため。
しかしSwitchBot 顔認証パッドはパスワード以外にも3種類の認証方法を備えているわけであり、上述のようにリスクがあり、かつシンプルに入力に手間がかかるパスワードを打ち込む機会はほとんどありません。
長期にわたって使い込めているわけではないので今後印象が変わる可能性はありますが、そもそも顔認証の精度と感度がかなり良好なので、今のところは指紋認証やパスワード入力をする機会はほとんどありません。またAndroidスマホで主流なカメラを用いたなんちゃって顔認証ではなく、Windows端末やiPhoneでおなじみの赤外線による認証なので、暗くても精度は良好。
さらに、SwitchBot製認証パッドとして初めてバッテリー駆動に対応。USB-Cポート経由でモバイルバッテリーから直接給電でき、玄関から外さずにそのまま充電できる運用のラクさも大幅に向上しました。
以下の動画はロックUltraと顔認証パッドでの実際の解錠の風景。顔認証パッド前に立ってからスムーズに認証が成功し、ほとんど間を置かずにカギが開きました。むしろ、今回の動画は少しだけ認証に時間がかかったほうですらあります。
今後使い込んでいくことで、マスクなりその他理由なりで顔認証が使えないパターンの時に、どれで開錠するかといったルーティーンが自分の中で形作られていきそうです。指紋認証のほうが早いのか、それともポケットにあるだろうスマホをかざすのが早いのか。どちらもパスワードを入力するのに比べれば認証時間は大差ないので、かなり贅沢な悩みです。
ただ一つだけ不満点をいうと、顔認証パッドには音声機能もありますが、これが結構しゃべりすぎという印象を受けます。
顔認証の際に「もう少し近づいてください」などと言うのは便利でありがたいものの、施錠開錠のたびに「ロックが開錠されました」「ロックが施錠されました」としゃべるのは鬱陶しいです。
2台連携のツインロック、特殊な筆者宅でもしっかり使えた
さて、ここからは上下のカギ両方にロックUltraを設置する「ツインロック」について紹介します。
そもそもツインロックのメリットは、単純に上下2つのカギを制御することで鍵開けに対する耐性が向上すること。シンプルに鍵開けにかかる時間が延びます。
そして筆者はレビューの際に、SwitchBot様に対して「ツインロックにさせてほしい」と依頼しました。これはセキュリティ面を気にしているから……ではなく、かなり特殊な筆者宅、あるいは似たような環境で安心してスマートロックが利用できるかの検証のため。
というのも、筆者宅のドアの鍵(YKK APスマートコントロールキー)はなかなか特殊な仕様で、カギを差し込むのではなくかざすことによって開くものとなっています。それだけであればよいのですが、かざすことによって2つの錠が一部連動して閉まるという仕様も。これは、上部錠を閉めた時に下部錠が自動で閉まるという動作で、後付けスマートロックを導入する上で締め出しのリスクも否定できないものになっています。この挙動は一度見ていただいたほうが簡単かも。
そんなこんなで、ちょっと特殊な筆者宅のドアに対してSwitchBot ロックUltraは正しく動作できるのかを検証しました。
それではツインロックのセットアップに取り掛かります。と言っても特に難しいことはありません。両方の鍵にロックUltraを取り付けたら、アプリからどちらかのロックUltraを選択し、「ツインロック設定」をタップ。登録している同じ種類のスマートロックが出てきますので、これをタップし、少し待って名前を付ければ自動でテストが開始し、これで終了。
以降、いわば1つのデバイスのように協調動作します。もちろん、どちらのロックUltraのクイックキーを押しても、ほぼ遅延なく同時に開閉します。
なお、以下の動画は夜間モードでの動作です。他の方のレビューでも言及がありますが、静音動作モードはある程度のところまでは静かに回転させようとするものの、力不足のせいか最後は少し音を出してしまう挙動となっています。現時点では回転速度の調整はベータ版なので、今後のバージョンアップに期待したいところです。
さて、ツインロックによって元のドアのシステムと両立できるかの検証です。もちろん設置時の位置決めが何よりも大事ですが、本来の鍵側での解錠操作時もちゃんと両方ともロックが解除され、ドアを開けることができました。施錠の場合も同様。
ただ検証を続ける中で「これってドア側の回転機構に負担がかかっているのではないか」と思い至りました。ドア側の機構はサムターンの回転を阻害するものを想定していないでしょう。スマートロックを取り付けた状態で本来の鍵などによる自動開閉を繰り返していれば、故障のリスクは高くなってしまいそう。
しかし言い換えれば、普段からスマートロック側で開閉を行えば、ドア側の機構にダメージが行くことはありません。後付けスマートロックはサムターンを回すための製品なのでその負荷は織り込み済みでしょうし、ドア側は単にサムターンを回しているだけなので駆動用のモーター等に別段負荷が行くことは考えづらいです。そういったことを念頭におく必要はありそうです。
もちろん、ツインロックはSwitchBot ロックシリーズ中で同じ製品が二つ必要なため、どうしてもコストが嵩んでしまいます。では筆者宅のようなドアの場合、ツインロックが必須かと言われればそうでもありません。
対処法は簡単で、鍵を一切使わないようにしつつ、下部錠にロックUltraをセッティングするというもの。下部錠を開閉しても上部錠は連動しない仕様のため、上部錠が施錠されないように鍵を使わないようにすれば問題なく利用できます。
逆に言えば、「外出時は鍵を使って施錠、帰宅時までに鍵を紛失してしまった」とか、「2人以上の家庭で、だれか1人が鍵で施錠してしまい、鍵を持たない他の人が帰宅した」場合などは締め出されてしまう可能性があります。
導入前に押さえる落とし穴、注意点
さて、ここでは感じたいくつかの注意点をお伝えします。
顔認証あるから不要?解錠に使えるNFCカード同梱なし
