
米最高裁判所は2026年3月2日、AI生成アートの著作権登録を巡る訴訟の上告を受理しない決定を出しました。「人間の著作者が存在しない作品は登録できない」とした下級審の判断が、事実上確定した格好です。
訴訟を起こしたのはコンピュータ科学者のStephen Thaler氏。AIシステム「Creativity Machine」が自律的に生成した画像「A Recent Entrance to Paradise」の著作権登録を申請したものの、米著作権局は「人間の著作者が必要」として拒否。連邦地裁(2023年)、控訴裁(2025年)も同局の判断を支持しました。

A Recent Entrance to Paradise 画像出典:urbasm.com
Thaler氏は「著作権法は人間の著作を明示的には要件としていない」と主張して最高裁に上告しましたが、受理されませんでした。
なお、今回のニュースを「AI生成画像は著作権登録できない」と誤読する人も少なからずいるようです。
しかし、あくまで人間不在でAIに自律的に作らせて「AIを著作者とすること」が否定されたに過ぎず、AI活用作品を一律に排除するものではありません。
たとえば米著作権局が2025年1月に公表した報告書では、プロンプト入力だけでは著作者と認めにくい一方、人間がAIを「道具」として使い表現に実質的に関与した場合は保護の余地があるとしています。AIを創作に用いる人は、人間がどう表現に関与したかを説明できるようにしておくことがますます重要になってくるかもしれませんね。
英国でもThaler氏が関わる特許訴訟でAIを発明者と認めない判断が出ており、米英日で「人間以外を権利の主体にするのは難しい」という方向性は一致しているように見えます。




















