Qualcommは、ミッドハイクラスSoCの「Snapdragon 7 Gen 3」を11月中旬に発表しました。同SoCを搭載するスマートフォンはHONORやvivoなどから11月末までに登場予定とされており、すでに同SoCを搭載する「Honor 100」がHONORより発表されています。
CPUは当然ながら8コアで、TSMC 4nmプロセスでの製造となるとのこと。最大クロックは2.63GHzであることがQualcomm公式より明かされているほか、Honor 100のGeekbenchベンチマーク結果より、CPUコアは2.63GHz×1 + 2.40GHz×3 + 1.80GHz×4 という構成になっているようです。
Qualcommはスナドラ7Gen3の性能について、前世代と比較してCPU性能が15%、GPU性能が50%向上したとしたうえで、AI処理のワットパフォーマンス、つまり電力効率を60%以上改善したとアピールします。
しかしSnapdragon 7 Gen3は「前世代」とするべきSoCが見つからない製品でもあります。先代Snapdragon 7シリーズは「Snapdragon 7s Gen 2」と「Snapdragon 7+ Gen 2」の2製品が登場しましたが、Snapdragon 7s Gen 2はさらに前の「Snapdragon 7 Gen1」より性能が低く、またCPUの世代すら古いというモデル。
反面Snapdragon 7+ Gen2はAnTuTuベンチマークスコアにて100万点を超えるかなり高性能なものに仕上がっています。スナドラ7+Gen2の後継がスナドラ7Gen3、とはならないのはもちろん、価格を抑えるためか古い世代のCPUを積んでいる7s Gen2を、Qualcommが「先代」と解釈しているものとすれば、割と卑怯です。
ディスプレイはWQHD+(2560×1440以上)で120Hz、アスペクト21:9のディスプレイに相当するWFHD(2560×1080)では最大168Hzでの出力に対応します。
先述のとおり、すでに「HONOR 100」がSnapdragon 7 Gen 3を搭載して発表済み。すでに購入者によるとみられるGeekbenchスコアも複数登場していますが、シングルスコアが1100点台後半、マルチスコアが3400点前後に収束しています。
もちろんGeekbenchスコアは周囲の環境だけでなくスマートフォン側の熱処理の上手さによっても左右するため、HONOR 100のスコアだけで判断することはできませんが、たいていの人がこの程度のスペックで必要十分な性能ではないでしょうか。