シャープは5月8日、東京都内にて新製品発表会を開催、AQUOS R9およびAQUOS wish4をお披露目しました。
シャープは2024年、AQUOSブランドの「イメチェン」を図っていくとし、今回はその第1弾。これにあたって気にしたのは3つ。「AQUOSスマホの存在意義」「日本発デザインどうあるべきか」「AI」とのこと。
この2機種に関しては海外市場にも展開。台湾、インドネシアに加えてシンガポールにも展開。今までのように遅れずに迅速投入、果敢に海外市場に挑みます。日本以外で販売のグローバル販売台数は前年比で倍増したとし、好調であることを伺わせました。
シンガポールを選定した理由は、平均購買価格の高さや日本の信頼あるモノ作りに魅力を感じている現地パートナーの存在を挙げました。
ちなみに質疑応答曰く、海外で人気なのは洗えるような耐久性。海外からのフィードバックで入れた機能としては、地下鉄の中でも動画を見たり電話もするのでスピーカー性能も。ハプティクスの感触もキレが良いものが求められるといいます。フィードバックで商品の体力が上がっていくといいます。
日本のおもてなし文化が海外の観光客を魅了するように、日本メーカーのきめ細やかな配慮が世界に通用する価値のあるものだと信じるとのこと。そのためのシャープの原点は、NHKのプロジェクトXでも取り上げられた世界初のシャープのカメラケータイのように、新しいモバイルエンターテイメントをシャープは創造してきたところにあるといいます。
その原点に立ち戻り、テレビの技術を応用した映像ブランドとしてのAQUOSの最高の体験やカメラ、そしてそれを生活のあらゆるシーンで楽しめるよう高耐久や電池持ち。この2つの価値をもとにAQUOSブランドを再定義、暮らしの隅々や世界に価値を届けるとのこと。
ブランド再定義にあたってデザインも刷新。これまで内部でやっていたデザインは、外部の風を入れるため大手生活用品店の家電家具、雑貨の多くのデザインを手掛けているデザイナー三宅一成氏に。
品位のある出で立ちの中に、円でも楕円でもない「自由曲線」に、揃えすぎないカメラレイアウトという「心地よい違和感」を持つデザインを心がけたといいます。
AQUOS R9は生活に密着した身近な時短ハイエンド。時短によってかけがえのない自分の時間を生み出し、その隙間時間でいかに心満たされる体験ができるか、映像に強いAQUOSならではの体験を提供。
ディスプレイは目に優しく省エネ。今回は明るさに徹底的にこだわり、前機種比4倍明るく。隙間時間がいかに窓際や屋外で明るくとも見えるよう面の輝度1500nitを実現。HDRでの点の輝度(ピーク輝度)は2000nit。
さらに音響性能も向上。耳元口元の両方にAQUOS史上最大サイズのボックススピーカーを採用。まるで動画の中にいるような圧倒的な音の広がりで、これまでになく作品の世界に浸ることができるといいます。音量や低音域の表現も圧倒的にパワーアップしており、少し離れた場所で料理や家事をしながらでもその迫力を感じることができるとのこと。
また、これらのオーディオビジュアルを支えるためSnapdragon 7+ Gen3を搭載。CPU 性能はAQUOS R8と同等クラスとのこと。メモリは12GB大容量で仮想メモリ最大8GB対応とのこと。
今回AQUOSで初めてベイパーチャンバーを採用。表面温度で最大5度ダウン。パフォーマンス持続時間は最大80%アップとのこと。
日常のふとしたシーンをライカの味わいのある写真に残せるカメラ。標準カメラ、広角カメラ、インカメラの全てで位相差AFに対応とのこと。標準カメラは光学式手ぶれ補正にも対応。
被写体が障害物に一旦隠れても追尾し続けるよう被写体追尾技術も進化したとのこと。
また、料理の撮影で照明の位置から影ができてしまってもAIが除去してくれる機能を備えます。
AQUOS初のナイト動画や背景ぼけのシネマティック動画にも対応します。
画質面では、Leicaと協業で独自チューニングを進展。消しすぎてもおかしくなるノイズという課題に対し、ディテールとノイズリダクションのバランスを良い感じに調節。具体的にはSnapdragon 7+Gen3の機能も活用してセグメンテーションに分けて、「布の生地感は残しつつ人の肌は綺麗に」などノイズ対策を実施。さらに複数の光源があってホワイトバランスがズレやすい環境でも対応できるようきっちり調節しているなど、画質面でも細かな進化があることを伺わせました。
ハイエンドでは希少な耐衝撃にも対応。気軽にガシガシ撮影を楽しめるといいます。
生成AIを使った新機能。電話はかけられる側にとっては負担です。誰から何の用でかかってきているのか? どれだけ時間がかかるかもわからない。また電話に出られない時や、残されたメッセージを聞く時間すらない時もある、そんな非効率を生成AIも使った機能で解決。電話に出なくても話がわかるを実現。電話がかかっていた時にボタンを押せば、代わりに要件を聞いてくれるとのこと。
要約してテキストで一目で見て内容がわかるようになります。また、画面下部に配置された折り返しや返信などのボタンを使ってすぐにアクションを起こすことも可能。電話に出る心理的、時間的負担を軽減しながら、次の受け答えやアクションを効率よく考えることができるようになるとのこと。もちろんオンデバイスAIなのでプライバシーもしっかり保護。
これまでAQUOS wishシリーズは、シンプルで優しい見た目と使い心地、家族で使いやすい充実のモード、長く安心して使える信頼性の高さが特長です。初めてスマートフォンを使う人にぴったりのシリーズとして人気を集めてきました。
4代目となるwish4は、めっちゃ強くてめっちゃ可愛い(つよかわ)を主題に開発。耐久性と可愛さを両立させた1台に仕上げられています。
耐衝撃性能が大幅に向上し、コンクリートの上に落としても壊れない頑丈さを実現。またハンドソープで洗える防水性能も対応、安心して使用できます。
サラサラとした手触りの表面。カラーはブルー、ホワイト、ブラックの3色展開。
バッテリー容量は5000mAhに増量され、ディスプレイサイズも6インチに大型化。ゆったりと見やすくなりました。カメラ性能も進化。ProPix liteで夜もピンボケ知らずとのこと。
想定価格は3万円台前半という手頃な価格ながら、ローカル5GやSXGPにも対応し、法人向けも見据えます。AQUOS wish4のOSアップデートは2年間で最大2回。
今回wish4の画面が従来モデルより大型化したのは、「グローバル展開を見据えて標準に合わせるため」「利用者を見ているとストラップやカバンに入れる人も多いので小ささにこだわるより、ゆったり見れる方が」との理由。
なおAQUOS R9 proは今回ありませんが、proをやめたわけではないとし、ユーザー要望次第でまた登場してくれるかもしれません。