
歴史的な転換点?
米メディアのThe Informationは、NVIDIAが2026年に新しいゲーミング向けグラフィックスチップを投入しない可能性があると報じました。
事情を知る複数の関係者に基づいた内容で、事実であれば約30年ぶりに新製品が登場しない「空白の年」となります。
背景には世界的なメモリ供給の逼迫があります。AIデータセンターの需要がメモリを大量に消費しており、SamsungやSK hynix、Micronといった主要メーカーの増産でも供給が追いつかない状況です。
現行のRTX 50シリーズも供給が不安定で、価格の高騰が続いています。そんな状況で消費者の需要があったであろう、RTX 50シリーズの中間リフレッシュとして「Kicker」というコードネームの計画が存在していることが伝えられています。しかしこの計画は、設計自体は完了していたものの2025年12月に方針を転換し、具体的な予定を定めないまま延期を決定した模様です。リーク情報では24GBのGDDR7を搭載するRTX 5080 Superなどの仕様が取り沙汰されていましたが、メモリのコスト増と調達の制約が大きな障壁になったと説明しています。
次世代のRTX 60シリーズについても、量産開始が2028年以降にずれ込む可能性が指摘されており、製品サイクルが従来の2年から3年に拡大する恐れがあります。
NVIDIAの収益構造の変化も、この判断に影響していると考えられます。最新の決算資料では、データセンター部門の売上が約512億ドルであるのに対し、ゲーミング部門は約43億ドルに留まっています。数年前までは総売上の3割強をゲーミングが占めていましたが、現在は経営の重心が大きくAIへと移りました。同社はGeForceの需要は強いとしながらも、メモリ供給の制約を認めるコメントを出しています。
この影響はGPU市場だけに留まりません。メモリ価格の上昇はスマートフォンやPCの販売価格にも波及する見込みで、IDCは2026年の販売台数予測を下方修正しました。専門家は供給状況の改善が2028年以降になると予測しており、欲しい時に買えない、価格が戻らないといった悩ましい状況が長期化する可能性がありそうです。




















