
25万個つくって、売上ゼロ?
NVIDIAが、中国市場向けAIチップ「H200」の生産を停止しました。Financial TimesとReutersが相次いで報じています。
TSMCでH200向けに確保していた製造能力は、次世代「Vera Rubin」向けへ振り替え済みとのこと。米中双方の規制や承認手続きが不透明で、中国での販売が事実上行き詰まっていることが背景です。
NVIDIAはすでに約25万個のH200を生産していますが、2月24日時点で中国顧客への販売実績はゼロ。CFOのコレット・クレス氏も「米政府が少量出荷を承認したが収益はなく、中国への輸入が認められるかも不明」と説明しています。
トランプ大統領は2025年12月にH200の対中販売を認める方針を表明し、売上の25%を米政府が受け取る枠組みを提示。2026年1月には正式手続きが整えられたものの、国務省などを含む審査で実務はもたついたようです。チップが安全保障上問題のある用途に転用される懸念が根底にあります。
「ファブレス」のNVIDIAはチップの設計のみを担い、製造はTSMCに委託しています。「製造能力を振り替える」とは、TSMCの生産ラインをH200からVera Rubinに切り替えるという意味です。
中国側でも1月、税関当局がH200の通関を認めないよう現場に指示。ただ月末にはByteDance・Alibaba・Tencentの3社に計40万個超の購入を条件付きで認めたとも伝えられ、全面禁止とまでは言い切れない状況です。Huaweiの「Ascend 910C」など国産半導体の採用を後押ししたい思惑が中国側にはありそうです。
NVIDIAはH200向け製造能力をVera Rubin向けへ振り替えました。情勢が変わって供給網を再配分・増強する場合は最大3か月かかるとのこと。次世代AIプラットフォームのRubinは2026年1月のCESで披露されており、年内の投入が見込まれています。3月末から4月初めのトランプ・習近平会談では輸出規制を巡る駆け引きにも注目が集まります。米中の規制が二重に作用する構図の中、NVIDIAの中国事業は大きな転換点を迎えています。




















