Nvidiaが2015年にリリースし、2017年・2019年・2021年と4世代にわたり展開されてきた「NVIDIA Shield TV」。Android TV OS搭載のクラウドゲーミング用セットトップボックスとして今でも一定の人気がある本機ですが、先日10月8日に1年以上ぶりとなるアップデートが降ってきています。
同機は2022年11月に「Shield Experience 9.1.1」としてアップグレードが行われ、2023年7月に1度ホットフィックスがリリースされていました。しかしそれ以来音沙汰がなく、2年おきに行われていた新モデルのリリースも見送り。このままサポート終了かと思われた最中「2番目のホットフィックス」として1年と3か月ぶりにアップデートが公開された形です。
今回のアップデート(33.2.0.252)の内容については以下の通り。Nvidiaの公式フォーラムにて公開されています。
- マッチフレームレート(ベータ版)の強化
- SHIELDドライブがいっぱいになる問題を解決
- ヘッドセットがコントローラーに接続され、DAPがオンになっているときにオーディオが聞こえない問題を解決
- 起動後にGeforceがクラッシュする問題を解決
- ファクトリーリセットでHDMI 1.4フラグをクリアできるようになりました
- RGB 8-bit Rec.709」表示モードでのビデオ歪みを修正
- ホットプラグ後にUSB HDD/フラッシュドライブが破損して表示される問題を解決
- NASフォルダ情報が0Bと表示され、実際の容量が表示されない
- アップグレード後にマウントされたストレージが一覧表示されない
- DRMアプリがクラッシュすることがあった問題を修正
ホットフィックスであることからもわかる通り、基本的にはバージョン9.1.1で確認されていたバグ類の修正が主な内容。一方で、ベータ版として公開されていたマッチフレームレート(ディスプレイのリフレッシュレートにコンテンツのフレームレートを合わせる試験機能)を強化する等、一部意欲的な改善も見せています。
Nvidia Shield TVは、最新の4世代目から数えてもすでに発売から3年以上が経過。OSバージョンもAndroid11でストップしており、現行がAndroid15であることを考えるとずいぶん古い機種であることは否めません。それでも、まだ一定数いるユーザーのことを考えアップデートを提供し続けるNvidiaのその姿勢は、素直に称賛に値するでしょう。
初代Shield TVにいたってはもうすぐ10年になろうとしているのに、ハード・ソフトが新しいモデルとほぼ変わっていないおかげで今回のアップデートも対応していますし、まだまだ現役で使うことができます。
ただしOSバージョンに変更はないため、アプリ開発者がバージョンで足切りした場合には利用に支障が出てくる場合もありそうです。
SoCを見ると2015年・2017年版は「Tegra X1」、2019年・2021年版にはそれ以上の「Tegra X1+」と、セットトップボックスの有名どころであるFire TV Stick等と比較しても上等なスペックを誇る本機。メジャーアップデートなり新ラインナップの追加なり、今後動きが見られることを期待したいところです。