中国の半導体メーカーSMIC(中芯国際集成電路製造)は、ファーウェイ向けにより強力なSoCを製造できる技術を持っている可能性があるものの、ファーウェイの支払うコストは莫大なものになると、DIGITIMES報道をもとにWCCF TECHが伝えました。
これは元TSMCの研究開発副社長、バーン・リン氏が台湾業界紙DIGITIMESに語ったところによるもの。
ファーウェイが5nm SoCを製造することは可能だが、既存のDUV装置を使用する場合は非常にコストがかかると述べています。
ファーウェイは米国の制裁を受けながらも、7nm Kirin 9000Sの量産を進めています。しかし、5nmシリコンを大量生産するには、DUV装置を使用して少なくとも4回のパターニングプロセスが必要で、時間とコストがかかるとのこと。
2024年の旗艦P70シリーズの開発が進んでいますが、使用するチップセットについてはまだ明らかとなってはいません。DUV装置上で7nmチップから5nmチップに引き寄せることは可能だが、ファーウェイにとって負担がかかるといいます。
米国はオランダの最先端機械メーカーASMLに、SMICなどの中国企業に7nmの閾値を突破するために必要なEUV装置を供給することを禁止しています。DUV装置を使用する場合、複数の露光中に精密な位置合わせが必要であり、必要時間が長く、位置ずれの発生が懸念されます。
つまり技術的に全く不可能というわけではないものの、全体の歩留まりが悪く、SMICのHuaweiへの請求額は莫大となると見込まれます。
以上、DIGITIMESの報道でした。仮に5nmプロセスのKirinを強行したとしても、HUAWEI P70シリーズの生産数が少量に留まるなどの影響が考えられそうです。