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XREAL Eyeハンズオンレビュー。顔にカメラ、空間ディスプレイもより高次元に進化

 XREAL社が発表したARグラス「XREAL One」シリーズ用カメラデバイス「XREAL Eye」。発表会でいち早く試すことができました。

 まず、「XREAL Eye」を「XREAL One」に装着すると、その軽さに改めて驚かされます。Nreal Airが全く合わなかった筆者は、XREAL Oneの長時間使っていられる付け心地、装着感を高く評価しているのですが、今回発表されたXREAL Eyeはわずか1.35gという超小型軽量モジュール。

 なので、追加しても全く気にならないレベルで、引き続き長時間の使用でも負担は少なそうです。小型なのでデザインも損ないません。

 目玉は何といっても空間アンカー(6DoF)機能です。別売りのコンピューティングユニット「XREAL Beam Pro」と接続すると、周囲の景色を見ながら、ウィンドウや写真を空間上に展開できます。ウィンドウを掴んで空間内の好きな位置に移動させることも可能でした。

左:XREAL Beam Pro, 右:iPhone 16 Pro

 この空間アンカー機能は、従来の空間ディスプレイ機能を6DoFにすることが可能。たとえばNintendo Switchを接続し、とてつもなく大きなゲームプレイ画面を部屋に配置できます。

 これまでのXREAL EyeのないXREAL Oneは、3DoFで近くにウィンドウが出てくる感じでした。「140インチ台って宣伝文句は、流石に盛ってるわ」ってのが本音。

 ところが、XREAL EyeをつけたXREAL Oneでは、ウィンドウを近くに寄せたり、少し離れた場所に設置できるので、宣伝文句に近づいた感じがありますね。でっかいモニターを置いてる感じ。映画鑑賞やゲームプレイにおいて圧倒的な没入感を提供してくれるでしょう。

 ちなみに空間を設置したあと、回り込んで画面の裏を見ることも可能だったりします。画面は反転してますし、別に実用的な機能ではなく、「6DoFでAR/MRできるぜ!」っていう開発者の雄叫びと遊び心が反映されてる感じで、ちょっとだけ嬉しくなるおもしろポイントですね。

 さて、実用と言えば、MacBookとの接続。体験会ではMac miniが展示されていたほか、体験者のデバイスと接続可能だったので、実際に筆者のMacBook Proと接続してみました。

 これまでは頭のまわりにあったモニターを空間上に6DoFで固定できるので、首を振るだけではなく、前後に動いた時にも従来との変化があります。後ろに離れれば、画面全体が見え、前に近づけば、画面をより精細に閲覧できます。空間上のモニターが、より存在感を持ったというわけです。この前後の動きでモニターから離れたり近づけたりできるのは、とくにワイドスクリーンモードで威力を発揮しそうですね。

 なにより、ワイドモード含む固定モードの問題点は、IMUで位置を測定していた関係上、地磁気の影響を受けることです。また、電車や新幹線の移動中でもどんどん画面位置がズレます。ここにカメラによる周囲の画像認識の補正が加われば、そういった状況での使用感の改善が期待できます。ここは今後、実機を試していく中でチェックしてみたいポイントです。

 なお、XREAL Eyeは空間アンカー利用時に常時稼働するわけではないようです。利用者の頭が動かない静止状況に応じて、適宜稼働を停止。これによって消費電力を抑制し、全体の電力消費に占める3%ほどなのだとか。電力も供給する有線接続機器の電池駆動時間を無駄に消費しにくい工夫みたいですね。

 さて、カメラ撮影機能も試してみました。「XREAL One」の右のツルの上にあるショートカットボタンを短く押すと写真撮影、長押しすると動画撮影が開始されます。簡単に呼び出せて便利ですね。

 特に何も考えず、最初に撮った画像と動画でしかないので恐縮ですが、一応作例を筆者の端末に一部伝送できていたので、以下に貼っておきます。

 

 なお筆者はXREAL Oneのショートカットボタンに、ワイドモードや透過モードを割り当てていますので、カメラ用の機能を割り当ててしまうと、それらが簡単に呼び出せなくなってしまうなと悩んでいます。短押し・長押し以外にも、ダブルクリックやトリプルクリックにも機能を割り当て可能にするアップデートがくれば、こうした問題が解消できそうだと思いました。

 撮影時にはシャッター音と共にLEDインジケーターが点灯します。個人的にはシャッター音のような悪しき風習は不要だと思いますが、やはり海外でのGoogleグラスへの反応を踏まえると、少なくともLED点灯ぐらいは仕方ないのかもしれないと思います。デシベル規制があるわけでもないので可能な限り小音量であることは望んでいますが、普及がもはや不可逆であるスマホと違って「このジャンルが普及するかどうかの段階の製品」においては、ややコンサバな対応をしているのは理解できる部分もありますので、まずは今後を見守りたいところです。

 記録したデータはPCまたはスマホに有線接続時、グラス内の設定から伝送モードにすることで、ファイラー経由で簡単に取り出すことができました。自分の視点そのままを手軽に記録できるため、ライフログや作業記録など、様々な活用が期待できそうです。

 現在、収録可能な動画は30fps/60fpsで、最大60秒。SNS映えする刹那を切り取れる長さである、というのは理由の一つですが、やはり発熱の問題もあることからある程度の制限が必要であることや、4GBのグラスのストレージのうち2GB程度がシステムに占有されており、動画記録領域がそれほど多くはないことも背景にあります。個人的には60秒よりはもう少し長いと安心して使えるかなあと思いますが、今後のアップデートや新機種での進化に期待したいところです。

 両手を使っている状態でも、メガネから視界を録画できるので、いろんな撮影シーンで使えそうです。筆者は最新機器の取材時のハンズオンレビューでの写真・動画撮影に活用してみたいと考えています。ちなみに筆者は早速XREAL Eyeをお借りすることができたので、今後の様々な取材での活用にご期待下さい!

 XREAL EyeはAR/MR体験を向上させ、新たな撮影方法を模索できる魅力的な周辺機器と言えるでしょう。XRのために欲張るのではなく、まずは利用者が最も求めている基本機能である「空間ディスプレイとしての使い勝手」をXREAL Oneで確固たるものとした上で、XREAL EyeやBeam Proといった周辺機器を揃えることでXR体験を拡張する……という、一見飛び道具に見えてしっかりと地に足のついた製品であることに大きな好感が持てます。

 今後のアップデートや製品展開が大いに楽しみになる、超便利なワクワクガジェット。ぜひ皆さんも試してみてください!

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