既存の指紋認証パッドから顔認証パッドに乗り換えようとするユーザーや、すでにSwitchBot製品を使っていて他人に勧める方などに影響のある話です。SwitchBot 指紋認証パッドには「SwitchBot カードキー」が1枚付属していますが、顔認証パッドでは同梱されません。
これは開錠手段が増えたことによって不要と判断されたためでしょうか?個人的にはこの同梱の取りやめをそこまで悲観する必要はないと思っています。交通系ICによる開錠に対応した新モデルの指紋認証パッドの時点で、カードキーに対する需要は激減しているためです。
ゲスい話、SwitchBotカード3枚1980円に対して、無記名Suicaの預り金は500円(返却手数料220円)、つまり500円あればとりあえずSuicaカードが手に入るので、今回登場した指紋認証パッド(Suicaタッチ)と顔認証パッドでは、もはやSuicaをSwitchBotカード代わりに使ってしまったほうが安上がりなのです。
SwitchBotカードはそもそも、ロックシリーズでの解錠以外には使えない製品でした。今後ロック製品の入れ替えによって、お役御免となる日も来るかもしれません。
ロック解錠用として使えるのはあくまで自社製品と交通系IC系のみ、Felica非搭載海外端末などに要注意
顔認証パッドおよび指紋認証パッド(Suica)で認証用として使えるNFCカード・デバイスは、純正の「SwitchBotカード」「SwitchBotスマートトラッカーカード」と、交通系ICカード、およびそのモバイル版のみ。
つまり、おサイフケータイに対応しない海外版Androidスマホやほとんどのスマートウォッチではタッチで開錠することはできません。ほかに販売されている「SwitchBot NFCカード」はNFCで認証しているんですけどね。
一方、面白いなと思うのは「SwitchBot スマートトラッカーカード」を鍵の代わりとして設定できるところ。
読んで字のごとくAirTagやTileといったなくしものトラッカーで、AppleのFind Myネットワークで動作するものですが、開錠に使えるだけでなくハブとBluetoothで連携することにより在宅・外出確認が行えるといいます。子供に持たせればカードを無くしてもFind Myにより探せますし、子供の大まかな位置情報も取得できるという一石何鳥か分からない機能も用意しているみたいです。
こういった豊富な製品を用意していることによる連携のメリットは、スマートロック業界における競合メーカーの製品にはなかなか出しえないものでしょう。
なお、SwitchBotアプリは一部スマートウォッチに採用されているWearOSでアプリを提供中。複数の電球をまとめる「グループ化」を設定しているのに個々の電球が表示されるなど粗削りな部分はままありますが、これを用いてロックを開錠することも可能ではあります。とはいえ顔認証パッドにおいては顔をちょっと動かして認証されるのを待ったほうが早いとは思いますが。
玄関でBluetooth迷子!?顔認証パッドに接続できない
これは筆者宅だけの問題かもしれません。SwitchBot 顔認証パッドを定位置、玄関ドアにつけている際、SwitchBotアプリから顔認証パッドの設定を開こうとしても高い確率で失敗します。
これは単にドアなどに阻まれ、Bluetoothが届いていないだけの可能性が高いです。実際、本来ならもっと離れてても聞こえるはずのBluetoothヘッドホンとPC・iPadの組み合わせも、家の外に出たあたりから急激に聞こえなくなります。
また、家の外から設定にアクセスするにはSwitchBot ハブシリーズかシーリングライトが必要ですが、それもうまく繋がっていないのか、出先からロックUltraは操作できるのに顔認証パッドは操作できない、という事象が発生します。
場所的に仕方のないことではあり、そもそも顔認証パッドに近づけば設定にアクセスできるのでそれで済む話ではありますが、例えば友人や親せきが訪ねてくるので期間限定で利用できるパスワードを急遽出先から追加する、ということができなくなってしまっています。こうなった場合、ハブを玄関に置くなりする必要があるかもしれません。
総評:これ以上をほとんど想像できない、ほぼ完璧なデバイス
スマホなり各種ガジェットなりを購入したり、特定のソフトウェアなどを使い始めたりした際、職業柄か「こうあればもっと便利なのに」といった感想が出るものですが、今回のSwitchBot ロックUltraと顔認証パッドは、今のところはほとんど不満らしい不満を感じないデバイスとなっていました。
ロックUltraも顔認証パッドも、シリーズ最廉価機種と比べれば大幅に高価ではありつつ、それに見合った商品価値があります。ロックUltraであれば取り付けの簡便さとバッテリー同梱、そして明らかに早い開錠スピード。顔認証パッドは現時点で唯一無二な「顔認証」という機能そのもの、そしてバッテリー内蔵と取り外しのしやすさといった点です。
現状「SwitchBot ロックPro」や「SwitchBot ロック」を使っている人に対して、わざわざ置き換えることを推奨するほどではありませんが、SwitchBot ロックUltraはこれからスマートロックを設置しようと検討している方には諸手を挙げておススメできる製品です。
それと、既に指紋認証パッドやキーパッドを使っているユーザーが顔認証パッドに乗り換えるのは全然アリですし、むしろおススメしたいレベル。それほどまでに顔認証の利便性は革命的であり、ぜひ試してみてほしいところです。
SwitchBot ロックUltraの価格は、公式EC直販での単体価格は2万2980円。5月16日までのセールにて15%オフの1万9533円にて購入可能。
顔認証パッドは1万6980円のところ同じく15%オフで1万4433円となっています。
またセットも用意されており、ロックUltraと顔認証パッドのセットは定価より4980円おトクな3万4980円、こちらもセールで15%オフ。2万9733円となっています。